一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ関東交流会2019(4)

2019-06-16 02:09:38 | 将棋ペンクラブ
ミスター中飛車氏との感想戦が終わると、午後4時を15分ほど過ぎていた。湯川博士氏によると、懇親会は5時からで、4時半からは新しい将棋に入らない、とのこと。私は8局分の将棋を指しクタクタ。悪い将棋をかなり拾い、これで6勝は上出来。もう打ち止めである。
ちょっと小腹が空いたので、小諸そばの御徒町店に行こうと思う。以前、そこの二枚もりを注文した時、大もりを掴まされ、それ以来御徒町店は敬遠していた。前日、御徒町に買物に来て、久しぶりに御徒町店を利用したので、連チャンとなる。なお2日前も別の小諸そばに入ったので、厳密には3日連続となった。
二枚もりは安定の味で、美味かった。
その足で松坂屋に行き、トイレに入った。御徒町は空いた時間にいろいろ行くところがあり、楽しい。
戻ると、大盤に別の詰将棋が出題されていた。どうも、傍らにいる会員氏が出題していたようだ。かなりの有名人に思える。
将棋会の賞品が陳列されはじめた。私の狙いは、井道千尋女流二段の色紙「飛翔」である。師範のように達筆だ。ちなみに佐藤紳哉七段は「躍動する駒たち」、堀彩乃女流2級は「万里一空」等を提供している。渡部愛女流王位(当時)は意表の「令和元年」で、これも注目の一枚だ。
そのほかは、佐瀬勇次八段(当時)の「祝盃」もよい。灘蓮照八段(当時)の扇子は、1970年の名人戦記念のものだ。将棋会は時々、マニアには堪らぬ掘り出し物が出ることがある。
将棋が終わったそばから、将棋盤とテーブルが次々と片付けられる。アルコールとおつまみが一隅にまとめて並べられ、どうも立食形式のようだ。
窪田義行七段が見えた。ありがたいことだが、ここは御徒町。ほかにも棋士は来るのだろうか。
バトルロイヤル風間氏が見えた。来るべく人が続々集まっている感じである。そういえば、今年は木村晋介会長が顔を見せなかった。落語の稽古で忙しいのかもしれない。
なお、A氏夫妻は退席したようだ。A氏とは積もる話もあったのだが、残念である。
5時になり、懇親会が始まった。まずは棋士の挨拶である。
佐藤七段「今日はカツラをしませんでした。……でもカツラはカバンに入れてあるんですよ」
場内が爆笑した。
井道女流二段「指導対局では皆さん強くて、たくさん白星を配給してしまいました」
堀女流2級「皆さん強かったです」
続いて将棋会の表彰である。私は今回、最多勝常連のOsa氏を叩いたし、対抗の常連の顔も見えなかった。金子タカシ氏、美馬和夫氏ら強豪も番数はこなしておらず、私はかなり上位に食い込んだはずだ。
注目の1位は7勝で、何と女性だった。昼に女性同士で対局していた片方、ノースリーブの女性である。女性の最多勝は史上初。時代は令和に変わったのだ。
ちなみに彼女は大山康晴十五世名人の扇子をチョイスした。玄人好みの選択に、私は唸るばかりである。泉下の名人も、よろこんでいることだろう。
タイはもうひとりいて、何とKaw氏だった。彼はそんなに強かったのか!
自己紹介を聞くと、彼は地方出身だが、今年から東京在住になったという。
しかし何ということだ。常連がいなきゃいないで、伏兵が登場してくるのだ。
7勝はこれで終わり、6勝。やっと私が呼ばれた。
「皆さんこんにちは。このたびやっと就職できまして、先週から働き始めました。次はどの会社に行こうかと思っています……」
このブラックな自己紹介はどうか。場内は一瞬緊張したあと、苦笑がもれた。さて待望の賞品だが、井道女流二段「飛翔」は残っており、めでたくゲットすることができた。
以下、0勝(0局)の金子氏まで自己紹介が終わり、ここで乾杯である。私は飲めないが、一応ビールを注いでもらう。乾杯。喉の渇きもあるが、最初の1杯は美味かった。
会は立食形式だが、壁際には椅子が用意されている。Ok氏などは座っているが、それでよい。Ok氏には我が社の話を何となくするが、入社前の想像とは話が違うところもあり、人生は難しいとつくづく思う。
しばらく佇んでいると、堀女流2級と何となく目が合った。今日も堀女流2級は黒のジャケットでビシッと決めている。古畑任三郎のごとく、その色をトレードマークにしているようだ。
「どうも堀先生、先生には一度、麹町サロンで吹っ飛ばされました」
「あの大沢さん、ブログ書かれていますよね」
「……ああうん、つまらないものを書いています。堀先生ももっと勝てば、ブログに載せさせていただきます」
堀女流2級が女流2級に昇級したのは2017年の3月。すでに2年の歳月が流れており、当人がいちばんもどかしい思いをしているだろう。しかし堀女流2級はアマ時代に中井広恵女流六段に勝つなど、実力はあるのだ。何かキッカケがあれば、すぐに昇級昇段するだろう。
「あ、先生そういえば、昨日は1dayトーナメントがありましたよね。どうでした?」
「……蛸島先生に……負けました」
「え? 負けた!? 蛸ちゃんに? いや蛸ちゃん強いもんね。いやでも、そうかー」
「……」
私はSのところがあって、敗者のキズ口を拡げるのである。でも堀女流2級には明日があるから、大丈夫だ。
Was氏が来た。我が社の仕事内容を話してみる。その流れで名刺交換をした。取引先以外との交換はもちろん初めてである。私はもう、サラリーマンとしてやって行かなければならないのだ。
最多勝の女性がこちらに来た。初夏らしいノースリーブは、交流会では異彩を放っている。Ok氏とは知り合いのようだ。私は流れで、声を掛けてみる。
「最多勝おめでとうございます」
「ありがとうございますぅ。でも幹事さんに同じ棋力の人を当ててもらったから……サービスしてもらいました」
「いやいや、同じレベルの中、勝ったのが素晴らしいです」
「いつも大野教室に行ってるんです」
「ああそうですか。大野教室には、私も何回か行ったことがあります」
彼女はハキハキしていて、好感が持てる。たぶん観る将から入ったのだろう。だがしかし、将棋を趣味にして大丈夫なのだろうか。
それはともかく、私は女医や女流棋士、年配者以外の女性とおしゃべりしたのはかなり久しぶりだ。なんだか妙に興奮して、血圧が上がってしまった。
(つづく)
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