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「アイドル」という存在 ‐ジャニーズ事務所についての私的考察‐

2023-09-07 19:36:49 | アラカルト

今年の春、BBCがネット配信をした「JーPOPの捕食者 秘められたスキャンダル」が切っ掛けとなり、故ジャニー喜多川氏の性加害行為が、表沙汰になった。
ネット界隈では、このニュースが報じられたが、日本の主要メディア(テレビや新聞など)は、極力この問題を避けてきた。
しかし、海外記者クラブで被害にあった、という男性の記者会見が切っ掛けとなり少しづつ、話題として取り上げられる機会が増えていた。
それでも、主要メディアの動きが無かったのは、ジャニーズ事務所との関係の深さがあったからだろう。
少なくとも、ネットなどで情報を得ていた人たちの多くは、そのように考えているはずだ。

そして今日の午後、ジャニーズ事務所側から正式な記者会見が行われた。
ジャニー喜多川氏の銘であるジェリー藤島氏は、このような事実を知らなかった、と「お約束のようなお話」をされたようだ。
というのも、1960年代にジャニーズ事務所からデビューをし、大人気となっていた「フォーリーブス」の北公次さんが、約35年前に「告発本」を出版されているからだ。
このような「告発本」を出版され、当事者に近かった人物が知らないとは思えないからだ。
それだけではなく、この「告発本」を切っ掛けに、北さんはテレビなどから干されるように姿を見かけなくなった(ように記憶している)。
結局、北さん側がジャニーズ事務所に謝罪するようなカタチで、コトがおさまったという印象を持っている。

ただ、その頃のジャニーズ事務所に1990年代のような勢いがあったのか?と、言われればそうではなかったように思う。
確かに次々と10代の少年アイドルグループをデビューさせテレビの歌番組などにも出演をさせるのだが、コアなファンはいても「国民的」と呼ばれるほどのアイドルグループはいなかったように思う。
SMAPが登場するまでのジャニーズ事務所というのは、「少年アイドルグループ」専門芸能事務所という感じだったと思う(だからこそ、故ジャニー喜多川氏の性加害行為の温床になったのだが)。

それよりも、ジャニーズ事務所の「時代感のズレ」のようなモノの方が、強く印象として残っている。
実は、ジャニーズ所属のアイドルのCD化というのは、10年以上遅かったはずだ。
理由は「レコードジャケットよりも、顔写真が小さい」という理由だと、まことしやかに言われていたからだ。
CDジャケットは、確かにレコードジャケットよりも遥かに小さく、レコードジャケットのように部屋に飾るには、小さすぎる。
「ファンはアイドルの顔が見たいのだから、その顔が小さければ、意味がない」とも言われていたように思う。
今にしてみれば、信じられないと思う方もいらっしゃると思うのだが、ジャニーズ事務所のアイドル達が音楽配信などをするのが遅かったのも、おそらく同様の理由なのでは?と、想像していた。
もう一つCD化が遅かったのは、「アイドル」なので「歌も演技力もそこそこ」であった、ということも大きく影響しているかもしれない。
その意味で、SMAPの存在はジャニーズ事務所を大きく変容させたかもしれない。
バラエティーからドラマ、自分たちの冠番組では料理も披露、提供される楽曲のライターチームは歌謡曲のスタッフではなく、シンガーソングライターを積極的に起用したからだ。
それは「昭和のアイドル」というビジネスモデルとの、決別だったのかもしれない。

このSMAPのビジネスモデルは、K-POPにも影響を与えているように感じている。
というのもK‐POPの男性グループは、SMAPをはじめとするジャニーズに戦略が似ていると、感じているからだ。
ただこれらのビジネスモデルは、ジャニー喜多川というカリスマがいたからこそできたのではないだろうか?
ジャニー喜多川氏が行った製加害行為は、許されるモノではない
とすれば、今回の記者会見は「ジャニーズの終わりの始まり」のようにも思えてくるのだ。



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