一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

九州旅行2・旧妻線の面倒

2013-05-11 03:18:54 | 旅行記・G.W.編
テレビのリモコンを見ると、ビデオの「早送り」「一時停止」などのボタンがない。これは至極当然で、ビデオはチャンネルのプログラムにそって放映されるから、必要ないのだ。
このホテルは、「ハードディスク内のビデオを鑑賞するのではない」。
この事実を私は、軽視していた。
ハードディスクを使ってのそれは、数十本あるビデオの中からお好みのモノを鑑賞でき、早送り、一時停止が思いのままだ。おもしろくなければ、どんどん別のビデオに移ってよい。あっちこっちつまみ食いすれば、いつかアタリに辿り着くわけで、一夜を十分に楽しめるシステムとなっているのだ。
ところがプログラム仕様はそうはいかない。放映はリアルタイムだから、絶好の場面での一時停止が利かない。また、現在ビデオチャンネルは3本あるが、3本のどれもがクライマックスでない、というケースもあり得る。女優へのどうしようもないインタビューや、男優とのどうでもいい会話など、早送りしたい場面が重なる可能性が大いにある。そんなとき、ひたすら時間が経つのを待つしかないのだ。
仮にクライマックスシーンがあったとしよう。しかし自分好みの女優でない場合、これも1本終わるまで待たねばならない。旅先でそんな悠長なことはいっていられない。結局、プログラム方式は頗る不便なのである。
私が有料ビデオを観る最大の理由は、低料金を設定してくれたホテルへの御礼、ということがある。
しかしどうせ観るなら、モトを取りたいと思う。今回はそれが叶わず、肩透かしを食った形となった。

30日は深夜1時ごろ就寝。明け方目が覚めたので、布団の中で10分くらいムニャムニャしていた。そこで目覚まし時計を見ると、5時30分である。
これは、辻本りょうのビデオがやっている時間ではないか!? というかそもそも、辻本りょうのビデオが始まる5時18分ごろに目を覚ましたようだ。
なるほど、人間、集中すると、好みの時間に自然と目を覚ますらしい。
私はムクムクと起き出し、テレビを点ける。辻本りょうが大変なことになっていたが、動く彼女はちょっと期待外れの感もある。東京に帰って、ビデオを買わなくてよかった、と考えたりする。
とはいえここからはもう眠れなくなり、そのまま午前7時40分ごろチェックアウトした。
宮崎駅に戻り、「旅名人の九州満喫きっぷ」(3日間有効・10,500円)を買う。これは九州内のバスほとんどに乗れる「SUN Qパス」(3日間有効・10,000円)に対抗した「鉄道版SUN Qパス」で、九州内の「普通列車すべて」に乗車できるスグレモノだ。
そう、JR以外の第3セクター、私鉄、地下鉄、路面電車など、「鉄道」と名の付くものならすべて乗車できるのだ。鉄道各社が垣根を越えて販売したもので、その英断に拍手を送りたいところである。
さらに驚いたのが使用期間で、有効期間が3か月あり、その間の任意の3日間で使える、というものだった。
「SUN Qパス」では連続する3日間で10,000円だからトータルで考えるが、任意の3日間なら、いろいろバリエーションがある。例えば5日間の旅行を考えた場合、1日目、3日目、5日目に「旅名人」を使い、2日目と4日目は移動を極力抑えるなど、メリハリのある移動が可能なのだ。
また、1枚のきっぷで3人いっしょに使うことも可能。これは「青春18きっぷ」と同じシステムだ。
これは鉄道マニアからすると、画期的な企画きっぷといえる。私はここ数年、九州ではバス旅が主流になっていたが、今回はたっぷり鉄分を補給できると思った。
宮崎駅では、例の「豊吉うどん」で朝食。今回は190円のかけうどんである。購入後、「朝うどん」なるセットメニューがあるのを発見したが、遅かった。
朝食を美味しく食べ、みどりの窓口に備え付けてある時刻表で、きょうのスケジュールを決める。私は最近怠惰になり、旅行に時刻表は携行しないのだ。
朝ホテルを出るときは、きょうは旧妻線の廃線跡探訪と、くま川鉄道~肥薩線の乗車をイメージしていた。ちなみにきょうの最終目的地は、鹿児島である。
「妻線」は、独身の私には憧れがあるネーミングで、いつかは訪れてみたい廃線跡であった。ところが時刻表には、妻線が分岐していた佐土原から、バス路線が書かれていない。内陸部には西都バスセンターがあり、ここに妻線の名前の由来となった旧妻駅があるはずだが、そこに行くには、ここ宮崎駅からバスで行くのが簡便のようだった。
だが、いまさっき「旅名人きっぷ」を買ったのに、すぐにバスに乗るのは味が悪い。
旧妻線は、サイクリングロードが走っていると、昨夜スマホで調べておいた。そこで私は、佐土原まで電車で行き、そこから廃線跡を数キロ歩き、西都BCから湯前方面に抜けることを考えた。
7時40分発の佐土原行きがあったが、これは当然ながら乗れず。事前にスマホで調べておけばよかったのだが、どうしてもルーズになってしまう。やはり時刻表を携行するのがいちばんなのだ。
次は8時35分発の佐土原行きだが、私はとりあえず、8時14分発の宮崎神宮行きに乗った。
3分後、宮崎神宮着。このホームで20分ほどボーッとし、後続の列車に乗車。
佐土原着8時54分。駅長さんに、旧妻線のありかを聞く。
「そこから出てたよ」
と教えてくれるが、私はホームのことを聞いたのではない。分岐地点を聞いたのだ。
ここで、駅の時刻表を改めて繰る。
西都BCまでスムーズに歩いたと仮定して、そこから湯前方面にはバス利用となるが、村所(西米良)で乗り換えねばならない。その途中の杉安峡バス停は旧妻線の終着駅の一部のはずだが、その辺りはハッキリしない。廃線跡探訪には、JTB発行の「鉄道廃線跡を歩く」シリーズ全10巻がバイブルなのだが、それすら調べていなかった。ちょっと今回は行きあたりばったりすぎた。
西都BCから村所行きは1日4本しかなく、西都BC12時40分発→杉安峡12時55分着発→村所14時06分着、が適当だ。そこから、村所14時35分発→湯前駅15時38分着と、ここまではスムーズに乗り換えられる。
しかし次の、くま川鉄道・湯前発15時37分の列車に、タッチの差で乗れない。
仕方なく次の16時35分発に乗ることになり、終点・人吉温泉17時20分着。
肥薩線に乗り換えるが、次の列車が19時47分である。吉松で列車を乗り継ぎ、隼人着22時15分。
最終ランナーの日豊本線に乗り換えてようやっと鹿児島に着くが、こんなに遅くなってはダメである。私は午後9時から、「水曜ミステリー9・捜査検事近松茂道13」が観たいのだ。
西都BC発の1本前は、10時20分。しかし前述のように、ここ佐土原からバスが出ている保証はない。それに、そんなバス旅では「廃線跡を歩く」という私の第一義が、根底から瓦解してしまう。
私は頭を抱えた。
(つづく)
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