創造性とユーモア、そして寛容性

アモス・オズという、イスラエルの作家がいる。
私は知らなかったのだが、どうやらゲーテ賞などを受賞しノーベル賞の文学賞でのノミネートされるほどの方のようだ。
偶然、アモス・オズの「わたしたちが正しい場所に花は咲かない」と言う本を知った。
と言っても、まだ読んだわけではないのだが。

この本に惹かれたのは、「共生の作法」というサブタイトルのようなモノが付いている、と言うこと。
それだけではなく、「自分の主義・主張だけが正しいという、狂信者に見られる激しい思い込み、それがひいては独善的な行動や言葉になって表れ、人間どうし、民族どうし、国どうしの争いを生む。その独善性に風穴をあけるのが、想像力とユーモア」を内容としているという点だった。

この「自分の主義・主張だけが正しい・・・」という点を考えると、狂信者でなくともごく普通に生活をしている私たちですら、「独善的な行動や言葉」を使ってしまっていることが多々あるような気がしたのだ。
もちろん、私自身を含めてのコト。
今の社会全体を覆っているなんとなく重苦しい空気感を打破するために必要な事が、想像力とユーモアなのでは？と思ったのだった。

そしてもう一つ必要なものがあるとすれば、「寛容性」と言うことなのでは？
人を責め立てるだけでは、前に進むことはできない。
互いに理解しあうための努力も必要なのだ。
その第一歩となるのが「寛容性」なのだと思う。
もちろん、厳しく責任などを問われなければならない人たちがいる。
オリンパスの旧経営陣や、東京電力の幹部役員などだ。
でも、社会的責では無い部分でどこかに「寛容」と言うことを、忘れてしまっているようなところは無いだろうか？
そのようなとき、私たちは自分たちの主義・主張だけが正しいと思い込み、独善的で思いやりが無くなっているのではないだろうか？

最近イロイロなところで見る人の振る舞いを見ながら、そんなことを思うのだ。