LPSA芝浦サロンは、前回2013年10月11日の次は同年11月29日(金)にお邪魔した。この日の担当のひとりは松尾香織女流初段(現・上川香織女流二段)だった。
松尾女流初段とは「ワイン勝負」をやっていて、同年1月16日以来である。ここまで私の3勝4敗で、残り5戦で私があとひとつ勝てば、ワイン進呈回避だった。
なおこの時の模様も、ブログには記していない。松尾女流初段のほかに誰が担当だったかも不明である。
初手からの指し手。▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲2五歩△5二飛▲4八銀△5五歩▲6八玉△3三角▲7八玉△6二玉▲3六歩△7二玉(第1図)
私の居飛車明示に、松尾女流初段はゴキゲン中飛車。松尾女流初段は若干レパートリーが少ないので、これは予想された戦型である。
△7二玉に、次の手がやや緊張感を欠いた。
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第1図以下の指し手。▲3七銀△8二玉▲4六銀△7二銀▲6八銀△3二金▲5八金右△9四歩▲9六歩△4二銀(第2図)
ここで▲3七銀と上がったが、けっこうあぶなかった。というのは、△5六歩の開戦があるから。
この前年に、中井広恵女流六段らと埼玉県に将棋合宿に行ったのだが、その時だったか、中井女流六段らとペア将棋をやった。私が似た局面で▲3七銀と上がり、相手ペアは自陣を整備したのだが、中井女流六段に「今相手から△5六歩があったんじゃない?」と疑問を呈された。その時の教えを、すっかり忘れていた。
超速にするのなら、▲6八玉型で▲3六歩~▲3七銀である。
松尾女流初段は咎めることなく、△8二玉。私は▲4六銀と上がり、通常の形に戻った。
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第2図以下の指し手。▲3五歩△同歩▲同銀△5六歩▲6六歩△2二角▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2六飛△5七歩成▲同銀△6四歩▲5六歩△3三銀▲3七桂△5一飛(第3図)
ここは▲3五歩といく一手だろう。それにしても、こちらが角頭を狙っているのに、上手は守る気配がまったくない。ここがゴキゲン中飛車のふてぶてしいところだ。
松尾女流初段△5六歩。角頭があぶなくなったら捌いてしまえということだが、私は▲6六歩と拒否する。
本譜▲2四歩△同歩には▲同銀といきそうなものだが、私は▲同飛とした。▲2四同銀は△4四角を嫌ったものか。だがこれでも下手が悪い道理がなく、そう指すべきだった。
その後も、私は2筋から攻めこめそうだったが、わりとゆっくりしている。このあたり当時とは読み筋が変わっているが、それは私が成長したということなのか。
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第3図以下の指し手。▲3六飛△3一歩▲6八金上△1四歩▲1六歩△4四銀▲4六銀引△5五歩▲6七金右△5六歩▲同銀△5五歩▲4五銀左△同銀▲同銀△4四歩▲3四銀(第4図)
私は▲3六飛と寄ったが、どうだったか。今なら▲2四歩とやりたいが、△同歩▲同銀△同銀▲同飛の時、△3六歩のキズが気になる。というかそもそも、前譜▲3七桂も跳ねないと思う。
ただ本譜は松尾女流初段が△3一歩とヘンな歩を打ってくれたので、均衡が保たれた感じだ。
もっとも松尾女流初段にも狙いがあって、△4四銀のブッツケ。これを▲同銀では△同角で、次に△3五銀や△2七銀がある。この時△3一歩が、金にヒモをつけてよく利いている。
私は▲4六銀と退却したが、これでは下手失敗だ。
△5五歩に▲6七金右も、ふつうに▲同歩では△同銀で捌かれてしまうので、仕方ないのだろう。
松尾女流初段は銀交換に成功し、△4四歩と銀を呼び込む。ここでも△3一歩がよく利いている。してみると△3一歩は好手だったようだ。
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第4図以下の指し手。△5六銀▲5七歩△6七銀成▲同金△1三角▲3五歩△2四金▲4六銀△3四金▲同歩△5八銀▲4八金△6七銀成▲同玉△2二角(第5図)
松尾女流初段は△5六銀。将棋は駒を剥がすことナリ、だ。私は▲5七歩と忍の一字だが、駒損をしているわけではないので、我慢のしがいはある。
その後も松尾女流初段の攻めを受け止める展開。でも△2二角と引かして、これは私も互角以上の形勢ではなかろうか。
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第5図以下の指し手。▲2五桂△6五歩▲同歩△4五歩▲同銀△5六歩▲6六銀△5七歩成▲同金△6六角▲同角△5五金▲同角△同飛▲5六銀打△5一飛▲5五歩(第6図)
私は▲2五桂と跳ね、戦力増強。だが△6五歩に▲同歩はのんびりしていて、ここは▲3三銀とカチこむべきだった。というのも松尾女流初段に△4五歩~△5六歩とされ、半分蟄居していた角に捌かれてしまったからだ。
一時は角銀交換の駒得になったがそれも解消され、第6図では上手に先手を握られ面白くない形勢。しかし冷静に見れば、下手にも楽しみはいくつかある。
だが……。
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第6図以下の指し手。△4九角▲7七玉△2七角成▲3九飛△4八銀(投了図)
まで、96手で松尾女流初段の勝ち。
第6図から5手で終わるとは思わなかった。
△4九角に▲7七玉が薄い手。当然5八に何か合駒しそうなものだが、▲5八金打は△6九銀がある。敵の角から遠ざかる意味でも、▲7七玉は仕方なかったのか。
だが△2七角成▲3九飛に△4八銀が厳しく、ここで投げた。
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戻って▲3九飛では▲3五飛がまだしもだったが、△2六馬▲3八飛に△2五馬と桂を取られ、やはり下手が悪い。
とするとやはり、第5図からの折衝でしくじった可能性が高い。せっかく松尾女流初段の猛攻を凌いだのに、惜しいことをした。
これでワイン勝負は、私の3勝5敗となった。
松尾女流初段とは「ワイン勝負」をやっていて、同年1月16日以来である。ここまで私の3勝4敗で、残り5戦で私があとひとつ勝てば、ワイン進呈回避だった。
なおこの時の模様も、ブログには記していない。松尾女流初段のほかに誰が担当だったかも不明である。
初手からの指し手。▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲2五歩△5二飛▲4八銀△5五歩▲6八玉△3三角▲7八玉△6二玉▲3六歩△7二玉(第1図)
私の居飛車明示に、松尾女流初段はゴキゲン中飛車。松尾女流初段は若干レパートリーが少ないので、これは予想された戦型である。
△7二玉に、次の手がやや緊張感を欠いた。
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第1図以下の指し手。▲3七銀△8二玉▲4六銀△7二銀▲6八銀△3二金▲5八金右△9四歩▲9六歩△4二銀(第2図)
ここで▲3七銀と上がったが、けっこうあぶなかった。というのは、△5六歩の開戦があるから。
この前年に、中井広恵女流六段らと埼玉県に将棋合宿に行ったのだが、その時だったか、中井女流六段らとペア将棋をやった。私が似た局面で▲3七銀と上がり、相手ペアは自陣を整備したのだが、中井女流六段に「今相手から△5六歩があったんじゃない?」と疑問を呈された。その時の教えを、すっかり忘れていた。
超速にするのなら、▲6八玉型で▲3六歩~▲3七銀である。
松尾女流初段は咎めることなく、△8二玉。私は▲4六銀と上がり、通常の形に戻った。
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第2図以下の指し手。▲3五歩△同歩▲同銀△5六歩▲6六歩△2二角▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2六飛△5七歩成▲同銀△6四歩▲5六歩△3三銀▲3七桂△5一飛(第3図)
ここは▲3五歩といく一手だろう。それにしても、こちらが角頭を狙っているのに、上手は守る気配がまったくない。ここがゴキゲン中飛車のふてぶてしいところだ。
松尾女流初段△5六歩。角頭があぶなくなったら捌いてしまえということだが、私は▲6六歩と拒否する。
本譜▲2四歩△同歩には▲同銀といきそうなものだが、私は▲同飛とした。▲2四同銀は△4四角を嫌ったものか。だがこれでも下手が悪い道理がなく、そう指すべきだった。
その後も、私は2筋から攻めこめそうだったが、わりとゆっくりしている。このあたり当時とは読み筋が変わっているが、それは私が成長したということなのか。
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第3図以下の指し手。▲3六飛△3一歩▲6八金上△1四歩▲1六歩△4四銀▲4六銀引△5五歩▲6七金右△5六歩▲同銀△5五歩▲4五銀左△同銀▲同銀△4四歩▲3四銀(第4図)
私は▲3六飛と寄ったが、どうだったか。今なら▲2四歩とやりたいが、△同歩▲同銀△同銀▲同飛の時、△3六歩のキズが気になる。というかそもそも、前譜▲3七桂も跳ねないと思う。
ただ本譜は松尾女流初段が△3一歩とヘンな歩を打ってくれたので、均衡が保たれた感じだ。
もっとも松尾女流初段にも狙いがあって、△4四銀のブッツケ。これを▲同銀では△同角で、次に△3五銀や△2七銀がある。この時△3一歩が、金にヒモをつけてよく利いている。
私は▲4六銀と退却したが、これでは下手失敗だ。
△5五歩に▲6七金右も、ふつうに▲同歩では△同銀で捌かれてしまうので、仕方ないのだろう。
松尾女流初段は銀交換に成功し、△4四歩と銀を呼び込む。ここでも△3一歩がよく利いている。してみると△3一歩は好手だったようだ。
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第4図以下の指し手。△5六銀▲5七歩△6七銀成▲同金△1三角▲3五歩△2四金▲4六銀△3四金▲同歩△5八銀▲4八金△6七銀成▲同玉△2二角(第5図)
松尾女流初段は△5六銀。将棋は駒を剥がすことナリ、だ。私は▲5七歩と忍の一字だが、駒損をしているわけではないので、我慢のしがいはある。
その後も松尾女流初段の攻めを受け止める展開。でも△2二角と引かして、これは私も互角以上の形勢ではなかろうか。
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第5図以下の指し手。▲2五桂△6五歩▲同歩△4五歩▲同銀△5六歩▲6六銀△5七歩成▲同金△6六角▲同角△5五金▲同角△同飛▲5六銀打△5一飛▲5五歩(第6図)
私は▲2五桂と跳ね、戦力増強。だが△6五歩に▲同歩はのんびりしていて、ここは▲3三銀とカチこむべきだった。というのも松尾女流初段に△4五歩~△5六歩とされ、半分蟄居していた角に捌かれてしまったからだ。
一時は角銀交換の駒得になったがそれも解消され、第6図では上手に先手を握られ面白くない形勢。しかし冷静に見れば、下手にも楽しみはいくつかある。
だが……。
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第6図以下の指し手。△4九角▲7七玉△2七角成▲3九飛△4八銀(投了図)
まで、96手で松尾女流初段の勝ち。
第6図から5手で終わるとは思わなかった。
△4九角に▲7七玉が薄い手。当然5八に何か合駒しそうなものだが、▲5八金打は△6九銀がある。敵の角から遠ざかる意味でも、▲7七玉は仕方なかったのか。
だが△2七角成▲3九飛に△4八銀が厳しく、ここで投げた。
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戻って▲3九飛では▲3五飛がまだしもだったが、△2六馬▲3八飛に△2五馬と桂を取られ、やはり下手が悪い。
とするとやはり、第5図からの折衝でしくじった可能性が高い。せっかく松尾女流初段の猛攻を凌いだのに、惜しいことをした。
これでワイン勝負は、私の3勝5敗となった。