一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ関東交流会2019(1)

2019-06-13 00:52:18 | 将棋ペンクラブ
5月26日(日)は、御徒町将棋センターが入居するビルの5階で、将棋ペンクラブ関東交流会が行われた。もちろん私も参加予定だったが、同会はいつ入室してもいいしいつ退室してもいいので、私も朝はのんびりしていた。
ゆるゆると家を出て電車に乗ると、幹事のA氏から「来ないんですか!?」のラインが入った。
まあ慌てなさんな、と言うところ。
御徒町将棋センターのビルは御徒町駅南口からすぐのところにある。だが目と鼻の先すぎて、ビルの前を右往左往してしまった。分かりやすく書くと、駅前広場の隣のビルだ。広場では何かのイベントが行われていたが、さすがにお邪魔する時間はない。
5階に上がり入室すると、場内から大きな拍手が起こった。
!?!? 私に…!? 私が就職を決めたからか? ……あっ、さっきのラインは、私の入室時間を測っていたのか。そうかそうか…。私はここまで、有名になっていたのか…。
「皆さんこんにちは、佐藤紳哉です」
うん!? 今年ゲストの、佐藤七段の自己紹介が始まったようだ。この拍手は、佐藤七段へのものだったのだ。……ふっ、そんなことだろうと思った。
半分クサッテ、3,500円の会費を払う。A氏がにこにこ笑っていた。
今年のゲスト棋士は、佐藤七段のほかに、井道千尋女流二段と堀彩乃女流2級だ。井道女流二段は2年前に続いて2度目の登板だが、前回は交流会当日に婚姻届けを出し、人妻ホヤホヤだったという逸話がある。
堀女流2級の参加は知らなかったが、彼女は将棋ペンクラブ将棋会で講師を務めている。今回はその流れで参加となったものだろう。
湯川恵子さんが現れ、「あらあー大沢さん!」と歓待してくれた。こちらは確実に、私を認識してくれた。
会員はそこそこ集まっており、知った顔も多かった。でも私は、とくに挨拶をしない。私は極度の人見知りなのである。
さて室内だが、広さは将棋会館の大広間には及ばず、太い柱や事務所もあり、必ずしも快適な環境とはいえなかった。しかし、責任者が快く部屋を貸してくれたことには感謝以外の言葉がない。ちなみに御徒町将棋センターは、東京アマチュア将棋連盟の本部道場である。将棋ペンクラブは、心強い味方を得たのだ。
まずは対局である。ここで好成績を挙げれば、後の表彰式で、よい景品をゲットできるのだ。
1局目はOsa氏と。毎年高勝率のOsa氏は級を申告する詐称を行っているが、今年は「三段」だった。ずいぶん謙虚だが、それでもまだ詐称している。実際は「五段」であろう。
ちなみに私は四段で申告したがこれも詐称で、実際は三段くらいである。
室内はもちろん、テーブルに椅子席での対局である。3列くらいタテに並ぶといっぱいいっぱいで、座ると、後ろの対局者と背中が当たってしまった。しかし譲り合いの精神で対局するしかない。
将棋は一応振駒とし、私の先手になった。私の居飛車に、Osa氏は四間飛車穴熊。得意の戦法だ。
私は銀冠から▲8五歩と伸ばす。Osa氏は▲6五の桂を銀で食いちぎり、▲同歩△同飛▲6六歩に、△8五飛と回ってきた。私は急所の歩を取られ面白くないが、相手の飛車も窮屈だから釣り合いは取れている。果たしてその飛車は切らざるを得ず、私はさらに駒得を拡大した。
しかしそこから細い攻めを繋げるのがOsa氏の持ち味で、私は飛車得に近いのに、難しい形勢。もう受けてもしょうがないと攻め合いにいったら、これが存外効いたようだ。

そして終盤の部分1図。ここですぐ▲8一竜でもよかったが、▲6八同馬△同馬に、▲8一竜△同玉▲7二桂成△同玉▲6四桂として、私の勝ち。
Osa氏に勝つのは大殊勲で、最多勝争いのライバルを蹴落としたのは大きい。
続いて2局目である。相手は初見の青年。段位は三段だったが、振駒とした。
私の後手で、青年は石田流。手つきは覚束ないが、指し手は早い。昨今はネット将棋で腕を磨く手合いが多いので、手つきの巧拙はまったくアテにならない。
私は△4四歩と突き、△4五歩と位を取る。これが相手の▲4六歩を防ぎ自分だけ伸び伸びする手で、私の得意形でもある。
実戦はその後角銀交換から飛車角交換になり、この将棋も私の飛車得近くなったのだが、私のふるえと青年の勝負手連発で、いい勝負になってしまった。

第1図から▲2五角△3四歩▲3五桂△3三金▲4三銀△4一玉▲6三桂成△4三金▲同桂成(第2図)と進んだ。
第1図は形勢逆転して、先手がいいと思う。実戦は▲2五角でこれも厳しかったが、他にも手があったと思う。本譜は△3四歩だが、▲3五桂が追撃の好手。
私は▲4三銀に△4一玉と引き、▲6三桂成に△4三金と死んだフリをした。青年は当然▲4三同桂成としたが……。

第2図から△3九馬▲同玉△4八金▲2八玉△3九銀まで、私の勝ち。
1枚銀を補充して、△3九馬が狙いの一手。以下は金銀の並べ詰みである。先手は▲2五角が上部を塞いでしまったのが痛かった。実に惜しい将棋を落としたと思う。しかし彼には未来が輝いていそうだから、同情しない。
指導対局は、佐藤七段と井道女流二段が3面指し、堀女流2級が2面指しを行っていた。私は井道女流二段に指導対局を受けたいが、申し込みはまだ先でいい。
もう昼を過ぎており、室内の一角にはおにぎりが用意されている。その傍らには大盤があり、詰将棋が並べられていた。双玉で、これは容易に詰まないようにできている。今も小学生の子供が何となく詰ましたが、それが作意とは思えない。
おにぎりをほおばっていると、Ok氏が来た。Ok氏は大野教室の常連だが、教室からの棋客はOk氏だけのようだ。
私は最近、専ら「観る将」なので、Ok氏に会わせる顔がない。それでもしばらく雑談したあと、Ok氏と指すことになった。
Ok氏は最近心臓の手術をしたという。術後の経過は良いようだが、私と指して激戦の終盤になったら、Ok氏の体に悪かろう。スパッと斬ってやるつもりだった。
ところが……。
(つづく)
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