日経新聞のWebサイトに、やや衝撃的な記事があった。
日経新聞:世界競争力、デンマークが首位 日本は過去最低34位
この調査を行ったのが、スイスにある有力ビジネススクールなので、欧州が優位になるのはある程度想像する事ができる。
ただそのようなことを除いても、日本の順位が34位というのは、やや衝撃的な気がしている。
もちろん、この3年間世界を覆いつくした「新型コロナ」による、様々な分野での影響は否めない。
だがそれは、日本に限ったことではないはずだ。
記事中に指摘されている通り、日本の場合「新型コロナ」に対する戦略的なモノがなく、「我慢・気合・根性」のような精神論的な事を、生活者に強いてきた。
結果として、「感染防止による、一時期的経済の停滞」から「withコロナへの転換」等の政策が語られることなく、ズルズルと今に至ってしまった。
その一例として「マスクをいつ外すのか?」という、議論だ。
朝日新聞:マスクを外す?外さない? 自分で決められない日本の社会の空気感
個人的には、「個人の利益とリスク(体調不良等)のバランスを考えて、決めればよい」と考えている。
というのも、私自身が「マスク熱中症」になり、日ごろから「マスク頭痛」で困っているからだ。
「個人の利益」という表現をすると、「感染予防という社会的目的を忘れている」と指摘されるのだが、今現在「マスクを外さない理由」として挙げられる順位としては「感染予防」よりも、「人目を気にして」とか「他者に表情を読み取られたくない」という理由のほうが、上位にきている。
今や「感染予防」という「社会的目的」ではなく、「個人的理由でマスクが外せない」という人のほうが圧倒的に多いのだ。
もちろん、「基礎疾患を持っているので、マスクは外せない」という方もいらっしゃると思う。
とすれば、「TPOに合わせて、マスクを使いこなす」事で、問題の多くは解決するのでは?
と同時に、「コロナ禍」でいかに以前のような生活に戻す為の技術を、生活の中に取り入れるのか?という、提案そのものがされてこなかったような気がしている。
例えば、以前から言われていた「紫外線を活用したウイルスの不活性化」という技術は、既に確立しており製品化もされていた。
(一例:アイリスオーヤマ「細菌およびウイルスに対して除菌効果のある「フィリップスUVーC除菌機器シリーズ」販売開始 2021年4月ニュースリリース)
にもかかわらず、公共の施設等で積極的に活用されている、という印象がほとんどない。
もし本気で経済を動かしながら感染拡大防止を考えるのであれば、安易な「休業補償」ではなく、このような設備投資に対する支援策があっても良かったはずなのだ。
にもかかわらず、ズルズルと今のような状況になっているのは「自己責任」と言いながら「自分で責任を取りたくない」という、気持ちがどこかであり、それがある意味「日本の思考」なってしまっているのかもしれない。
そのような思考が、上述した「日本の競争力の低下」に結び付いているような気がしてならない。