日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「思考の逃げ道」をつくろう

2021-04-06 17:06:09 | アラカルト

今日、午前中所用があり出かける事があった。
朝早かったこともあり、自分の体よりも大きなランドセルを背負い歩く小学一年生の姿や、旅行用のスーツケースをコロコロと引きながら歩く、真新しい制服の高校生たちの姿を数多く見かけた。
今年は桜の開花が早かったため、既に葉桜となってしまったが、「新〇〇」と呼ばれる若い人たちが今年も全国各地で誕生したのだな~と、実感する光景であった。
そして、彼らが充実した学校生活が送れればいいな~とも、思ったりした。

とはいうものの、新しい環境での生活は戸惑うことも多いだろう。
「思っても見なかった」ということも、これからあるはずだ。
そんな時の為に「考える」ということを、大切にして欲しいと思っている。

故池田晶子さんが18年くらい前に書かれた「14歳からの哲学」という本がある。
サブタイトルに「考えるための教科書」とある通り、「考える」ということの大切さについて書かれた本だ。
「考える」コトそのものは、当たり前なことだと思っている方は多いだろう。
何故なら、人は様々な場面で「決定する」という行為を続けているからだ。
例えば、「今日の昼めしは何にする?」ということを考え、食べるモノを決めることも「考え→決定」という順番で、頭の中で色々思いを巡らせているのではないだろうか?
そんな些細な「考えること」から、「人生の一大事」となるようなことまで、人は様々な場面で「考え→決定」という行為をしている。

ただ「考える」という行為の中で、「他者と違う」ことに悩み苦しむコトがある。
それは「皆が✖✖という考えなのに、自分は違う」という場面であったり、多数決などなどの場面で考えの相違があった場合などだ。
このような場面だけであればまだしも、匿名性の高いSNSなどにより「一つの一方的な意見に飲み込まれそうになる」ということがある。
違う意見や考えを言うことで、自分が周囲と上手く付き合えなくなる、ということも時には起きてくる。

そのようなコトが無いように「一つのモノゴトに対して、複数の考えを持つ」ということを、勧めたい。
人は「一つのモノゴト」に対して、一つの考えにどんどん引きずられてします傾向がある。
その時は、余り考えていない時でもある。
あまり考えてない人たちが集まり、大きな声となっていくと、その考えが「正しい」と思い込んでしまう。
残念なことに、そのようにつくられた「正しい考え」というものは、往々にして「正しいとは限らない」のだ。

そのようなことに巻き込まれないためにも、一つのモノゴトに対して複数の考えを持つことが、自分自身を見失わないために必要なことなのだ。
複数の考えを持つことで「思考の逃げ道」を創ることになる。
それは、自分らしさというモノを失わない、方法の一つでもあるのだ。
そのためには「考える」ということを続けるしかない。

「考える」ためには、時には「孤独」という時間も必要だ。
「孤独」は決してネガティブなものではない(と思っている)。
想像の翼と深い思惟を与えてくれる「自分だけの時間」でもあるのだ。

「思考の逃げ道」を創るためにも、「自分だけの時間」を大切にして欲しいと、若い人たちへ伝えたい。