イギリスのEU離脱が決まってから、意外なことがいくつか起こっている。
例えば、離脱が決まってから「EU」についての検索アクセスが急激に増えた、という話題。
投票前に「EUとは何か」ということくらい知っていて、投票したのかと思いきや、そうではない人が思いのほか多かったようだ。
もう一つは、今日の朝日新聞に掲載されている「バラ色の離脱」と言っていた旗振り役が「公約」を反故し始めた、という話題だ。
朝日新聞:EU離脱、バラ色のはずが・・・旗振り役が「公約」反故
オイオイ、離脱が決まってから数日も経たない間に、いきなり「公約」を反故するというのは、あんまりなんじゃ・・・という気がするのだが、1か月後は、日本でも同様のことが起きるかもしれない。
もっとも、日本の場合「公約はあってないもの」という感覚のほうが強いかもしれないので、「いつものこと」で終わってしまうかもしれない。
ただ、EU離脱が決まった直後から、「もう一度離脱か残留かの国民投票を!」という動きがあったので、もしかしたらこの離脱という結果に不安を覚える人たちが多いのだろう。
そこへ、旗振り役の「公約反故」。
離脱そのものが「自分の生活をバラ色に変える」と思っていた人たちからすれば、いきなり梯子を外された気分なのではないだろうか?
有権者として考える必要があったのは、「EU」という枠組みによって得られていた「経済メリット」という点と「政治のグローバル化」だったような気がする。
「政治のグローバル化」というと「国際政治」と考えがちだが、今の「政治」は国内政治が他の国にも影響を与える(与えられる)時代になっている。
にも拘わらず、国内にある不満や不安だけに目を向けてしまうと、自国と他国との関係性の中で生まれている、自分の生活に影響を与える様々な出来事を見失ってしまうのだと思う。
そこへ「バラ色の話」を言う人物がいれば、その話を信じてしまう(というよりも「信じたい」という気持ちかもしれない)のは、ある意味仕方のないことなのかもしれない。
既に一部の人たちが言っている「バラ色の話」は、イギリス国民のポピュリズムを扇動し、EU離脱へと導いたということになるのだと思う。
そしてこのポピュリズムは、イギリスだけではなく、トランプ氏に熱狂する米国にも通じるところがあるような気がしている。
そして、トランプ氏もまた「梯子を外す」可能性があるのでは?と感じている部分もある。
あくまでも想像の範疇だが、そうなると米国は政治も経済も相当混乱し、全世界に影響を及ぼすのでは?と、怖い想像までしてしまうのだ。
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