中井広恵女流六段企画、植山悦行七段・大野八一雄七段協力の将棋合宿が、今年も行われることになった。
2012年春の日程は5月11日(金)~13日(日)を第一候補にしたのだが、要の生徒の都合がどうしてもつかず、別の日を探すことになった。となれば翌週18日(金)~20日(日)が第二候補となるが、19日(土)は中井女流六段が女流王座戦の一次予選を戦うやもしれず、大野七段もこの週は将棋教室がある。
しかし中井女流六段はどうやら二次予選からの参加となり、大野七段も教室を1週ズラす措置を取ってくれたので、春の合宿は18日~20日と決定した。
ところがその日は、毎回お邪魔している「信濃わらび山荘」が満室だった。となれば別の宿を探すことになるが、そもそも将棋合宿は、中井女流六段が蕨市の教育委員をしている関係で、その関連施設である同所を利用することが絶対条件だった。今回その原則を破ることになるが、支障はないのか。それを中井女流六段に質すと、問題ない、の返事だった。
そこで代替の宿として、Kun氏がかねてから推していた、埼玉県秩父郡にある某旅館に予約を取ることにした。結果はOK! ここは囲碁と将棋が指せる(打てる)宿として有名で、対局専用の大広間があるうえ、チェスクロックも完備している。温泉が湧いているのもよかった。
信濃わらび山荘は、秋までのお楽しみである。
18日は午前10時に、埼玉県のK駅とW駅から、クルマで出発することになった。今回は場所も近めなので、集合時間も遅い。私はK駅に向かう。前夜は雷が鳴っていたからどうなることかと思ったが、当日は雨も上がり、まずまずの天気であった。
9時56分、K駅着。先着していたのはR氏、His氏、Hon氏(運転手)、Fuj氏。その3分後、中井カーに乗った中井女流六段、植山七段も到着した。久しぶりに拝見する中井女流六段は、以前と雰囲気が変わって、いつにも増して魅力的だった。
K駅組は以上の7人。中井カーにHis氏とFuj氏、HonカーにR氏と私が乗って出発した。なおW駅からは、Wカーに大野七段、Is氏が乗って出発していた。また翌19日には、Kun氏とKaz氏が鉄路で合流することになっている。このルートも味がいい。
車内でのおしゃべりは楽しい。閉所の状況がそうさせるのか、「ここだけの話」がポンポン出てくる。俎上に乗るのは中井女流六段をはじめプロ棋士全般。もちろん将棋仲間も入っている。もうこのまま一日ドライブをしてもいいんじゃないかというくらい爆笑したが、まずは高坂パーキングエリアで小休止である。ここでWカーと合流し、同乗者をシャッフルするのだ。
高坂PAが見えてきた。Hon氏はウインカーを出して左によろけていくが、中井カーと思しきクルマが、追い抜き車線を猛然と走り抜けて行った。むむ??
11時ちょうど、高坂PA着。Wカーと合流し、中井女流六段に連絡を取ると、やはり乗り過ごしたとのことだった。中井女流六段、早くも「うっかりママ」の本領発揮である。
大野七段・Is氏、R氏・私がクルマを乗り換え、11時10分発。次の嵐山PAでようやく中井女流六段と合流した。
さて、そろそろ昼食を摂りたい。私たち3台は高速を下りるが、目当てのファミレスがない。幹線道路から外れると、西武鉄道の小駅に出てしまった。これがなかなか鄙びていて、ひとり旅なら缶コーヒーでも飲みながら、ローカル線の到着を待つところである。
幹線道路に戻ると、反対側にガストがあった。結果論だが、先ほどの道を直進していれば、この店にぶつかっていた。無駄に回り道をしたが、まるでわが人生みたいだ。
ガストではランチメニューを頼む。しかし長居はしないので、ドリンクバーの注文はなし。
美味しくランチを食べて、午後1時15分、ガストを出た。
W氏がウェイトレスさんに教えてもらった、近所のスーパーマーケットに向かう。ここで将棋合宿恒例の、飲み物とお菓子の買い出しをするのだ。
スーパーに着いた。飲み物はまだしも、お菓子は毎回買いすぎて余らせてしまう。自分の懐からの出費がないと思うと(実際は出している)、ついついカゴの中に入れてしまうのだ。
今回はセーブしたが、私はそれでも「うまい棒(24本入)」や柿の種をカゴに入れた。
私はひき続きHon氏のクルマに乗る。Hon氏の運転は「実践的」で、安心感がある。
ここからは宿までノンストップとなる。クルマは峠にさしかかる。埼玉県にもこんな山奥があったのかと思う。今回の宿は信濃わらび山荘とは違い、少しは開けた場所にあるとフンでいたが、こんなところに下ろされたら良くも悪くも、将棋に専念せざるを得ない。
幸いクルマは、峠を越えた。ちょっと開けた集落に出る。道が一直線になっている。なにかの街道みたいだ。
突然、といった感じで、右手に、宿の看板が見えた。2時35分、私たちは駐車場にクルマをすべりこませる。
「天然温泉高根の湯 囲碁・将棋の宿 越後屋」。
ここが今回、私たちがお世話になる宿である。
(つづく)
2012年春の日程は5月11日(金)~13日(日)を第一候補にしたのだが、要の生徒の都合がどうしてもつかず、別の日を探すことになった。となれば翌週18日(金)~20日(日)が第二候補となるが、19日(土)は中井女流六段が女流王座戦の一次予選を戦うやもしれず、大野七段もこの週は将棋教室がある。
しかし中井女流六段はどうやら二次予選からの参加となり、大野七段も教室を1週ズラす措置を取ってくれたので、春の合宿は18日~20日と決定した。
ところがその日は、毎回お邪魔している「信濃わらび山荘」が満室だった。となれば別の宿を探すことになるが、そもそも将棋合宿は、中井女流六段が蕨市の教育委員をしている関係で、その関連施設である同所を利用することが絶対条件だった。今回その原則を破ることになるが、支障はないのか。それを中井女流六段に質すと、問題ない、の返事だった。
そこで代替の宿として、Kun氏がかねてから推していた、埼玉県秩父郡にある某旅館に予約を取ることにした。結果はOK! ここは囲碁と将棋が指せる(打てる)宿として有名で、対局専用の大広間があるうえ、チェスクロックも完備している。温泉が湧いているのもよかった。
信濃わらび山荘は、秋までのお楽しみである。
18日は午前10時に、埼玉県のK駅とW駅から、クルマで出発することになった。今回は場所も近めなので、集合時間も遅い。私はK駅に向かう。前夜は雷が鳴っていたからどうなることかと思ったが、当日は雨も上がり、まずまずの天気であった。
9時56分、K駅着。先着していたのはR氏、His氏、Hon氏(運転手)、Fuj氏。その3分後、中井カーに乗った中井女流六段、植山七段も到着した。久しぶりに拝見する中井女流六段は、以前と雰囲気が変わって、いつにも増して魅力的だった。
K駅組は以上の7人。中井カーにHis氏とFuj氏、HonカーにR氏と私が乗って出発した。なおW駅からは、Wカーに大野七段、Is氏が乗って出発していた。また翌19日には、Kun氏とKaz氏が鉄路で合流することになっている。このルートも味がいい。
車内でのおしゃべりは楽しい。閉所の状況がそうさせるのか、「ここだけの話」がポンポン出てくる。俎上に乗るのは中井女流六段をはじめプロ棋士全般。もちろん将棋仲間も入っている。もうこのまま一日ドライブをしてもいいんじゃないかというくらい爆笑したが、まずは高坂パーキングエリアで小休止である。ここでWカーと合流し、同乗者をシャッフルするのだ。
高坂PAが見えてきた。Hon氏はウインカーを出して左によろけていくが、中井カーと思しきクルマが、追い抜き車線を猛然と走り抜けて行った。むむ??
11時ちょうど、高坂PA着。Wカーと合流し、中井女流六段に連絡を取ると、やはり乗り過ごしたとのことだった。中井女流六段、早くも「うっかりママ」の本領発揮である。
大野七段・Is氏、R氏・私がクルマを乗り換え、11時10分発。次の嵐山PAでようやく中井女流六段と合流した。
さて、そろそろ昼食を摂りたい。私たち3台は高速を下りるが、目当てのファミレスがない。幹線道路から外れると、西武鉄道の小駅に出てしまった。これがなかなか鄙びていて、ひとり旅なら缶コーヒーでも飲みながら、ローカル線の到着を待つところである。
幹線道路に戻ると、反対側にガストがあった。結果論だが、先ほどの道を直進していれば、この店にぶつかっていた。無駄に回り道をしたが、まるでわが人生みたいだ。
ガストではランチメニューを頼む。しかし長居はしないので、ドリンクバーの注文はなし。
美味しくランチを食べて、午後1時15分、ガストを出た。
W氏がウェイトレスさんに教えてもらった、近所のスーパーマーケットに向かう。ここで将棋合宿恒例の、飲み物とお菓子の買い出しをするのだ。
スーパーに着いた。飲み物はまだしも、お菓子は毎回買いすぎて余らせてしまう。自分の懐からの出費がないと思うと(実際は出している)、ついついカゴの中に入れてしまうのだ。
今回はセーブしたが、私はそれでも「うまい棒(24本入)」や柿の種をカゴに入れた。
私はひき続きHon氏のクルマに乗る。Hon氏の運転は「実践的」で、安心感がある。
ここからは宿までノンストップとなる。クルマは峠にさしかかる。埼玉県にもこんな山奥があったのかと思う。今回の宿は信濃わらび山荘とは違い、少しは開けた場所にあるとフンでいたが、こんなところに下ろされたら良くも悪くも、将棋に専念せざるを得ない。
幸いクルマは、峠を越えた。ちょっと開けた集落に出る。道が一直線になっている。なにかの街道みたいだ。
突然、といった感じで、右手に、宿の看板が見えた。2時35分、私たちは駐車場にクルマをすべりこませる。
「天然温泉高根の湯 囲碁・将棋の宿 越後屋」。
ここが今回、私たちがお世話になる宿である。
(つづく)