4月29日は、「二子玉川 花みず木フェスティバル・第6回 世田谷花みず木将棋オープン戦」を見に行った。
朝、最寄駅から山手線を待っていると、入線した電車は緑色一色だった。1963年に山手線が「緑色カラー」になってから今年で50周年で、それを記念し、往年の103系を模したラッピング電車が走っているのだ。
今回はその電車に当たったわけで、まことに運がよい。きょうはいいことがありそうな予感がした。
渋谷駅で東急田園都市線に乗り換える。渋谷に降りたのは久しぶりだが、毎度のこととはいえあっちこっちで工事中で、迷路のようだ。東京在住の私がこうなのだから、地方から来た人は確実に迷子になるだろう。
二子玉川に着く。二子玉川というと世田谷の外れというイメージがあるのだが(失礼)、渋谷からは急行で10分と、意外に近い。
駅前を右に進むと、「玉川高島屋」があった。ここ南館の6階が対局場である。
現在午前9時10分。イベント開始は9時30分から。観戦、というか、用意してある椅子の数は50と調べていたので、席を確保するには早い者勝ちの趣もあった。それゆえ、もし入場を断られたら潔く諦めて帰宅し、翌日からの旅行の計画でも練ろうと思っていた。
だがそれは杞憂で、席のほうは6分の入りで、私は最後尾(前から5列目)の席に座れた。しかしここからだと対局者はもちろん、左手にある解説用の大盤さえよく見えない感じだ。私は将棋を楽しみに来たのではない。まあ、楽しみに来たのだが、それ以上に女流棋士の闘う姿を堪能しに来たのだ。それなのに対局者が陰になっては、私の目論見が根底から崩れてしまう。
定刻にはほぼ席が埋まり、9時40分、今回の対局者と、解説者・聞き手が勢ぞろいした。
すなわち登場順に、山口恵梨子女流初段、鈴木環那女流二段、飯野愛研修会員、室谷由紀女流初段、中村修九段、森下卓九段、島朗九段、中村真梨花女流二段であった。さらに上田初美女王(当時)も聞き手だが、のちに合流することになっていた。
ただどうなのだろう。出場の女性は全員、ナチュラルメイクだった。服装も普段着と見紛うような地味なもので、これから公開対局が始まるとは思われない。好意的に解釈すれば、「将棋だけを見て」の主張かもしれなかった。
話を続けるが、私の注目は室谷女流初段と山口女流初段である。いうまでもないが、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」の1位と3位であり、彼女らの出場がなければ、私は1日早く旅行を始めていたかもしれない。
室谷女流初段はスッピンに近いが、相変わらず美しい。もう、女帝の風格さえ漂っている。山口女流初段も然りだ。
先日、将棋ペンクラブ関係者が矢内理絵子女流四段を招いて指導対局をお願いしたとき、居酒屋のおかみさんが彼女の美しさに驚いていたので、「矢内先生クラスの美人はほかにもいます」といっておいたが、そのうちのふたりが室谷・山口両女流初段である。
さらに鈴木女流二段がこれまた妖艶な美人で、男性のファンも多い。飯野研修会員も、女流棋士になれば人気が出ること確実な美形である。まったく、今回は絵になる4人がそろったのである。
いよいよ対局。いきなり準決勝で、第1局は、室谷女流初段と飯野研修会員の対決。
飯野研修会員は改めていうまでもないが、飯野健二七段の娘さん。飯野七段は将棋界を代表する甘いマスクで、将棋は中段飛車での捌きを得意とした。順位戦では2年連続8勝2敗の成績を収めたこともあるが、昇級は叶わなかった。2011年7月引退。
飯野研修会員が女流棋士になれば、「伊藤果七段-明日香女流初段」に続いて、2組目の「男性棋士-女流棋士」親子の誕生となる。
対局前のインタビュー。
室谷女流初段「飯野さんとは研修会で対戦したことがあり、今回は3年ぶりの対戦になります…」
飯野研修会員「花みず木ではいい成績を残せず、きょうは試練の日…」
これには場内で爆笑が起こった。
飯野研修会員の先手で対局開始。▲7六歩△3四歩▲6六歩△3五歩で、相振り飛車が確定した。どちらも四間飛車となる。
それはいいが、恐れていた通り、ふたりの対局姿が全然見えない。解説は修九段、聞き手は真梨花女流二段だが、大盤も下半分が見えない。この「世田谷花みず木将棋オープン戦」は回を重ねること6回だから、開催においてのノウハウは習得しているはずだが、あまり工夫が感じられないようにも思える。この状況で、ほか観客は満足しているのだろうか。
もっとも今回は「トリック絵画展」が近くで開催されており、思うように将棋のスペースが取れなかったのかもしれない。
将棋は、飯野研修会員が積極的な指し回しで、優位を掴む。室谷女流初段の飛車は中段をうろうろするばかりで、あまり役に立っていない。
飯野研修会員の8筋からの攻めが決まりかけている。室谷女流初段、危うし。
(つづく)
朝、最寄駅から山手線を待っていると、入線した電車は緑色一色だった。1963年に山手線が「緑色カラー」になってから今年で50周年で、それを記念し、往年の103系を模したラッピング電車が走っているのだ。
今回はその電車に当たったわけで、まことに運がよい。きょうはいいことがありそうな予感がした。
渋谷駅で東急田園都市線に乗り換える。渋谷に降りたのは久しぶりだが、毎度のこととはいえあっちこっちで工事中で、迷路のようだ。東京在住の私がこうなのだから、地方から来た人は確実に迷子になるだろう。
二子玉川に着く。二子玉川というと世田谷の外れというイメージがあるのだが(失礼)、渋谷からは急行で10分と、意外に近い。
駅前を右に進むと、「玉川高島屋」があった。ここ南館の6階が対局場である。
現在午前9時10分。イベント開始は9時30分から。観戦、というか、用意してある椅子の数は50と調べていたので、席を確保するには早い者勝ちの趣もあった。それゆえ、もし入場を断られたら潔く諦めて帰宅し、翌日からの旅行の計画でも練ろうと思っていた。
だがそれは杞憂で、席のほうは6分の入りで、私は最後尾(前から5列目)の席に座れた。しかしここからだと対局者はもちろん、左手にある解説用の大盤さえよく見えない感じだ。私は将棋を楽しみに来たのではない。まあ、楽しみに来たのだが、それ以上に女流棋士の闘う姿を堪能しに来たのだ。それなのに対局者が陰になっては、私の目論見が根底から崩れてしまう。
定刻にはほぼ席が埋まり、9時40分、今回の対局者と、解説者・聞き手が勢ぞろいした。
すなわち登場順に、山口恵梨子女流初段、鈴木環那女流二段、飯野愛研修会員、室谷由紀女流初段、中村修九段、森下卓九段、島朗九段、中村真梨花女流二段であった。さらに上田初美女王(当時)も聞き手だが、のちに合流することになっていた。
ただどうなのだろう。出場の女性は全員、ナチュラルメイクだった。服装も普段着と見紛うような地味なもので、これから公開対局が始まるとは思われない。好意的に解釈すれば、「将棋だけを見て」の主張かもしれなかった。
話を続けるが、私の注目は室谷女流初段と山口女流初段である。いうまでもないが、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」の1位と3位であり、彼女らの出場がなければ、私は1日早く旅行を始めていたかもしれない。
室谷女流初段はスッピンに近いが、相変わらず美しい。もう、女帝の風格さえ漂っている。山口女流初段も然りだ。
先日、将棋ペンクラブ関係者が矢内理絵子女流四段を招いて指導対局をお願いしたとき、居酒屋のおかみさんが彼女の美しさに驚いていたので、「矢内先生クラスの美人はほかにもいます」といっておいたが、そのうちのふたりが室谷・山口両女流初段である。
さらに鈴木女流二段がこれまた妖艶な美人で、男性のファンも多い。飯野研修会員も、女流棋士になれば人気が出ること確実な美形である。まったく、今回は絵になる4人がそろったのである。
いよいよ対局。いきなり準決勝で、第1局は、室谷女流初段と飯野研修会員の対決。
飯野研修会員は改めていうまでもないが、飯野健二七段の娘さん。飯野七段は将棋界を代表する甘いマスクで、将棋は中段飛車での捌きを得意とした。順位戦では2年連続8勝2敗の成績を収めたこともあるが、昇級は叶わなかった。2011年7月引退。
飯野研修会員が女流棋士になれば、「伊藤果七段-明日香女流初段」に続いて、2組目の「男性棋士-女流棋士」親子の誕生となる。
対局前のインタビュー。
室谷女流初段「飯野さんとは研修会で対戦したことがあり、今回は3年ぶりの対戦になります…」
飯野研修会員「花みず木ではいい成績を残せず、きょうは試練の日…」
これには場内で爆笑が起こった。
飯野研修会員の先手で対局開始。▲7六歩△3四歩▲6六歩△3五歩で、相振り飛車が確定した。どちらも四間飛車となる。
それはいいが、恐れていた通り、ふたりの対局姿が全然見えない。解説は修九段、聞き手は真梨花女流二段だが、大盤も下半分が見えない。この「世田谷花みず木将棋オープン戦」は回を重ねること6回だから、開催においてのノウハウは習得しているはずだが、あまり工夫が感じられないようにも思える。この状況で、ほか観客は満足しているのだろうか。
もっとも今回は「トリック絵画展」が近くで開催されており、思うように将棋のスペースが取れなかったのかもしれない。
将棋は、飯野研修会員が積極的な指し回しで、優位を掴む。室谷女流初段の飛車は中段をうろうろするばかりで、あまり役に立っていない。
飯野研修会員の8筋からの攻めが決まりかけている。室谷女流初段、危うし。
(つづく)