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やはり動き出していた「パタゴニア」社‐ブランド・アクティビズム‐

2022-06-16 19:04:04 | マーケティング

Huffpostの記事をチェックしていたら、「やはり!」という記事があった。
それが、今日のタイトルとなっている「パタゴニア社」のブランド・アクティビズムだ。
Huffpost:「クローゼットの中は化石燃料だらけ」パタゴニアがフィルム公開。地球を蝕むプラスチック問題へ挑む 

先日、拙ブログで「ブランド・アクティビズムとソーシャル・ジャスティス」というテーマをエントリした。
この時、少しだけ触れていた企業が、パタゴニア社だった。

ご存じの方も多いと思うのだが、パタゴニア社は、米国の人気アウトドアブランドの一つだ。
人気を決定づけたのは「フリース」という、当時の新素材を使ったアウトドアウエアだ。
今では、当たり前のように「フリース」という素材の服を、何枚も持っている人がほとんどだと思う。
パタゴニア社のフリースは、ペットボトル容器を原材料とした「再生素材」として注目され、人気となったのだった。
それは同時に、「環境問題に関心のある企業」というイメージ付けにもなった。
以来、パタゴニア社は「環境問題」に対して、様々な活動を行う企業となっていった。
日本では「『パタゴニア』というブランド商品を買う」、ということが一つのオシャレな感覚があり、同時に「環境問題にも興味・関心がある」という、一つの表現となった。
服を着ている人自身が、環境問題等に興味・関心があるかないかということではなく、「パタゴニアの商品を持つ」ということそのものが、そのような意思表示のような受け止められ方をされる部分もあった。
パタゴニア社は「自分たちの企業理念に共感してくれる人を顧客としたい」という、明快なスタンスを持っている企業と言える。

そのパタゴニア社が、今回このような動画を公開した、ということは「これまで以上に環境問題に取り組んでいく」という、ある種の宣言のようなものであり、その為に顧客に対して「あなたのクローゼットは、どうなっていますか?」という問いかけにもなっている。
確かに、アパレル業界というのは、表には見えない「環境汚染産業」だといわれている。
使われる繊維一つにしても、フリースの素材となっているポリエステル、かつては「人絹(人造絹糸)」と呼ばれていたレーヨン、ストッキングの強度を一気に高め、価格を下げたナイロン等々、綿やウール等の天然繊維等の強度を高める為に、化石原料を素材として布が作られている。
それだけではなく、人工染料の開発により、様々な色が使う事ができるようになった。
布を人工染料で染めた後、さらす為に使われる水の量も膨大で、使われる水と共に人工染料は自然界へと流れていく、という指摘が数年前から言われるようになってきている。

このように、アパレル商品をつくる過程で今や化石原料そのものは、必需品と言ってよいほどなのだ。
そのことに「No!」という表明をすることで、パタゴニア社は自分たちの企業文化をより強く、社会的に意味のあるものへとしているのだ。
しばらく前に「木布(「もくふ」と読む)」について、エントリをしたが、パタゴニア社のような企業にこそ、「木布」を日本企業は売り込む必要があるのではないだろうか?




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