日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「経営」の考え方も、多様になっている?

2018-10-29 19:18:23 | ビジネス

Huffpostをチェックしていたら、興味深い記事があった。
Huffpost:「安いものより、興奮できる商品を」イギリスの化粧品メーカーLUSHが、企業成長より大切にしていること

この記事を読んで思い出した化粧品メーカーがある。
同じイギリスに本社を置く「THE BODY SHOP」だ。
THE BODY SHOPは、現在ブラジルの化粧品会社に買収されてしまったので、厳密にいえばイギリスに本社があるとは言えないかもしれないが、創業そのものはイギリスでアニータ・ロディックという女性が始めた、「化粧品製造における動物実験を禁止」、人権の保護、フェアトレードなど、これまでの化粧品メーカーとは違うアプローチで、いわゆる「自然派」の女性たちから支持を受け、大きく成長してきた企業だ。
その考えをLUSHも引き継いでいる、という印象がある。

企業経営という視点で考えれば、LUSHやTHE BODY SHOPのような考え方は、主流となるものではないかもしれない。
しかし、THE BODY SHOPやLUSHのような考え方に共感し、ファンになる生活者も少なくない。
むしろTHEBODYSHOPやLHUSは、そのようなファンをつかみ成長してきた企業だといえるかもしれない。
と言っても、それは本国イギリスや米国などの市場において、という注釈が必要かもしれない。

何故なら、日本ではTHE BODY SHOPやLUSHで買い物をしている方たちは、そのような企業の考え方に共感しているというよりも、「その商品が好きだから」とか「このお店が気に入っている」という、買い物に対してもっとシンプルな動機で来店しているのでは?という、気がするからだ。
逆に言えば、Huffpostの記事にあるように「興奮できる(=ワクワク感がある)商品」が、これらのお店や商品にはある、ということになると思う。

この「興奮できる商品」という点だが、マネージメントの父と言われたドラッカーはGMに呼ばれたとき、ウェルチ氏に「GMは、様々な事業を展開しているが、その中でワクワクできる事業だけに絞るべきだ」とアドバイスをした、と言われている。
「ワクワクできる事業」というのは、それだけ熱意をもってできる事業とも理解できる。
化粧品メーカーだから、ファンデーションやマスカラ、チークと言ったメイクアップ商品を作らなくてはいけない、という決まりごとはない。
むしろ、石けんやボディーソープなど「素肌がきれいになる」とか、バスボム(発泡性の固形の入浴剤)のような「リラックスすることで、キレイになれる」という商品もまた「キレイになる」という点では、化粧品と言えるかもしれない。

今のように、生活者の考えやライフスタイルが多様になってくると、教科書通りの経営が正解ではない、ということかもしれない。
大きな市場は得られなくても、経営や企業の考え方に共感し、ファンとなる顧客を創るという経営もまた、今の時代には有りという気がする。




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