3月に入り、公立高校の卒業式が先日行われた(名古屋の場合)。
卒業式の後にあるのは、入学式ということになる。
私が子供の頃は、女の子は赤いランドセル。男の子は黒いランドセルという選択肢しかなかったが、最近ではとてもカラフルになってきている。
時折見かける小学生のランドセルは、赤いランドセルよりもピンクや淡い紫、水色と言ったパステルカラーから、こげ茶や濃紺と言ったダークカラーまで、色とりどりだ。
そして人気のランドセルは、入学する前の年のGW頃に購入しないと、お気に入りのランドセルが購入できないらしい。
なぜGWなのか?と言えば、祖父母がランドセルを購入する資金を提供してくれる為らしい。
確かに、最近のランドセルは高額な印象がある。
それだけではなく、教科書等のサイズがA4になったため、30年ほど前よりも一回り位大きくなっている。
小学一年生の小さな体では、大きなランドセルを背負うのも大変だろう。
教科書の大型化だけではなく、教科書の代わりにタブレット端末を使うということになると、ますます背負うのが大変になるかもしれない。
そんな「ランドセル市場」に変化が起きている。
「ランドセルの製造メーカー」以外からの参入が相次いでいる、という点だ。
京都の同志社大学に付属小学校が新設された時は、一澤信三郎帆布のキャンバス製のランドセルが起用され、話題になった。
話題になったのは、キャンバス製のランドセルという点ではなく、お家騒動だったのだが、有名私立大学付属小学校が一般的(?)なランドセルではなかったことでも、話題になったと記憶している。
その京都には、元々「ランリュック」と呼ばれる軽量なランドセルのようなリュックサックがある。
「ランリュック」を発売した頃は、採用する小学校も少なかったようだが、徐々に人気となり今では同様にタイプの「ランドセル」を採用する自治体も増えてきているようだ。
それが「教科書の大型+重量化」により、これまでのランドセルメーカー以外の企業が、「軽量・安価」を謳うランドセルを次々と発表している。
例えば、登山やトレッキング用品を製造・販売している、モンベル。
子供服の製造販売を手掛ける、ファミリア等だ。
モンベル:わんバッグ14
ファミリア BOLG:ランドセル
そして満を持して?という訳ではないだろうが、作業着等の製造販売を行っている、ワークマンが今年参入を始めた。
FASHIONSNAP:ワークマン初のランドセルは税込み8,800円、「低価格・高機能・軽い」バランス重視の開発の裏側
先日発表された、昨年の新生児の誕生は過去最低だった。
ということは、「ランドセル市場」そのものは縮小の傾向にある、と考えてもよいはずだ。
にもかかわらず、新たに参入する企業があり、その共通となるキーワードが「軽量」だ。
モンベルの場合、ランドセルの販売を発表した直後から、「大人のランドセルが欲しい」と、要望が多くあり現在では「大人のランドセル」も販売するようになった。
ピカピカの1年生だけを「ランドセル市場」として見ると、市場そのものは縮小していくことが目に見えている。
しかし、体の小さな小学一年生の体に負担のかからない「ランドセル型カバン」と視点を変えると、その市場は変わってくる。
新に参入している、異業種はそのような視点で市場を見ているのかもしれない。
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