一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

久しぶりの東十条囲碁将棋教室(後編)

2014-07-17 00:11:42 | 東十条囲碁将棋サロン
隣の植山―Fuj戦は、相矢倉だった(平手)。植山悦行七段の作戦は急戦で、半ばシステム化している。たぶん、普通に追随しては後手不満の見解なのだろう。将棋は難しい戦いだったが、Fuj氏が制したようだ。さすがの実力である。
感想戦を見るが、先手の2四歩を植山七段が無視して攻め合いになる展開だった。その終盤、こう指したらどうやって上手玉を寄せる? という変化になり、みながうんうん苦しんでいる中、S君が見事な3手必至を見つけた。
S君は中盤の難解な局面でも味のいい手を指摘し、これはS君、確実に実力をつけていると感じた。これからS君を倒すのは、容易なことではなさそうである。
時刻は午後9時を過ぎ、教室はここまで。なおサロン自体は、11時まで営業している。

夕食は向かいの中華料理店にて。参加はいつもの4人である。私は2度目だが、みなの間では、この店がレギュラー化しているようだった。
「今週の定食」はABCと3種類あり、Aの野菜炒め定食が580円でリーズナブルだ。しかしレギュラーメニューのタンメン定食も、半チャーハンと小鉢がついて680円とお得だ。私はさんざん迷って、後者を頼んだ。
しかしこのタンメン、全然味がしない。出汁はしっかりとってあるようだが、これじゃただのお湯だぞオイ。私の舌がおかしくなったと思ったのだが、チャーハンの味はしっかりしている。店主、きょうこの出汁で、一日タンメンを出したのか? よく分からなかった。
食後、植山七段の土産話を拝聴する。いいホテルに泊まり、いい食事にありつけたようだ。私はほとんど興味がないので、無表情で相槌を打った。
そのほかにもいろいろな話が飛び交うが、私は植山七段との一局を脳裏で振り返っていた。

上手・植山七段(角落ち):1一香、1四歩、2一飛、3四歩、3五桂、3六桂、4二玉、4三銀、4五桂、4六歩、5三金、5四歩、7九馬、8八成桂、9五香、9六歩 持駒:歩2
下手・一公:1六歩、1九香、2七歩、2九玉、3八金、5六歩、5八銀、6七飛、7一金、7二歩、7四と、8五金、9九香 持駒:銀2、歩6
(△5三同金まで)

ここで私は▲6二飛成としたいのを堪えて▲6三ととやったのだが、以下△4七歩成▲5三と△同玉▲6二銀△4四玉▲4七飛(これが錯覚)△同桂成まで、植山七段の勝ちとなった。
最後は論外だが、▲6三との手で予定どおり▲6二飛成とやったらどうだったか。
私は我慢できず、植山七段に問うた。
「どんな将棋だったっけ?」
「私が▲7二歩から▲7一金と入った将棋です」
「ああ」
「あれ、私が▲6三と入らず▲6二飛成とやったらどうだったでしょう」
「△5二金だね」
「ですよね。そこで▲5三銀△3三玉▲5二銀不成△同銀▲同竜…」
「そこで△2八銀は」
「▲1八玉で」
「……ああ詰まないか」
「ああー、必敗の将棋をあそこまで粘ったのに…」
私は激しく悔やむ。
「だから金逃げるんだったね(▲6三とのときに△4四金)」
「でも私が言ってるのは▲6三とで▲6二飛成ですから」
「……」
…というやりとりを横目に、W氏が、将棋教室の課題や棋書の出版について、思うところを口にした。そして
「オレ、こういう席では将棋の仕事の話をしたいんだよね」
と茶目っ気を含めて言った。
W氏の腹案はなるほどと唸るものばかりで、W氏には失礼ながら、彼がここまで真面目に考えているとは思わなかった。まあ生徒が増えればマージンが入ったりするのかもしれないが、ふつうそこまでは熱くなれないものである。私はちょっと感心した。
私たちは建設的な話をし、店を出たのは11時近くになっていた。
植山七段はきょうアメリカから帰国したそうで、確かにきょうは、半分眠っていた。それでも将棋はしっかりしていて、さすがにプロ棋士は違うと思った。

自宅に戻って、植山七段との将棋をいま一度反芻すると、最終の変化△2八銀▲1八玉には、△2七桂成▲同金△同飛成▲同玉△3七桂成!で簡単に詰んでいた。脳内の検討では、△4五桂が視野から消えていた。
ということはどっちにしても、私に勝ちはなかったということだ。やはり中盤の▲8二金~▲7二歩~▲7一金が悪かった。こんな手を指しているようじゃ、私もまだまだである。
コメント
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