雨はまだ降っているので、折り畳み傘をさす。これで傘の顔が立った。
さて、きょう4月30日は平日である。旅行貯金をしたいが、見当たらないのでスマホで検索する。ケータイなんて自分には無縁だと思っていたが、あればあったで重宝する。それはすぐに見つかった。「綾郵便局」430円。漢字1文字の郵便局は珍しいと思う。
「綾」は宮崎県の中西部にあり、日本一の照葉樹林が広がっている。伊東氏四十八城のひとつ「綾城」と、長さ250m・高さ142mの「照葉大吊橋」が見どころである。左党には「酒泉の杜」というのもある。これらはすべて、今朝のソラシドエアの機内誌にも紹介されていた。
まずは徒歩で行ける綾城へ向かう。てくてく坂道を登って行くと、30分ほどで綾城の表門に着いた。こじんまりした3階建てで、ちょっと豪華な和風建築民家、の趣もある。
入館料は350円。受付のおねえさんに聞くと、照葉大吊橋はここからクルマで数分かかるということで、そちらはパス。私は国内旅行をしている方だと思うが、「足」は公共の交通機関のみなので、意外に訪れる場所は限られている。
城内に入る。城はもちろん再建だが、林業の町らしく、立派な梁がふんだんに使われている。
3階の天守閣から、下界を眺める。自分が殿様になったようで、気分がいい。
城を出ると、左手に、これまた和風の建物「工芸館」があった。
中では織物の作業中。頼めば体験もできるが、そこまでしない。その向かいは、陶芸の部屋だった。これも有料で体験ができ、こっちはやってやれないこともなかったが、「いい旅・夢気分」ではないので、ここもパスする。
ちょっと大きめの建物がある。「綾国際クラフト城」である。綾町は伝統工芸品の制作と継承に熱心で、クラフト城はケヤキやカヤをふんだんに使い、多くの匠の手によって建築されたという。
中に入ると、さまざまな工芸品や土産物が展示されていた。質のいいまな板が3,000円とは激安だと思うが、私が買ってもしょうがない。
碁盤と将棋盤が置いてある。将棋盤は厚さ4寸5分で80,000円。これはホントに、激安だろう。大野八一雄七段だったら即購入だろうが、私は盤に費やすおカネはないので、ここでも眺めるだけに留める。
左奥に「昭和の部屋」がある。昭和30~50年代のレコードやポスターが陳列されており、なつかしい。
その手前の部屋はマンガ図書館になっており、いまならプレミア間違いなしのマンガ単行本が大量に置かれていた。もちろん閲覧自由で、私もそうする。
ここでマンガを読み耽っていると、何をしにここまで来たのか、自問自答してしまうが、ひとり旅だから誰に遠慮することもない。
タダで長居するのもアレなので、200円のマンゴージュースを頼んだ。
クラフト城を出て、明治時代に建築された小学校などを見物し、「綾城」を出る。照葉大吊橋を見ることは叶わないが、隣接した駐車場を跨ぐ橋が吊り橋状になっていたので、そこを通ることにする。
幅は1メートルちょっとか。真ん中こそ鉄板が敷かれていたが、その側面はグレーチングが嵌まっていて、数メートル下が丸見えである。足がすくむが、前を見たまま早足で渡り切る。しかしそこからバス停方面に抜けることができず、いまの橋をまた戻ることになった。何をやってるんだと思う。
宮崎駅方面行きのバスはかなりあり、30分ヘッドで出ている。しかし予定外の寄り道で、17時00分・綾待合所発のバスに乗ることになった。
17時41分、宮崎神宮で降りる。短時間でも参拝しようのハラだが、神殿に通じる大門が閉じていた。午後5時で閉門だったのだろうか。
たとえば島根県の出雲大社は夜遅くまで開いていたが、今回はちょっと寄ってパッパッとお参りしよう、の軽い気持ちがマズかったか。
宮崎神宮からのバスは、宮崎駅前を通らない、宮交シティ行きの便だった。何とかいう銀行前のバス停が宮崎駅の最寄りだったのだが、降りそびれる。
商店街の前を通り、ここも降り損ねると、バスは大きな橋を渡った。宮交シティは宮崎駅付近と読んでいたのだが、これはどこに行くのか。
不安になったので「中村1丁目」で下車し、徒歩で商店街に戻る。大橋の袂に地図があったので確認すると、宮交シティは、南宮崎駅前の近くにあった。
美味そうなラーメン屋があったので、入ってみる。らーめん580円、野菜餃子6ヶ280円。らーめんは豚骨スープだったが、独特の臭みはなく、美味かった。野菜餃子は国産野菜100%使用だったが、甘くて美味い。昔ウチの近所にあった中華料理屋の味に似て、なつかしかった。
店を出るとコンビニに寄って、5月2日から開幕する「吹上浜・砂の祭典」の前売り券を買う。700円。当日売りは1,000円だから、前売り券の購入は絶対だ。
きょうの宿はビジネス宮崎ロイヤルホテル。2,600円の宿泊料は激安である。ユースホステルより安く、これではユースホステルが衰退するのもやむを得ない。
部屋に入ってテレビを点けるが、日本テレビ系「踊る!さんま御殿2時間スペシャル」がやってない。そういえば、宮崎空港に着いたとき、なぜかテレビで「笑点」をやっていた。宮崎県の日本テレビ系は、東京と放送時間が違うようだ。
有料ビデオは、24時間放映のプログラム方式で、3社が入っていた。すなわち、「チャンネル・ルビー」「Peach Channel」「Sweet Channel」の3つである。
宿泊料が安かったので、フジテレビ系「鴨、京都に行く」を観終わったあと、ホテルの売り上げのためにと、有料カード(1,000円)を購入した。
さて今回は、「Sweet Channel」の表紙を飾っている、辻本りょうが魅力的である。しかし彼女の登場は翌朝5時18分からであった。
むかし北海道を旅行したとき、やはり有料ビデオで、観てみたい女優がいたのだが、彼女の出演時間が翌日午前3時で、目覚まし時計を合わせて起きたものの、心臓がバクバクいって、死にそうになったことがある。
もう私も歳だし、今回は無理をしない。タイトルのみノートに記入し、必要ならば帰京してからビデオを購入しようと思った。
それはいいとして、ちょっとした誤算があるのに気付いた。
(つづく)
さて、きょう4月30日は平日である。旅行貯金をしたいが、見当たらないのでスマホで検索する。ケータイなんて自分には無縁だと思っていたが、あればあったで重宝する。それはすぐに見つかった。「綾郵便局」430円。漢字1文字の郵便局は珍しいと思う。
「綾」は宮崎県の中西部にあり、日本一の照葉樹林が広がっている。伊東氏四十八城のひとつ「綾城」と、長さ250m・高さ142mの「照葉大吊橋」が見どころである。左党には「酒泉の杜」というのもある。これらはすべて、今朝のソラシドエアの機内誌にも紹介されていた。
まずは徒歩で行ける綾城へ向かう。てくてく坂道を登って行くと、30分ほどで綾城の表門に着いた。こじんまりした3階建てで、ちょっと豪華な和風建築民家、の趣もある。
入館料は350円。受付のおねえさんに聞くと、照葉大吊橋はここからクルマで数分かかるということで、そちらはパス。私は国内旅行をしている方だと思うが、「足」は公共の交通機関のみなので、意外に訪れる場所は限られている。
城内に入る。城はもちろん再建だが、林業の町らしく、立派な梁がふんだんに使われている。
3階の天守閣から、下界を眺める。自分が殿様になったようで、気分がいい。
城を出ると、左手に、これまた和風の建物「工芸館」があった。
中では織物の作業中。頼めば体験もできるが、そこまでしない。その向かいは、陶芸の部屋だった。これも有料で体験ができ、こっちはやってやれないこともなかったが、「いい旅・夢気分」ではないので、ここもパスする。
ちょっと大きめの建物がある。「綾国際クラフト城」である。綾町は伝統工芸品の制作と継承に熱心で、クラフト城はケヤキやカヤをふんだんに使い、多くの匠の手によって建築されたという。
中に入ると、さまざまな工芸品や土産物が展示されていた。質のいいまな板が3,000円とは激安だと思うが、私が買ってもしょうがない。
碁盤と将棋盤が置いてある。将棋盤は厚さ4寸5分で80,000円。これはホントに、激安だろう。大野八一雄七段だったら即購入だろうが、私は盤に費やすおカネはないので、ここでも眺めるだけに留める。
左奥に「昭和の部屋」がある。昭和30~50年代のレコードやポスターが陳列されており、なつかしい。
その手前の部屋はマンガ図書館になっており、いまならプレミア間違いなしのマンガ単行本が大量に置かれていた。もちろん閲覧自由で、私もそうする。
ここでマンガを読み耽っていると、何をしにここまで来たのか、自問自答してしまうが、ひとり旅だから誰に遠慮することもない。
タダで長居するのもアレなので、200円のマンゴージュースを頼んだ。
クラフト城を出て、明治時代に建築された小学校などを見物し、「綾城」を出る。照葉大吊橋を見ることは叶わないが、隣接した駐車場を跨ぐ橋が吊り橋状になっていたので、そこを通ることにする。
幅は1メートルちょっとか。真ん中こそ鉄板が敷かれていたが、その側面はグレーチングが嵌まっていて、数メートル下が丸見えである。足がすくむが、前を見たまま早足で渡り切る。しかしそこからバス停方面に抜けることができず、いまの橋をまた戻ることになった。何をやってるんだと思う。
宮崎駅方面行きのバスはかなりあり、30分ヘッドで出ている。しかし予定外の寄り道で、17時00分・綾待合所発のバスに乗ることになった。
17時41分、宮崎神宮で降りる。短時間でも参拝しようのハラだが、神殿に通じる大門が閉じていた。午後5時で閉門だったのだろうか。
たとえば島根県の出雲大社は夜遅くまで開いていたが、今回はちょっと寄ってパッパッとお参りしよう、の軽い気持ちがマズかったか。
宮崎神宮からのバスは、宮崎駅前を通らない、宮交シティ行きの便だった。何とかいう銀行前のバス停が宮崎駅の最寄りだったのだが、降りそびれる。
商店街の前を通り、ここも降り損ねると、バスは大きな橋を渡った。宮交シティは宮崎駅付近と読んでいたのだが、これはどこに行くのか。
不安になったので「中村1丁目」で下車し、徒歩で商店街に戻る。大橋の袂に地図があったので確認すると、宮交シティは、南宮崎駅前の近くにあった。
美味そうなラーメン屋があったので、入ってみる。らーめん580円、野菜餃子6ヶ280円。らーめんは豚骨スープだったが、独特の臭みはなく、美味かった。野菜餃子は国産野菜100%使用だったが、甘くて美味い。昔ウチの近所にあった中華料理屋の味に似て、なつかしかった。
店を出るとコンビニに寄って、5月2日から開幕する「吹上浜・砂の祭典」の前売り券を買う。700円。当日売りは1,000円だから、前売り券の購入は絶対だ。
きょうの宿はビジネス宮崎ロイヤルホテル。2,600円の宿泊料は激安である。ユースホステルより安く、これではユースホステルが衰退するのもやむを得ない。
部屋に入ってテレビを点けるが、日本テレビ系「踊る!さんま御殿2時間スペシャル」がやってない。そういえば、宮崎空港に着いたとき、なぜかテレビで「笑点」をやっていた。宮崎県の日本テレビ系は、東京と放送時間が違うようだ。
有料ビデオは、24時間放映のプログラム方式で、3社が入っていた。すなわち、「チャンネル・ルビー」「Peach Channel」「Sweet Channel」の3つである。
宿泊料が安かったので、フジテレビ系「鴨、京都に行く」を観終わったあと、ホテルの売り上げのためにと、有料カード(1,000円)を購入した。
さて今回は、「Sweet Channel」の表紙を飾っている、辻本りょうが魅力的である。しかし彼女の登場は翌朝5時18分からであった。
むかし北海道を旅行したとき、やはり有料ビデオで、観てみたい女優がいたのだが、彼女の出演時間が翌日午前3時で、目覚まし時計を合わせて起きたものの、心臓がバクバクいって、死にそうになったことがある。
もう私も歳だし、今回は無理をしない。タイトルのみノートに記入し、必要ならば帰京してからビデオを購入しようと思った。
それはいいとして、ちょっとした誤算があるのに気付いた。
(つづく)