一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

九州旅行3・大トリのローカル線

2013-05-12 00:13:47 | 旅行記・G.W.編
佐土原にいては埒が明かないと、私は宮崎駅に戻ることにする。と、怪訝に思った駅長さんが、私に話しかけてきた。それはありがたいが、下りの列車はもう発車する。話の途中で、私は列車に飛び乗った。
とはいえ冷静に考えると、宮崎に戻っても、西都バスセンター行きの次発は、10時35分である。結局12時40分発の西都BCに合流し、やはり午後9時までに、鹿児島市内に着けなくなってしまう。
しからば宮崎駅で日豊本線の下りに乗り、都城で乗り換え、吉都(きっと)線の初乗りをしてみようか。
だがさっきの駅員さんも気になる。列車は9時33分に宮崎に着いたが、混乱した私は55分発の上りに乗り、再び佐土原に向かったのだった。
10時13分・佐土原着。もう一度駅長さんに挨拶して、やっぱり旧妻線を訪ねることにする。
ところがこれ、しばらく歩いてみたものの、分岐地点が分からない。地元の人に訪ねると、「廃線跡はそこだよ」と教えてくれたものの、そこは日豊本線の線路だ。若い男性は、妻線が走っていたことすら知らないという。無理もない。妻線の廃止は1984年。いまから29年も前なのだ。
総合すると、妻線の分岐地点は、まだまだ先らしい。
近くの商店に入ってみる。ここの奥さんがよくしてくれたが、私の頭では理解できない。近くにサイクリングロードはあるらしいのだが、それが廃線跡ではないようだ。何がどうなっているのだろう。
そこのダンナさんは東京に住んでいたことがあるようで、しばらく話が弾む。ともかくアイスを買って御礼とし、私は再び歩き出す。
一ツ瀬川を越えた。いい加減、分岐地点があってもいいはずだが、辺りは立派な国道が通っていて、まったくといっていいほど痕跡がなくなっている。
絶妙のカーブを描いた、整地された箇所がある。ここが廃線跡だろうか。しかし空はピーカン、飲み物は持っていないし、これ以上進んでも体力を消耗するだけだ。
佐土原、というか宮崎方面へのバス停があり、時間もちょうどよかったので、そのバスで戻ることにした。これで旧妻線の廃線跡探訪は終わりである。何だかグダグダな旅だった。事前の情報収集は重要だと、いまさらながら痛感した。
宮崎交通バス、軍瀬発11時52分の小型バスに乗る。しかしバスは佐土原駅前を通りそうにない。不安に思った私は、途中で降りる。と、目の前に寿司屋があったので、反射的に入ってしまった。
ランチにぎり1,100円はちと高いが、とにかく一休みしたかった。
まずまずの寿司とコーヒーを愉しみ、12時24分に店を出た。すぐ目の前を、西都BC行きのバスが通る。この辺りを走っていたのかと思うが、もう遅い。
佐土原発の日豊本線下りは12時39分である。徒歩15分で駅まで行けるか微妙なところだったが、国道10号沿いのスーパーの前で、左折したのがマズかった。結果的に大回りとなり、佐土原駅前に着いたのは12時46分。次の上りは13時52分だから、1時間待ちになった。
もっとも、天下の日豊本線は、特急はバンバン走っているが、普通列車は本数が少ない。むしろ、1時間に1本もあればいい方なのだ。
さっきみかけた郵便局に戻り、旅行貯金をする。「下田島郵便局」501円。できれば「佐土原郵便局」にしたかったが、その郵便局を探す気力はもうなかった。
100円ショップに寄り、500mlのペットボトルを2本買った。これが後で利くのである。
三たび佐土原駅に戻り、駅前の大看板で確認すると、ここでいうサイクリングロードは日豊本線の向こう側、日向灘のほうから伸びてきたものだった。旧妻線のサイクリングロードはもっと内陸部のほうで、ここに錯覚のモトがあったらしい。
13時52分の下りに乗り、今度こそ本当に佐土原を離れる。14時08分、宮崎着。ここで都城方面の普通列車に乗り換える。
時間があるので、三たび「豊吉うどん」に寄り、かけうどんを喰らう。今回は「豊吉うどん」にお世話になった。
次は14時37分発。だが私が乗ったその車両は、目下私しかいない。これが日豊本線普通列車の、いつもの姿なのだろうか。
定刻に発車。3つ先の清武で、大勢の女子高生が乗って来た。下校時間なのだろうか。きょうは平日である。私の前のボックス席に座った5人組(席を詰めて座っている)の女子高生は、キャッキャッうるさいくらいだ。しかし心地よいBGMではある。
列車は4分、6分とたびたび停車する。特急列車の通過を待ち合わせるのだ。この待ち時間も、旅の醍醐味である。
各駅で乗客が降り、某駅で女子高生がふたり降りると、私の車両は、また私だけになってしまった。15時57分、列車は3分遅れで都城に着いた。
私は九州内の鉄道にほとんど乗っているが、確実に乗っていない路線が、これから乗る吉都線だ。ここ都城から右に岐れ、約60キロを山の中に入り、肥薩線の吉松に接続するローカル線である。
路線図を見ると吉都線は、わざわざ乗るつもりがないと、ふつうの観光客は利用しない。今回は「旅名人きっぷ」を所有しているので、運賃を気にする必要もない。時間もあるし、いい機会であった。
列車はキハ40の2両編成。16時09分、定刻に出発した。
未乗の区間を乗る時間はぞくぞくする。吉都線は今年、開通100周年とかで、JR九州在来線全線乗車のトリを飾るにふさわしい路線であった。
16時33分、高崎新田で高校生がいっぱい乗って来た。4つ先の小林でも然り。全国のローカル線は、通学生で支えられていると思う。お歳を召した方も利用するが、クルマを利用する可能性もなくはない。そこへ行くと、高校生や中学生は100%列車利用だ。
17時30分、京町温泉着。この駅舎がまた立派で、「温泉」という駅名も含めて途中下車したい誘惑にかられるが、それは叶わぬ。
予定より1分早い、17時37分、吉松着。ここで肥薩線に乗り換えるが、この列車がそのまま隼人まで向かう。18時28分発なので、51分の待ち合わせともいえる。雄大な九州ならではである。
さすがに駅を出ると、目の前に温泉施設があった。
(15日につづく)
コメント (2)
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