日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

女性の戦力化とクリエイティグ・クラス

2007-04-14 23:51:13 | ビジネス
今日の日経新聞WEBサイトにソニーやKDDI、女性戦力化を共同研究・NPO設立という記事が掲載されている。
今年のはじめ、拙ブログでも「今年は、女性が活躍する年」という内容の指摘をしているが、この記事を読んで感じることは「企業における女性の戦力化」が女性の仕事スタイルを男性並にと言うことがあるのではないか?と言う不安だ。

これまで幾度となく「企業がこれから先、生き延びるためには女性を戦力化すること」ということは言われてきた。
だが、それらの意見の多くが「女性も男性並に、サービス残業もいとわずに働いてくれ」というニュアンスだった。
ニュアンスと言う表現をしているのは、明確に「男性並に働け」という表現をしていなかったからだ。

企業にとって、女性を戦力化することのメリットは市場の拡大とか、最近話題になっている「クリエイティブ・クラス」という、これまでの「ブルーワーカー」と「ホワイト・ワーカー」に振り分けられない、仕事をする人たちが増え始めたこともあるのかも知れない。
少なくとも「クリエイティブ・クラス」という考えの中では、男性も女性もその働くスタイルは関係が無い。
おそらく、今回の女性戦力化の共同研究をすると言うのは、この「クリエイティブ・クラス」が中心なのではないだろうか?と感じている。
しかし、現実的には企業内における女性に与えられている職務は、どのようなモノなのだろうか?
また、一端職場を離れた女性に用意されている仕事とは、どんなモノなのだろう?と言うことを考えると・・・。
と言うのは、シングルマザーなどの職務内容は、独身時代の頃のような男性の仕事のアシスタント的内容であればまだ良いほう。
殆どは、企業にとって都合の良い低賃金の働き手となっているのではないだろうか?
他にも、ワーキングマザーを支援するための制度も企業の福利厚生も、まだまだと言うのが現実なのではないだろうか。

企業の多くが「女性の戦力化」といったとき、それが「男性並みの仕事のあり方を求める」ということであれば、いくら研究をしても女性はNO!というのではないだろうか?
これまで日本の企業も社会も、イロイロな言葉を日本的解釈を元に本来の意味とはまったく違う政策をとってきた。
その顕著な例が「リストラクチュアリング」だろう。
本来「再構築」という、企業の事業の見直しと体質強化を目的としていたコトバが「リストラ」となり、「首切り」というコトバのすり替えとなった。
「クリエイティブ・クラス」というコトバも、本来の意味とは違う内容になり、男性とは違う価値観を持っている女性を男性化させるコトにならない様にならなければよいのだが・・・。