一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3度目の愛(後編)

2019-05-10 00:18:57 | 女流棋士の指導対局会

第5図以下の指し手。▲5六金打△6六角▲7七銀△4六歩▲同金寄△3九銀▲6六銀△2八銀成▲6五銀△3八成銀▲1一馬△4九飛(第6図)

飯野愛女流初段は「私は指導対局の指し手が遅い」と自嘲しているが、どうしてどうして、一手をほぼノータイムで指している。それで瑕疵のない手を続けるのだから、やはりプロは凄いと思う。
私は▲5六金打と受けた。金が重なって気が利かないが、守りを固めておけば後顧の憂いがない。
飯野女流初段は、角を取れ、となおも差し出してきたが、私は壁銀を解消して▲7七銀。
自分では落ち着いた手に思ったが、△3九銀が生じているので、ふつうに▲6六同金と取るべきだったか。ただこれも△6六同歩▲6八歩に△5五桂が嫌味ではあった。
飯野女流初段は△4六歩と叩き、私は本局一の長考で▲同金寄。もちろん「上」もあったが、駒を上擦らせたくなかった。
△3九銀。やはりこの手が来てしまった。結果飛車角交換になったが、モノは考えようで、働きの悪かった飛車が捌けたと考えれば、腹も立たない。
△3八成銀には▲1一馬が待望の手。これは香得よりも、馬が自陣に利いた得のほうがはるかに大きい。
△4九飛に次の手は当然である。

第6図以下の指し手。▲6六馬△1九飛成▲5九香△4八成銀▲同金△7四桂▲同銀△同歩▲5三歩成△同飛▲同香成△7三桂▲6二銀△6四香(第7図)

▲6六馬と引けてだいぶ安堵した。守っては4八に利かし、攻めては端を睨んでいる。
そして△1九飛成には、竜の遮断も兼ねて▲5九香と受けたが、ちょっと震えたか。ここは香を温存し、▲4五桂と活用するべきだった。いずれ上手玉を詰ますことになる時、持駒に香があればだいぶ違うからだ。
2時51分、ここで飛車落ちの実年男性が投了した。上手の手練手管に騙され、思うように攻められなかったようである。感想戦をやった後、2局目が始まった。
△7四桂には▲同銀と取り、△同歩に▲5三歩成。対穴熊ではないので、このと金はすこぶる大きい。
飯野女流初段は△同飛と捨て、△7三桂。最後のうっちゃりを狙っている。
ここで受ける手もあったが、私は攻め合っての一手勝ちと判断し、▲6二銀と打った。
受けても一手一手と見た飯野女流初段は、△6四香と半ば形を作った。

第7図以下の指し手。▲7一角△同金▲同銀不成△同玉▲6二金△8二玉▲7二金(投了図)
まで、97手で一公の勝ち。

右の男性も投了し、感想戦が終わると、2局目に入った。しかし私見だが、この2局目はないほうがいいと思う。これがあるといつまでも6面指しが続いて、他の将棋が捌けない。
第7図から▲7一角。以下は平易な詰みで、▲7二金まで飯野女流初段が投了した。

早速感想戦に入り、焦点は第3図からの▲4四歩に絞られた。ここ、飯野女流初段も当然▲8八角を読んでおり、そこに▲4四歩ときたから混乱したようだ。
ちなみに△4四同金の変化もやったが、▲8八角△5五歩は私の読み。飯野女流初段は△5四金▲3三角成△同桂を示し、これは上手が捌け形、という結論になった。
時刻は3時15分ごろ。ほっとくと感想戦がいつまでも続きそうだから、W氏が制した。私は感想戦はあっさりめなのだが、つい熱が入ってしまった。
いずれにしても、私は初めて納得の行く内容になって、大満足だった。
そして私は再び、ブックオフを探しに行った。
コメント
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