HanaちゃんはFuj氏と対局。相矢倉になったが、見事に勝利した。矢倉が十八番のFuj氏に勝つとはHanaちゃん、殊勲の星だ。
3時休憩になり、大野八一雄七段から詰将棋プリントが渡される。いつもは手書き(のコピー)だが、きょうは駒のゴム印が押されていた。しかしこれが、駒の字が太く滲んで、見づらい。以前の手書きに戻してもいいのではという気もする。
「私、指宿にまだ行ったことがないんですよ。行きたいんですが」
と大野七段。これは妙なことをいう。
私たち勤め人と違い、棋士は休みの融通を付けやすいはずだ。しかし大野七段いわく、「忙しい」らしい。
もっとも大野七段は棋士仲間と旅行したいはずで、それならば確かに、日程の調整はむずかしいかもしれない。
パソコンには女流王座戦が映っているが、佳境に入っている。時刻は3時半を過ぎ、休憩時間は終わっているが、ちょっとこちらが気になる。
室谷由紀女流初段は、山根ことみアマに敗勢。眩暈がして倒れそうになった。
一方、中倉宏美女流二段が矢内理絵子女流四段に勝ったらしい。女流二段が女流四段に勝っても不思議はないが、双方の棋歴を鑑みれば、これは宏美女流二段、うれしい勝利だったろう。理絵子女流四段は冴えなかった。
甲斐智美女流四段-石本さくらアマ戦が大変なことになっている。石本アマが勝勢なのである。元女王がアマに負けてはいけないが、そのくらい女性アマのレベルは上がっているのだろう。
スタッフのW氏がいないので、自由対局がうまく付けられない。私は20代と思しき生徒2人に対局を申し込むが、尻込みしている。で、先ほどの新人氏に教えることにした。
手合いは私の二枚落ち。かなり大雑把な指し方をしたのだが、下手が咎めることができず、私の勝利となった。
女流王座戦はあらかた終わったようだ。やはり矢内女流四段、甲斐女流四段の敗退が大きいが、どっちみち女流王座挑戦は、里見香奈女流五冠が最有力。途中経過は関係なかろう。
ちょっと遅くなったが、植山悦行七段に教えていただく。私の居飛車。△6四銀には▲6六銀と対抗した。これは飛車先の歩を切られるが、仕方ない。
数手後、例によって植山七段の猛攻を受ける。これも覚悟の上だったが、やはり厳しい。
ここまでは1対1の対局だったが、Fuj氏が入って2面指しになった。
私は9筋を破られ、▲5八玉と右辺に遁走を図るが、こんなことをやってるようではダメである。ただ、これが存外粘りのある手だったようで、「上手みたいな手を指しますねえ」と植山七段が妙に感心した。
植山七段は調子が悪そうな上に、隣がFuj氏である。まさに「コッテリ」で、徐々にペースが狂ってしまったようだ。どう指されても下手が負け、の局面が続いたが、最後は植山七段が緩めてくれた。
ではその終局の場面を掲げる。
上手(角落ち)・植山七段:1一香、1三歩、2一桂、2二銀、2三歩、3二玉、3四歩、4二金、4四歩、5四金、5五歩、5六桂、6四銀、6八銀、7一歩 持駒:金、桂、香、歩
下手・一公:1七歩、1九香、2八飛、2九桂、3六歩、3七角、4六歩、5二成香、5八玉、6一竜、6六歩、6七銀、7七金、8六歩、9二歩 持駒:歩5
(△6八銀まで)
以下の指し手。▲4二成香△同玉▲5二金△3三玉▲1五角△2四香▲5六銀 まで、一公の勝ち。
▲1五角に、「よさそうな手が出ましたねえ」と植山七段。△2四香の次▲2一竜は▲2五桂以下の詰めろだが、△3一金で下手負け。しかし▲5六銀と、こちらの桂を取る手があった。ここで植山七段が静かに投げた。
きょうは「▲5六銀」がラッキー手だったようだ。
私は続けて新人氏と一局。私の飛車落ちだが、対四間飛車に、ゴチャゴチャやって、誤魔化した。
植山七段とFuj氏の対局は、植山七段の勝ち。Fuj氏が筋悪な手を指したようで、植山七段に講義を受けている。
私が覗きにいくと、矢倉囲いから▲8五銀と相手の桂と交換し、それを▲5四桂と中空に打ったらしい。これは私もさすがに指さない…というのは第三者だからいえるのであって、実戦では私もそう指したかもしれない。かように将棋はむずかしい。
陽は傾き、洋間はすっかり暗くなっている。新顔の生徒は、将棋談議にかまびすしい。また熱心な将棋ファンが増えた予感がする。しかし大野教室にはどうして、この手のファンが集まるのだろう。
きょうの食事メンバーは、大野七段、植山七段、Fuj氏、20代の生徒2名、私の6人。どこで食べてもいいのだが、いつものトンカツ屋に向かった。
店内はほぼ満席で、小さな座敷席が空いていた。ただしここの定員は5人で、そこを6人で座ったから、2人は正座を余儀なくされた。今回は私がそれに当たり、食事中はキツかった。
こんな体勢(正座)を数時間も続ける棋士はスゴイと思う。
ここでは桐谷広人七段の話が出たが、桐谷七段は多忙で、大野教室に招くことはむずかしいらしい。残念である。
食事が終わり、ここで植山七段と、20代氏のひとりとはお別れ。残り4人で、駅前の喫茶店でおしゃべりとなった。
しかし新顔氏がいるので、どこまで突っ込んだ話をしていいのか、その加減が分からない。結局、当たり障りのない話となった。
10時40分ごろ、散会。
Fuj氏とはいっしょの電車だが、私がちょっと聞きたいこともあり、次の赤羽で降りて、プラットホームのベンチで30分ほど話し込んだ。まあ、いろいろあるのである。
3時休憩になり、大野八一雄七段から詰将棋プリントが渡される。いつもは手書き(のコピー)だが、きょうは駒のゴム印が押されていた。しかしこれが、駒の字が太く滲んで、見づらい。以前の手書きに戻してもいいのではという気もする。
「私、指宿にまだ行ったことがないんですよ。行きたいんですが」
と大野七段。これは妙なことをいう。
私たち勤め人と違い、棋士は休みの融通を付けやすいはずだ。しかし大野七段いわく、「忙しい」らしい。
もっとも大野七段は棋士仲間と旅行したいはずで、それならば確かに、日程の調整はむずかしいかもしれない。
パソコンには女流王座戦が映っているが、佳境に入っている。時刻は3時半を過ぎ、休憩時間は終わっているが、ちょっとこちらが気になる。
室谷由紀女流初段は、山根ことみアマに敗勢。眩暈がして倒れそうになった。
一方、中倉宏美女流二段が矢内理絵子女流四段に勝ったらしい。女流二段が女流四段に勝っても不思議はないが、双方の棋歴を鑑みれば、これは宏美女流二段、うれしい勝利だったろう。理絵子女流四段は冴えなかった。
甲斐智美女流四段-石本さくらアマ戦が大変なことになっている。石本アマが勝勢なのである。元女王がアマに負けてはいけないが、そのくらい女性アマのレベルは上がっているのだろう。
スタッフのW氏がいないので、自由対局がうまく付けられない。私は20代と思しき生徒2人に対局を申し込むが、尻込みしている。で、先ほどの新人氏に教えることにした。
手合いは私の二枚落ち。かなり大雑把な指し方をしたのだが、下手が咎めることができず、私の勝利となった。
女流王座戦はあらかた終わったようだ。やはり矢内女流四段、甲斐女流四段の敗退が大きいが、どっちみち女流王座挑戦は、里見香奈女流五冠が最有力。途中経過は関係なかろう。
ちょっと遅くなったが、植山悦行七段に教えていただく。私の居飛車。△6四銀には▲6六銀と対抗した。これは飛車先の歩を切られるが、仕方ない。
数手後、例によって植山七段の猛攻を受ける。これも覚悟の上だったが、やはり厳しい。
ここまでは1対1の対局だったが、Fuj氏が入って2面指しになった。
私は9筋を破られ、▲5八玉と右辺に遁走を図るが、こんなことをやってるようではダメである。ただ、これが存外粘りのある手だったようで、「上手みたいな手を指しますねえ」と植山七段が妙に感心した。
植山七段は調子が悪そうな上に、隣がFuj氏である。まさに「コッテリ」で、徐々にペースが狂ってしまったようだ。どう指されても下手が負け、の局面が続いたが、最後は植山七段が緩めてくれた。
ではその終局の場面を掲げる。
上手(角落ち)・植山七段:1一香、1三歩、2一桂、2二銀、2三歩、3二玉、3四歩、4二金、4四歩、5四金、5五歩、5六桂、6四銀、6八銀、7一歩 持駒:金、桂、香、歩
下手・一公:1七歩、1九香、2八飛、2九桂、3六歩、3七角、4六歩、5二成香、5八玉、6一竜、6六歩、6七銀、7七金、8六歩、9二歩 持駒:歩5
(△6八銀まで)
以下の指し手。▲4二成香△同玉▲5二金△3三玉▲1五角△2四香▲5六銀 まで、一公の勝ち。
▲1五角に、「よさそうな手が出ましたねえ」と植山七段。△2四香の次▲2一竜は▲2五桂以下の詰めろだが、△3一金で下手負け。しかし▲5六銀と、こちらの桂を取る手があった。ここで植山七段が静かに投げた。
きょうは「▲5六銀」がラッキー手だったようだ。
私は続けて新人氏と一局。私の飛車落ちだが、対四間飛車に、ゴチャゴチャやって、誤魔化した。
植山七段とFuj氏の対局は、植山七段の勝ち。Fuj氏が筋悪な手を指したようで、植山七段に講義を受けている。
私が覗きにいくと、矢倉囲いから▲8五銀と相手の桂と交換し、それを▲5四桂と中空に打ったらしい。これは私もさすがに指さない…というのは第三者だからいえるのであって、実戦では私もそう指したかもしれない。かように将棋はむずかしい。
陽は傾き、洋間はすっかり暗くなっている。新顔の生徒は、将棋談議にかまびすしい。また熱心な将棋ファンが増えた予感がする。しかし大野教室にはどうして、この手のファンが集まるのだろう。
きょうの食事メンバーは、大野七段、植山七段、Fuj氏、20代の生徒2名、私の6人。どこで食べてもいいのだが、いつものトンカツ屋に向かった。
店内はほぼ満席で、小さな座敷席が空いていた。ただしここの定員は5人で、そこを6人で座ったから、2人は正座を余儀なくされた。今回は私がそれに当たり、食事中はキツかった。
こんな体勢(正座)を数時間も続ける棋士はスゴイと思う。
ここでは桐谷広人七段の話が出たが、桐谷七段は多忙で、大野教室に招くことはむずかしいらしい。残念である。
食事が終わり、ここで植山七段と、20代氏のひとりとはお別れ。残り4人で、駅前の喫茶店でおしゃべりとなった。
しかし新顔氏がいるので、どこまで突っ込んだ話をしていいのか、その加減が分からない。結局、当たり障りのない話となった。
10時40分ごろ、散会。
Fuj氏とはいっしょの電車だが、私がちょっと聞きたいこともあり、次の赤羽で降りて、プラットホームのベンチで30分ほど話し込んだ。まあ、いろいろあるのである。