10月21日(水)、第20期女流王位戦五番勝負第3局が行われた。この日は東京・駒込のLPSAサロンで解説会もあった。当日はスペシャルゲストがいらっしゃるということもあり、私も楽しみにしてサロンに向かった。
そのゲストは、LPSAのホームページで明らかにしていないのでここでも触れないが、イケメン男性棋士だったとは書いておこう。
当日は20人ぐらいの客がいたか。颯爽と現れたイケメン氏だが、自身にちょっとしたトラブルがあって、ヒゲを剃ってくるヒマがなかったらしい。しかし却って野性味が出て、ますます男ぶりが上がっている。イケメンはどんな身だしなみでもよく見えるから、トクである。これが私の場合だと、不精ヒゲが不潔に見えて、ますます秋葉原のニオイが濃くなってしまう。
イケメン氏の解説は、やはり女流棋士と違って小気味いい。今回感心したのは、42手目、後手・石橋幸緒女流王位の☖9四歩に対して、清水市代女流名人・女流王将が☗8八銀と上がった手を疑問、とバッサリ斬り捨てたことで、「ここは☖9五歩とされてから銀を上がるのが手順。先に上がられて☖9五歩と伸ばす人はいず、その代わりに中央に手を作られるから面白くない」と明快な解説だった。
指し手の変化を詳細に述べる解説もいいが、局面の考え方の教えは、全局に応用が利く。とても参考になった。
もうひとつ興味深かったのは、中盤で清水女流名人・女流王将が67手目☗3八歩と屈服した手に対しての評価だった。ここは☗3六歩も☗3七歩もあるところで選択肢が多いが、羽生善治名人・王座・棋聖・王将が指すと、不思議とその手が勝着になるのだという。だからイケメン氏は、もし清水女流名人・女流王将が勝つとすれば、この手が勝着になるでしょう、というようなことを言ったのだ。
しかし本局は石橋女流王位が快調に攻め、イケメン氏は、ここが駒込ということを意識してか、「私なら形作りを考えます」とまで言った。
74手目、石橋女流王位が☖6六歩と金頭を叩いたところで、解説場はひと休み。大盤に並べられたその局面をあらためて眺めると、見れば見るほど厳しい手で、私なら投了しているところだ。
ところが再開すると、石橋女流王位に疑問手が出て、いつの間にか清水女流名人・女流王将の勝勢になっていた。このときあらためて驚愕したのが、67手目に打った☗3八歩の存在である。先手玉が2七に逃げ延びてきたとき、これが防波堤の役目を果たしていたのだ。
「清水さんが勝てば、☗3八歩が勝着になる」
と言ったイケメン氏の言葉がリフレインする。イケメン氏の慧眼、恐るべし、であった。
さて今日16日は、良くも悪くも石橋女流王位がひとりで楽しんだような、女流王位戦の最終局である。昨年の最終局は、指し手の善悪を超えたオンナ対オンナの怪局で、私が昨年度の名局ベスト1に挙げた将棋となった。今年はどんな将棋になるのだろう。
もちろん駒込でも解説会がある。解説者は中井広恵女流六段。昨年のような興奮を、また皆さんと味わってみたい。
そのゲストは、LPSAのホームページで明らかにしていないのでここでも触れないが、イケメン男性棋士だったとは書いておこう。
当日は20人ぐらいの客がいたか。颯爽と現れたイケメン氏だが、自身にちょっとしたトラブルがあって、ヒゲを剃ってくるヒマがなかったらしい。しかし却って野性味が出て、ますます男ぶりが上がっている。イケメンはどんな身だしなみでもよく見えるから、トクである。これが私の場合だと、不精ヒゲが不潔に見えて、ますます秋葉原のニオイが濃くなってしまう。
イケメン氏の解説は、やはり女流棋士と違って小気味いい。今回感心したのは、42手目、後手・石橋幸緒女流王位の☖9四歩に対して、清水市代女流名人・女流王将が☗8八銀と上がった手を疑問、とバッサリ斬り捨てたことで、「ここは☖9五歩とされてから銀を上がるのが手順。先に上がられて☖9五歩と伸ばす人はいず、その代わりに中央に手を作られるから面白くない」と明快な解説だった。
指し手の変化を詳細に述べる解説もいいが、局面の考え方の教えは、全局に応用が利く。とても参考になった。
もうひとつ興味深かったのは、中盤で清水女流名人・女流王将が67手目☗3八歩と屈服した手に対しての評価だった。ここは☗3六歩も☗3七歩もあるところで選択肢が多いが、羽生善治名人・王座・棋聖・王将が指すと、不思議とその手が勝着になるのだという。だからイケメン氏は、もし清水女流名人・女流王将が勝つとすれば、この手が勝着になるでしょう、というようなことを言ったのだ。
しかし本局は石橋女流王位が快調に攻め、イケメン氏は、ここが駒込ということを意識してか、「私なら形作りを考えます」とまで言った。
74手目、石橋女流王位が☖6六歩と金頭を叩いたところで、解説場はひと休み。大盤に並べられたその局面をあらためて眺めると、見れば見るほど厳しい手で、私なら投了しているところだ。
ところが再開すると、石橋女流王位に疑問手が出て、いつの間にか清水女流名人・女流王将の勝勢になっていた。このときあらためて驚愕したのが、67手目に打った☗3八歩の存在である。先手玉が2七に逃げ延びてきたとき、これが防波堤の役目を果たしていたのだ。
「清水さんが勝てば、☗3八歩が勝着になる」
と言ったイケメン氏の言葉がリフレインする。イケメン氏の慧眼、恐るべし、であった。
さて今日16日は、良くも悪くも石橋女流王位がひとりで楽しんだような、女流王位戦の最終局である。昨年の最終局は、指し手の善悪を超えたオンナ対オンナの怪局で、私が昨年度の名局ベスト1に挙げた将棋となった。今年はどんな将棋になるのだろう。
もちろん駒込でも解説会がある。解説者は中井広恵女流六段。昨年のような興奮を、また皆さんと味わってみたい。