Yahoo!のトピックスなどは、よくチェックをしているのだが、チェックをするだけではなく、ユーザーの書き込みなどもチェックをしている。
その書き込みなどを読んでいると、下手な(と言っては失礼だが)経済誌の記者さんたちよりも客観的で冷静な分析をしているな~と、感じることがある。
その一つが、東洋経済の神戸洋菓子店破たんの記事だ。
Yahoo!トピックス東洋経済:神戸洋菓子店が破綻、「地方スィーツ」の落日
この記事で取り上げられている神戸の洋菓子店を存じ上げないので、実際地元ではどのような評判店であったのかは知らない。
ユーザーの書き込みなどを見ると、地元で今一番の評判店というわけではなかったようだ。
書き込みの内容も、洋菓子店オーナーの態度から実際に販売されていた洋菓子などについての感想が、書かれている。
それらすべての信憑性という点では、分からない部分もあるが、問題点を的確に指摘しているのでは?と、感じるものも多い。
一番納得できた書き込みは、「神戸の洋菓子店の破たん=地方スィーツの落日」という、決めつけのようなタイトルや記事に内容についての「違うのでは?」という指摘だ。
確かに、神戸は横浜と並ぶ「ハイカラ」な街だ。
当然のように、おしゃれな洋菓子店がいくつもあるだろう。
事業を拡大し、この記事で取り上げられたような洋菓子店も中にはあるかもしれない。
だからと言って、破綻した洋菓子店のようなお店ばかりではないだろうし、それは何も神戸に限ったコトではないはずだ。
「地方」の反対を示す「東京」であっても、破綻した洋菓子店と同じようなお店はあるのでは?という、指摘の書き込みには納得できる。
「しっとり系バームクーヘン」人気をつくった「クラブハリエ」は、滋賀県に本社を置く和菓子の「たねや」が展開をしている。
地方と言えば、神戸よりも地方都市の洋菓子店だ。
そして「クラブハリエ」の人気は、落ちるどころか百貨店などでは行列ができる人気店となっている。
百貨店に出店はしていないものの、堅実な経営をしながら、店舗を増やしている洋菓子店も全国には多いはずだ。
何より大切なことは、「味を落とさない」とか「身の丈以上の事業拡大をしない」という、ビジネスでは当たり前のことを守っているか・否か?という点ではないだろうか?
記事にある通り、コンビニスィーツが人気であることは確かだ。
しかし、コンビニスィーツを買う時と洋菓子店でケーキなどを買う時とでは、生活者の気分が違うのではないだろうか?
コンビニスィーツの良さは、「気軽さ」だ。
「お弁当を買った次いでのデザート」、「コーヒーのお供に」といった感じでの買い方をしている生活者が、多いのでは?
一方、洋菓子店でスィーツを買う時は、ショーケースの前であれこれ考え・迷い・選ぶという、チョッとした「特別感」のようなものがある。
もちろん、洋菓子店を選ぶときの重要ポイントは「味」だ。
ケーキのスポンジやクリーム、チョコレートなど自分の好みに合ったお店で、スィーツを選ぶことになる。
そのような生活者の需要に、敏感に応えられなければ都市規模とは関係なく、淘汰されていくというだけのことではないだろうか?
もちろん「美味しい」のに、撤退を余儀なくされる洋菓子店はある。
そのような場合は、店舗のあるビジネス環境の変化(シャッター通りの商店街など)など、他の要素が多分に含まれているのではないだろうか?
そう考えると様々な視点から、この「神戸の洋菓子店の破綻」の記事について、書き込まれた内容を読んでみると、生活者のほうが経済記者よりも冷静に客観的に分析をしているのでは?という、気がしてくるのだ。