一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第2回 信濃わらび山荘将棋合宿③・蕨市役所将棋部員との戦い

2011-04-27 00:11:16 | 将棋イベント
23日(土)は午前7時に起床。ほとんど眠れなかったが、疲労感はない。
さて4月23日はいうまでもなく、船戸陽子女流二段の誕生日である。私はLPSA女流棋士の誕生日のたびに、当ブログでお祝いを述べてきたが、マンネリになってきたので、今年度からはそれをやめる。よって船戸女流二段の誕生日といえども、当ブログでは触れないつもりだった。
もっとも23日は、そのブログさえ更新できない環境にあった。手近にパソコンがないからだ。
今回の合宿の日程が決まった時、真っ先に浮かんだのがそれだった。私は一昨年の5月19日から、1日も欠かさずブログを更新してきたが、私はケータイを持っていないので、ふつうに1日を過ごせば、その記録が「704日」で途切れる。
無理に更新しようとするならば、その代表的手段はネットカフェに入ることであろう。
しかし信濃わらび山荘から最寄りの駅までには、路線バスがない。あったとしても、付近にネットカフェがあるとは思えない。それがあったとしても、合宿中に単独行動をするわけにはいかない。
更新記録は、いつかは途切れる。それが船戸女流二段の誕生日ならば、それもいいと思った。
7時30分から朝食。ほどなく中井広恵女流六段、植山悦行七段、大野八一雄七段も現れた。植山、大野両七段はともかく、こんな朝早くから中井女流六段のご尊顔を拝めるとは、将棋ファン冥利に尽きる。
朝食後は、早速将棋である。対局カードは原則的に中井女流六段が決めるが、初対局の人が周りにいなければ、同じ人と再戦をすることもある。この場合がそうだったので、私はHon氏に声を掛け、氏と2局目の対戦となった。結果は私の勝ち。
続いては蕨市役所のK氏と。対三間飛車だったが、私が☗2五歩と突いたのが不用意で、☖2二飛~☖2四歩から反撃され、苦戦を強いられた。しかしK氏の攻めが重たくなった隙を衝いて、反撃が決まった。以下、私の勝ち。
さらに蕨市役所のS氏と。これは横歩取りの激しい将棋になったが、自分の読み筋に進めていながら、最後の最後に読み抜けがあり、完全に攻めが切れた。しかしS氏にも見落としがあり、最後は私の勝ちとなった。
時刻はお昼に近い。蕨市役所4人目の将棋部員・T氏が見えた。入れ替わるように、私たちはJR信濃川上駅にクルマで向かう。きょうから合流するKun氏、Y氏、Kub氏、Kaz氏を迎えに行くためである。
信濃川上駅は風情のある駅舎だった。構内の向こうには山がそびえ、駅前には電話ボックスと公衆便所があり、絶好のロケーションだ。12時すぎに気動車が到着し、上記の4人が下車した。ちょっと懐かしい再会に思えるのは、このロケーションのせいだろう。
私たちはそのまま、駅前の食堂に入る。私の前にはKaz氏が座った。Kaz氏はキラキラした目で私を見つめるのが気持ちわるいが、やめてくれとも言えない。
食後は大型スーパーで飲料とお菓子の買い出しをして、午後1時半すぎに山荘に戻った。
食堂に全員が集まり、2日目に加入した人の自己紹介。ここから再び将棋に戻り、2時からは詰将棋トライアルとなった。棋力別に8題(30分)が出題されるが、私には上級問題が配られた。詰め手数は最高7手だが、個別に手数は明かされてはいないので、存外難しい。
ボールペンを片手にウンウン唸っていると、背後に妙な圧力を感じる。顔を上げると、植山七段と大野七段が無言でこちらを見下ろしており、びっくりした。プロがアマに妙なプレッシャーをかけるのはやめてもらいたい。
そんな中、私は全問を解いた。タイムは16分42秒。なんだかんだ言っても、両七段が力をくれたのだろう。
ここで蕨市役所のK氏、S氏とはお別れ。みんなで記念写真を撮った。
引き続き大局観問題が8問出題される。これは次の一手問題とは違い正解はないが、プロが見たらここはこの一手、という局面も多く、指し将棋のセンスが問われる。前回は見た瞬間にピンとくる局面が多かったが、今回は頭を悩ませられる局面ばかりだった。
詰将棋の正解と大局観問題の模範解答が発表され、ラウンジに戻ると再び将棋だ。
私はY氏との香落ち戦。Y氏とは角落ちで2連勝中だが、実際は平手でいい勝負である。
本局はどちらも仕掛けの糸口を掴めず膠着状態が続いたが、Y氏が先端を開き、むずかしい戦いになった。しかし中盤の難所で、☗4六歩に☖2五飛と逃げたのが大悪手。☗2一の竜で☗2五同竜と取られ、飛び上がった。
ふだんなら投了しているところだが、自玉が穴熊だったので、もう少し頑張ってみる。しかし私の玉は8三に釣り上げられ、かなり危うい。
Y氏、☗8四歩☖同金☗8五歩。これで逆転した。私は☖8七銀☗9七玉☖9六銀成。以下は☗9六同玉☖9五金☗9七玉☖9六銀まで、私の勝ちとなった。
Y氏の☗8四歩が悪手。これを利かしたために7四に空間が空き、☗8六玉の変化で☖7四桂が生じてしまったからだ。具体的には、☖8六銀☗9七玉☖9六銀成☗同玉☖9五歩に☗8六玉で下手玉は詰まず、下手の勝ちだった。
まさに薄氷の勝利だったが、こんな逆転があると、悪くなってももう少し指してみようかという気になる。
すぐに次の手合いがついたが、辞退して、入浴。とにかく入浴時間が短いので、入れるときに入っておいたほうがいい。
風呂から出ると、すぐに夕食の時間になった。最近の私は、醜い体にブヨブヨ贅肉が付いており、夕食ぐらいは軽く済ませたいのだが、美味しい料理ばかりで、つい箸が進んでしまう。食っては将棋、食っては将棋。いまにバチが当たると思う。
夕食後の1局目はKun氏と。Kun氏は振り飛車の名手で、何度も苦杯を喫している。難敵のひとりだ。
本局は☗7六歩☖3四歩に☗7五歩と伸ばしてみた。Kun氏のお株を奪って石田流、それも☗7四歩と突っかける早石田を目論んだ。
対してKun氏は、1分以上考える異例の長考に出た。そして☖3五歩。私は「相振り飛車は指しません」と☗6六歩。しかしこんな弱気な手を指すようではいけない。明らかな気合負けで、勝負も私が負けた。
続いては蕨市役所のT氏と。T氏の先手で横歩取り模様に進むが、T氏は横歩を取らず☗8七歩。以下☖7六飛☗2二角成☖同銀☗8五角☖2三歩☗3四飛☖3三銀☗同飛成☖7八飛成☗同銀☖3三桂と進んだが、ここで☗6三角成と詰めろで成られていたら、私の不利だった。本譜は☗2一飛☖3一歩の交換をして☗6三角成だったため、いくぶん自玉の脅威が薄れた。
以下はT氏の見落としがあり、私の勝ち。本譜に戻って、☖3三銀が疑問手だったと思う。ここは屈服でも、☖3三歩と収めるところだった。
以上、蕨市の将棋部員氏と4局を戦ったが、皆さん筋がよく、いずれも私は苦戦に陥った。勝負は私に幸いしたが、全敗した気分だった。
(つづく)
コメント (4)
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