Huffpostを見ていたら、「時代が変わっても、繰り返されるのだな~」と、感じる記事があった。
Huffpost:コロンビア大学に警察突入。56年前の同じ日にもベトナム反戦デモの学生らが逮捕されていた
56年前のベトナム反戦デモは、映画化されている。
おそらく私と同世代以上の人達であれば、一度は聴いたことはあるのでは?と思う、ユーミンの「いちご白書をもう一度」のタイトルに使われた「いちご白書」という映画だ。
このタイトルとなった「いちご白書」というのは、当時のコロンビア大学の学長が、コロンビア大学内の「ハミルトンホール」に集まったデモ学生に向かって「何を甘ったるいことをやっているのだ」という趣旨の話をしたことから、このデモのことを「The Strawberry Statement」と呼ばれるようになったと、言われている。
それが、当時コロンビア大学の学生だったジェームス・クネンが「The Strawberry Statement」という本を書き、その後映画化されたのだった。
初公開時には、映画としてどれだけヒットしたのかはわからないのだが、ユーミンの「いちご白書をもう一度」のヒットにより、リバイバル上映をされた(リバイバル上映を映画館で観たのが、私と同世代だろう)。
個人的には、映画のストーリーよりも使われた数々の時代を象徴するような、ヒット曲とそれらの楽曲が使われた場面の方が印象的で、今でも断片的ではあるが、覚えている。
思い出してみれば、56年前米国の大学で起きたベトナム戦争に対する反戦運動は、日本の大学にも影響を及ぼしていた。
反戦運動というよりも「安保反対」に対する学生運動といった方が良いだろう。
コロンビア大学でのハミルトンホールでの学生排除と逮捕が行われた頃、日本でも学生運動が過激化しつつあったような気がする。
その一例が「東大安田講堂事件」かもしれない。
「東大安田講堂事件」の発端は、反戦運動ではないのだが、映像に残る大学構内での学生運動の攻防戦として「東大安田講堂事件」は、忘れられない出来事だった。
他にも同じ年には、新宿騒擾事件(通称:新宿騒乱)等が起きている。
新宿騒擾事件は、反戦運動を繰り広げていた大学生たちが起こした事件である、ということを考えると、コロンビア大における「ハミルトンホール占拠」に近い動機なのかもしれない。
このような熱量は、「いちご白書をもう一度」の歌詞のように、就職活動が近づくと離脱する学生が続出し、残った学生たちはより過激な行動へと発展し、1970年代初めに様々な事件を引き起こすことになる。
当時のことを今更あれこれ言ったところで、今の日本の大学生が反戦デモをするとは思えない。
それは日本と米国における学生の社会的意識の違い、というだけではなく、社会に対する熱量が、全く違うと感じているからだ。
経済的にも30年以上落ち込み続け、豊かさを感じることが無いまま育ってきた今の日本の学生たち。
それだけではなく「全入時代」と呼ばれるほど、大学進学が当たり前になったことで「大学生」が、特別なものではなくなった、ということも関係しているような気がしている。
良い悪いではなく、今という時代の大学生の姿を見て、そのように感じているということなのだ。
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