去る10月25日(日)、東京・浜松町の「産業貿易センター」で今年最後の社会人将棋団体リーグ戦(社団戦)の最終戦が行われた。いつも書いているが、私は「LPSA星組」で参加。ヒトのことは言えないが、今年はメンバーがなかなか参戦せず、今回もひとり足りなかったのだが、直前になって控え選手と連絡がつき、なんとか7人での出場となった。
全16チームの総当たりで、いままで12回戦を消化したから、今回は3回戦のみ。私はまたも大将として出場となった。私の棋力を客観的に見るに、とても大将という役ではないのだが、ほかに該当選手もいないので、仕方がない。しかし出場するからには、狙うは当然3連勝である。私は初参戦のときのように、「勝利のしるし」用の女流棋士扇子を3本用意し、対局に臨んだ。
最終日1局目は、私の先手番で後手氏の四間飛車。後手氏の☖1四歩を緩手にすべく、私が☗4六銀から急戦に出た。☖4五歩の反発には角交換をして、☖3三同飛に、☗5五銀と出られたのが味のよい一手。後手は1一香、5三歩型なので、この仕掛けが成立したようだ。
以下はちょっともたついたところもあったが、形勢は変わらず、私の勝ち。しかしチームは3勝4敗で負けた。団体戦で出場するのは2回目だが、私の勝敗でチームの勝敗がひっくり返ったケースはない。
ともあれ自分が勝利すれば、やはりホッとする。過去の2回(団体戦、個人戦各1回)は緒戦に痛い負けを喫したため、食事もろくに喉を通らなかったのだが、今回はまずまずの内容だったので、LPSA金曜サロン棋友のW、Y両氏と昼食を摂りにいく。ある食堂に入ると、ときどき金曜サロンに顔を見せるH氏が入ってきたので、こちらに招く。
強豪・H氏は本来なら星組に入るはずだったのだが、初日に誤って「LPSA月組」に入って対局してしまい、今年はあちらの所属となってしまった。
選手層の薄い星組にとってはまったく痛いミスで、H氏のうっかりがなければ、星組はもうすこし善戦していたと思う。
昼休みから戻ってくると、LPSAブースが今日も設置されていた。私はいつも対局の合間にブースへ寄り、女流棋士とお話をさせていただくのだが、それが何局目の合間だったか、判然としないときがある。実は今回もそうで、以下に記すLPSA女流棋士とのやりとりは「事実」なのだが、時系列を誤っている可能性があることをお断りしておく。
ブースには船戸陽子女流二段、藤田麻衣子女流1級らレギュラーメンバーがLPSAグッズを売っていた。「日めくり詰め将棋カレンダー2010」も販売されているが、今回は「牛丼の吉野家×LPSA」のクリアファイルがおまけで付き、LPSA女流棋士のサイン(1人のみ)がマジックで書かれている。もちろん船戸女流二段のサインのものもある。
私はまだ来年の日めくりカレンダーは買っていないので、絶好のチャンスではあるが、私以上に船戸女流二段サインのクリアファイルを欲する将棋ファンがいないとも限らないので、とりあえず購入は自重する。
さて2局目。相手チームは4人しかメンバーがおらず、対局前から絶対的な優勢となった。
その将棋は、先番・私の居飛車に後手氏の振り飛車穴熊。飛車交換になり、☗2二飛☖2八飛と打ち合ったあと、私は☗4四角と出る。次に☗3三角成☖同角☗2八飛成があるので、後手は☖2三歩と辛抱する。
ここで私が☗5三角成と強襲し、☖同金に☗7二飛成と要の金を取って、一気に優勢になった。ところが☖2七角に☗3九金と打って後手の飛車を殺した手に対して、☖6四歩(7二竜取り)に☗6一竜と逃げたのが小ミスだった。ここは☗8二竜と王手で銀を取り、☗2八金と飛車を只取りすれば、これが角取りにもなってこちらが勝勢だった。
本譜は☖6八竜と先に王手で金を取られ、その金で☖7一金と竜取りにはじかれては、めんどうなことになった。それでも形勢はこちらに利がある。以下も徐々に差を拡げ、今度こそ勝勢になった。
私は中倉彰子女流初段(だったと思う)の扇子をカバンから取り出し、盤の手前に置く。これを拡げて扇げば、「もう私の勝ちは確定です」という自軍への勝利宣言となる。しかし、この扇子が拡げられることはなかった。
(つづく)
全16チームの総当たりで、いままで12回戦を消化したから、今回は3回戦のみ。私はまたも大将として出場となった。私の棋力を客観的に見るに、とても大将という役ではないのだが、ほかに該当選手もいないので、仕方がない。しかし出場するからには、狙うは当然3連勝である。私は初参戦のときのように、「勝利のしるし」用の女流棋士扇子を3本用意し、対局に臨んだ。
最終日1局目は、私の先手番で後手氏の四間飛車。後手氏の☖1四歩を緩手にすべく、私が☗4六銀から急戦に出た。☖4五歩の反発には角交換をして、☖3三同飛に、☗5五銀と出られたのが味のよい一手。後手は1一香、5三歩型なので、この仕掛けが成立したようだ。
以下はちょっともたついたところもあったが、形勢は変わらず、私の勝ち。しかしチームは3勝4敗で負けた。団体戦で出場するのは2回目だが、私の勝敗でチームの勝敗がひっくり返ったケースはない。
ともあれ自分が勝利すれば、やはりホッとする。過去の2回(団体戦、個人戦各1回)は緒戦に痛い負けを喫したため、食事もろくに喉を通らなかったのだが、今回はまずまずの内容だったので、LPSA金曜サロン棋友のW、Y両氏と昼食を摂りにいく。ある食堂に入ると、ときどき金曜サロンに顔を見せるH氏が入ってきたので、こちらに招く。
強豪・H氏は本来なら星組に入るはずだったのだが、初日に誤って「LPSA月組」に入って対局してしまい、今年はあちらの所属となってしまった。
選手層の薄い星組にとってはまったく痛いミスで、H氏のうっかりがなければ、星組はもうすこし善戦していたと思う。
昼休みから戻ってくると、LPSAブースが今日も設置されていた。私はいつも対局の合間にブースへ寄り、女流棋士とお話をさせていただくのだが、それが何局目の合間だったか、判然としないときがある。実は今回もそうで、以下に記すLPSA女流棋士とのやりとりは「事実」なのだが、時系列を誤っている可能性があることをお断りしておく。
ブースには船戸陽子女流二段、藤田麻衣子女流1級らレギュラーメンバーがLPSAグッズを売っていた。「日めくり詰め将棋カレンダー2010」も販売されているが、今回は「牛丼の吉野家×LPSA」のクリアファイルがおまけで付き、LPSA女流棋士のサイン(1人のみ)がマジックで書かれている。もちろん船戸女流二段のサインのものもある。
私はまだ来年の日めくりカレンダーは買っていないので、絶好のチャンスではあるが、私以上に船戸女流二段サインのクリアファイルを欲する将棋ファンがいないとも限らないので、とりあえず購入は自重する。
さて2局目。相手チームは4人しかメンバーがおらず、対局前から絶対的な優勢となった。
その将棋は、先番・私の居飛車に後手氏の振り飛車穴熊。飛車交換になり、☗2二飛☖2八飛と打ち合ったあと、私は☗4四角と出る。次に☗3三角成☖同角☗2八飛成があるので、後手は☖2三歩と辛抱する。
ここで私が☗5三角成と強襲し、☖同金に☗7二飛成と要の金を取って、一気に優勢になった。ところが☖2七角に☗3九金と打って後手の飛車を殺した手に対して、☖6四歩(7二竜取り)に☗6一竜と逃げたのが小ミスだった。ここは☗8二竜と王手で銀を取り、☗2八金と飛車を只取りすれば、これが角取りにもなってこちらが勝勢だった。
本譜は☖6八竜と先に王手で金を取られ、その金で☖7一金と竜取りにはじかれては、めんどうなことになった。それでも形勢はこちらに利がある。以下も徐々に差を拡げ、今度こそ勝勢になった。
私は中倉彰子女流初段(だったと思う)の扇子をカバンから取り出し、盤の手前に置く。これを拡げて扇げば、「もう私の勝ちは確定です」という自軍への勝利宣言となる。しかし、この扇子が拡げられることはなかった。
(つづく)