4月4日、7ヶ月振りに「将棋世界」(5月号)を買った。きょうはその感想を書く。
表紙は羽生善治王位・棋聖。「名人挑戦」「NHK杯V10達成」の巻頭特集があるからだが、3月9日に佐藤康光九段が王将位を奪取しており、佐藤王将が表紙を飾ったっておかしくなかった。やはり将棋界は、羽生二冠を中心に回っている、ということだ。
グラビアページは、王将戦七番勝負。佐藤新王将の自戦解説である。佐藤王将は将棋も面白いが、解説もプロの読みを余すところなく伝えてくれ、とてもためになる。
連載読み物は、「江戸の名人」が終了し、青野照市九段「将棋時評-棋道哀楽-」、池田将之氏「関西本部棋士室24時」が始まっていた。
青野九段は文章がうまく、いくつもの連載経験がある。池田氏は将棋ライターなので、腕はたしか。どちらも面白く読めた。
「棋士が聞くプロ対談」がいつの間にか始まっていた。回を重ねて第7回。ということは、昨年の11月号から始まっていたということか。
今号は村山慈明五段と阿部健治郎五段による「新手論」。面白く読んだが、阿部五段「二十代が情報の90%を握っているでしょう。」は衝撃を受けた。いまの若手が強いのは、序盤の知識に長けているからなのだろうか。だが、知識だけではタイトルを獲れないのも事実である。
連載講座は、木村一基八段「これで矢倉は指せる」が終了、飯島栄治七段の「横歩取り裏定跡の研究」が始まっていた。私は裏定跡というか、旧い定跡を温故知新として用いることが多いので、この講座はたいそうためになった。書籍化に堪えうる内容である。
内館牧子エッセイ「月夜の駒音」は、下げが綺麗に決まって、読後感がよかった。ただ、冒頭に引用された「あなたは今、若い愛人がいないでしょ。そんな人がコンピュータに勝てるわけがありません」って、どうなのだろう。
いまや有名になった、米長邦雄永世棋聖夫人の言葉だが、自分の旦那が愛人を持つことを容認する女房がいるだろうか。これは米長永世棋聖の「創作」のように思うのだが…。
今月の特集は、「第70期順位戦最終局」。「昇級者代表座談会」は、昇級を決めた橋本崇載八段、広瀬章人七段、佐藤天彦七段(当時六段)が出席した。
昇級のよろこびがひしひしと伝わってきて微笑ましかったが、私はヒトの幸せを喜ばないので、昇降級に関係ない棋士に出席してほしかった。もっともそれでは、タイトルの意味がなくなってしまうが。
勝又清和教授の「突き抜ける!現代将棋」は、「吹き荒れる超速旋風」。超速▲3七銀が登場してから数年経つが、いまだに最新定跡が語られているのがスゴイ。ゴキゲン中飛車はどこまで進化するのか。
私が毎号楽しみにしている「新・イメージと読みの将棋観」は、今月も良問をそろえた。鈴木宏彦氏は古今東西の棋譜から選題しているが、それだけでもたいへんな労力である。見かけ以上の労作だと思う。
別冊付録は「伊藤果七段の詰将棋トライアル60」。伊藤七段はスポーツ報知で詰将棋を連載しているが、長手数で食指が動かない。しかし付録のほうはだいぶレベルを下げており、楽しく解ける。
以上、全体的に楽しく読んだが、頁を開いたのは1日のみ。7か月間「将棋世界」がなくても不自由しなかったように、いまの私には、将棋世界はあってもなくても、関係ないようだ。
表紙は羽生善治王位・棋聖。「名人挑戦」「NHK杯V10達成」の巻頭特集があるからだが、3月9日に佐藤康光九段が王将位を奪取しており、佐藤王将が表紙を飾ったっておかしくなかった。やはり将棋界は、羽生二冠を中心に回っている、ということだ。
グラビアページは、王将戦七番勝負。佐藤新王将の自戦解説である。佐藤王将は将棋も面白いが、解説もプロの読みを余すところなく伝えてくれ、とてもためになる。
連載読み物は、「江戸の名人」が終了し、青野照市九段「将棋時評-棋道哀楽-」、池田将之氏「関西本部棋士室24時」が始まっていた。
青野九段は文章がうまく、いくつもの連載経験がある。池田氏は将棋ライターなので、腕はたしか。どちらも面白く読めた。
「棋士が聞くプロ対談」がいつの間にか始まっていた。回を重ねて第7回。ということは、昨年の11月号から始まっていたということか。
今号は村山慈明五段と阿部健治郎五段による「新手論」。面白く読んだが、阿部五段「二十代が情報の90%を握っているでしょう。」は衝撃を受けた。いまの若手が強いのは、序盤の知識に長けているからなのだろうか。だが、知識だけではタイトルを獲れないのも事実である。
連載講座は、木村一基八段「これで矢倉は指せる」が終了、飯島栄治七段の「横歩取り裏定跡の研究」が始まっていた。私は裏定跡というか、旧い定跡を温故知新として用いることが多いので、この講座はたいそうためになった。書籍化に堪えうる内容である。
内館牧子エッセイ「月夜の駒音」は、下げが綺麗に決まって、読後感がよかった。ただ、冒頭に引用された「あなたは今、若い愛人がいないでしょ。そんな人がコンピュータに勝てるわけがありません」って、どうなのだろう。
いまや有名になった、米長邦雄永世棋聖夫人の言葉だが、自分の旦那が愛人を持つことを容認する女房がいるだろうか。これは米長永世棋聖の「創作」のように思うのだが…。
今月の特集は、「第70期順位戦最終局」。「昇級者代表座談会」は、昇級を決めた橋本崇載八段、広瀬章人七段、佐藤天彦七段(当時六段)が出席した。
昇級のよろこびがひしひしと伝わってきて微笑ましかったが、私はヒトの幸せを喜ばないので、昇降級に関係ない棋士に出席してほしかった。もっともそれでは、タイトルの意味がなくなってしまうが。
勝又清和教授の「突き抜ける!現代将棋」は、「吹き荒れる超速旋風」。超速▲3七銀が登場してから数年経つが、いまだに最新定跡が語られているのがスゴイ。ゴキゲン中飛車はどこまで進化するのか。
私が毎号楽しみにしている「新・イメージと読みの将棋観」は、今月も良問をそろえた。鈴木宏彦氏は古今東西の棋譜から選題しているが、それだけでもたいへんな労力である。見かけ以上の労作だと思う。
別冊付録は「伊藤果七段の詰将棋トライアル60」。伊藤七段はスポーツ報知で詰将棋を連載しているが、長手数で食指が動かない。しかし付録のほうはだいぶレベルを下げており、楽しく解ける。
以上、全体的に楽しく読んだが、頁を開いたのは1日のみ。7か月間「将棋世界」がなくても不自由しなかったように、いまの私には、将棋世界はあってもなくても、関係ないようだ。