一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

九州旅行6・天神駅前での占い

2012-05-10 00:23:50 | 旅行記・G.W.編
「ここに7つ項目はあるけど、全部聞いても1,000円なのよ」
と、おばちゃんがいう。それなら全項目聞いたほうがトクなので、私はそちらを選ぶ。しかしこれで1,000円の出費になり、うまいことあちらの狙いに乗せられた気もする。
まず、
「そのカメラ。あなたは自分のおカネを趣味に遣っちゃうでしょ。それがよくないのよ」
と先制パンチが飛んで来た。私がカメラを首からぶら下げていたのを見ての発言である。さらにおばちゃんは、
「あなた残念だけど、この7番目の『家庭運』、これがいちばんないのよ」
と手厳しい。「でもそのマユ毛の形はいいですね」
私は沖縄本島の国際通り・牧志公設市場内で2度、函館駅前で1度、占いをしてもらったことがある。沖縄は10~12年前、函館は20年以上も前のことだが、「マユ毛の形がいい」は、函館でもいわれた。私はおばちゃんに手相を見せる。
「あなたは仕事に困ることはありません。おカネにも困ることはないでしょう」
それは本当なのだろうか。現在の私の仕事が、○年後も続けられるとは思えないのだが…。
「あなたねぇ…よくいるでしょ、周りから、あの人はいい人なんだけど、結婚するのはちょっと…という人。あなたがそのタイプなのね」
「ああ、そうですか」
私は生まれた年と月を改めて伝える。
「――あなた、本当に結婚したい気持ちあります?」
「ありますよ」
私は肯定したが、おばちゃんは疑わしそうだ。
「あなた去年いろいろあったでしょ」
「ああそうですね、いろいろありました」
「それは今年の8月まで引きずりますね。でも来年と再来年はいいことがあります」
その後も二言三言話を聞いた後、占いは終わりになった。正味5分だったろうか。私は千円札を差し出し振り返ると、待っている客が7人もいた。何だか私が、人寄せに一役買ってしまった気がした。
今回の旅行では質素倹約で来たのに、ヘンなところで散財してしまった。それは後悔しないが、いまの占いはどうだったんだろう。おばちゃんのいったことはイチイチ合っている気もしたが、当たり障りのないことをいっていた気がしないでもない。
私はおばちゃんの言を思い出す。おばちゃんは私に家庭運がないといったが、そもそも最初に私は「46歳、独身」と伝えた。それならその時点で、もう家庭運がないということにならないか。
博多どんたくのあった日、首からカメラを下げ、大きいバッグを担いでいれば、旅行者だと推察できる。ここから、自分の趣味のためにおカネを遣っている、ということも導けそうだ。
「仕事に困ることはない、おカネにも困らない」は無難なセリフだが、前述の通り、ここに私はいちばん不安を感じていた。これは占い師のいう通りとは思えない。
さらに、「昨年いろいろあったでしょ」とおばちゃんは決めつけたが、考えてみれば、昨年1年、何もなかった人間なんていない。それに考えようによったら、去年私の周りはいろいろあったが、私自身は「何もなかった」ともいえるのだ。
「来年、再来年はいいことがある」も、それは自分の努力や考え方次第で、どうとでもなる。
してみると、占い師の一連の発言は、誰でもいえそうな気がした。まあそれでも、占ってもらって、少し心が軽くなったことは確かだった。やはり1,000円を出した価値はあったということだ。
さて、今夜の宿である。スマホを駆使すると、Cybac天神店が、ナイト12時間パックがあり格安なことが分かった。駅前にある町内案内図などを参考に、その店へ向かう。と、そこは去年も泊まった店であることを思い出した。
去年は空調設備が不備のブースに通され、一夜明けたら全身が煙草のニオイにまみれていた。今年はそんなことはないとは思うが、ちょっと警戒する。
店に入るが、私が待っているにも拘わらず、手すきのスタッフは私を無視している。店のレベルの低さに呆れるが、ここを出るわけにもいかない。ようやく受付となったが、禁煙室は満室らしく、喫煙室のブースに通された。
私はパソコンを立ち上げ、ブログの書き込みに専念する。カプセルホテルに泊まり、備え付けのパソコンで書く手もあるが、やはり自分専用のモノで自由に書きたい。
しかしこの景色、何か見覚えがあると思ったが、携行の旅行日誌を見たら、なんと昨年と同じブースだった。イヤな予感がするが、まあよい。
焼きおにぎりを頼む。2個で150円は安い。そしてこのおにぎりを、狭いブースで食べるのが最高に美味いのだ。この感じ、いつも高いホテルに泊まっている旅行者には分かるまい。
書き込みが一段落したころ、シャワーの予約に行く。ところが先約が13人いる、ということで、これはお預けとなった。
西鉄バスのホームページを見る。同社は昨年から、博多・天神-鹿児島および宮崎間で、昼便において席数限定の「席割」なるものを行っていた。鹿児島便の場合、片道料金5,300円の半額、2,650円で行けるのだ。それが今年の4月から、鹿児島便は全便が対象になったという。もちろん席数限定だが、これはバス愛好家にとって、ビッグニュースだった。
ゴールデンウィーク中ではさすがに「席割」の席は取れないだろうが、シーズンオフだったら、取れる可能性がある。となれば、3日間利用で1万円する「SUN Qパス」は、存在価値がなくなるかもしれない。
今夜もグズグズしていて、横になったのは午前3時半だった。

5日(土・祝)は7時前に目が覚めた。きょうは天神バスセンターから8時ちょうどに出る、鹿児島便に乗る。そこからバスを乗り継ぎ、吹上浜でやっている「砂の祭典」を観に行くのだ。これも毎年の行事である。
今年はお陰さまで、体が臭くなっていなかった。ボケた頭で店を出て、バスセンターに向かうが、その途中に牛丼の松屋があったので、入る。去年もそこに入った覚えがあるが、ともかく今旅行で初めての、まともな朝食である。
牛めし並、280円。美味かった。
バスセンターに着く。そこで思ったのだが、昨夜は夜行バスに乗る手もあったのではないか。きのう直方で予約を取った時点では、何も夜行バスに乗ってまで強行軍をする必要はない、と考えていた。しかしきょうの行程をシミュレーションすると、鹿児島への移動と、砂の祭典の鑑賞だけで終わってしまう。これはいかにもさびしい。
あす6日は指宿の砂むし風呂に入る予定だが、これをきょうの日中に組み込む手はあったと思う。
してみると、5日朝の鹿児島便を取ったのは、すこし早まった。4日の夜行便の席があるかどうか、聞くだけ聞いてみるべきだった。ここが、私の甘いところである。
7時58分、鹿児島行きのバスが来た。私は「8A」だから窓際だ。
乗車するとその席は、半地下状になっているトイレの後ろにあった。前方はテレビモニターが下りており、景色が見えない。トイレの横、すなわち私の斜め前も、遮光カーテンが下りている。そして私の横の窓からは、朝のキツい日差しが射しこんでいる。どうも、車窓を楽しむ雰囲気ではない。
まあよい、高速バスにはオーディオ装置が付いている。これで十分時間がつぶせる。
ところが私の前には、ヘッドフォンが入れてあるポケットが設置されていなかった。もちろんほかの席の前には、それがある。なんで私の席だけ…。これでは不公平ではないか! 私は憤慨した。
(つづく)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする