Huffpostを見ていたら、「そうだよね~」と共感する記事があった。
Huffpost:シャープさんが「マーケティングしんどい」とつぶやく。その訳は?
「しんどい」理由は、記事そのものを読んでいただくとして、確かにビジネス用語の中でもマーケティングの中で使われる言葉の中には「軍事用語」を基にしているものが多い。
戦略やターゲティングといった言葉は、全て軍事で使われる言葉だ。
随分前に読んだ本の中に、これらのマーケティングで使われる言葉が軍事で使われる言葉であることを、残念がる様な文があったことを思いだした。
私自身も、極力このような勇ましい言葉を使わないように、とは思ってはいるのだがこれらの言葉に代わる言葉が見当たらない、という場合が案外多いというのも事実だ。
例えば「ターゲティング=市場の主な生活者と考えられる層」と、置き換えられないわけではないのだが、言葉としてまどろっこしく、説明の度に平易な日本語に置き換えようとすると、逆にわかりにくくなってしまうということになる。
元々、米国を発祥とする実学であるために、日本語に置き換えるということそのものが大変である、ということなのだ。
ただ、マーケティングの担当者が、今回のようなロシアがウクライナへ侵攻するようなことが起き、度々とニュースなどで慣れ親しんだ言葉が、人や社会を悲惨な目に合わせるようなことに使われていると、改めて知るとしんどい気持ちになるのは当然だろう。
何故なら、マーケティングそのものは「争う」ためのモノではないからだ。
あくまでも個人的な考えなのだが、マーケティングは「ソーシャル・フィロソフィー=社会哲学」だと考えている。
社会にある様々な事柄に対して、社会の智慧を集め・考え・社会に戻すために何をすべきなのか?ということを、行うことを目的としている、と考えているからだ。
少なくとも、企業におけるマーケティングは「社会を豊かにするために、企業は何をすべきなのか?」ということを、念頭に置いて事業プランや広告プランなどを考えることが仕事だと思っている。
そう考えているからこそ、シャープの担当者は「しんどい」と、つぶやいたのだと思う。
違う言い方をするなら、自己益を求めるために他者の利益や考えを暴力で壊すことは、マーケティングの考えと真逆な行動である、ということにもなる。
だからこそ、マーケティングの本領を発揮できる時は、社会が平和で寛容的でなくてはならないのだ。