きのうのビッグニュースは「女流棋戦8つめのタイトル戦・白玲戦創設」だった。何の前ぶれもなかったから、本当に驚いた。大きな特色は2つで、
・優勝賞金1500万円
・「女流順位戦」新設
である。まず優勝賞金が破格で、1500万円は昨年創設された清麗戦・700万円の倍以上だ。男性の一部タイトル戦の優勝賞金より高く、文字通り超大型棋戦の誕生である。
そして「女流順位戦」の併設が興味深い。A級~D級を設け、A級の優勝者が時の「白玲」に挑戦するのだ。もちろん第1期は変則で、64人の出場者をA~Hのリーグに分け、それぞれの優勝者で本戦トーナメント→決勝七番勝負を行うらしい。七番勝負は女流棋戦初。
西山朋佳奨励会三段も女流タイトル保持につき、出場できるらしい。この措置は正着である。
主催社は、ヒューリック。ヒューリックは清麗戦も主催しているが、そちらは大成建設が担うとのこと。これも唸る措置で、ヒューリックは清麗戦をリニューアルしてもよかったのに、そこを大成建設に引き継いだのが素晴らしい。
ヒューリックは不動産会社。いまはこの類の業界が、景気がいいのだろうか。
話を白玲戦に戻し、第1期の成績で第2期のクラス分けが決まるから、第1期の戦いは極めて重要だ。
これに準ずるシステムは、かつては女流名人戦が担っていた。A級リーグ~C級リーグがあったが、C級は第25期に廃止、B級も第40期に廃止され、残る「A級」はリーグ戦を残し、その名称は廃止された。B級が廃止されたとき、当時の米長邦雄会長は「女流棋士のレベル向上のため」とコメントを述べたが、いかにも苦しい言い訳だった。女流棋士の実力向上の近道は、やはり真剣勝負の場を増やすことだと思う。
今回、すべての女流棋士に年間10局前後の対局が保証されたことが大きい。これまでは、プロでありながら年間1ケタの対局数で、レッスンプロなのかトーナメントプロなのか分からない女流棋士もいたのだ。
これからは、女流棋士の格付けがなされるのもいいことだと思う。男性棋戦には順位戦があり、私などは段位より、順位戦のクラスで棋士の格を決めていた。そして不思議と、竜王戦のクラスは、あまり重視しなかった。
女流棋士もA級に在籍すれば、ステータスが発生する。そして順位戦と同じく、女流順位戦表が公表されると、昇降級者を予想することになるのだろう。いまから第2期が楽しみである。
ヒューリックは棋聖戦も特別協賛し、日本将棋連盟が2024年(予定)に将棋会館を移転した際、ヒューリック所有のビルに入る予定だ。もう将棋連盟と女流棋士会は、ヒューリックに頭が上がらないだろう。
超大型棋戦の創設により、ほかの女流タイトル戦は影が薄くなる気がするが、女流順位戦でD級に入った女流棋士は、挑戦まで長期間を要する。だが他棋戦は1期でタイトル挑戦ができるわけで、他棋戦でもいままで通り、真摯に対局に打ち込む姿は変わらない。
あとは、女流棋士がレベルの高い将棋を見せることだ。でないと、将棋ファンや男性棋士から「あの程度の将棋で1500万か」の嫌味が飛んでくる。女流棋士の皆さんは、遊んでいるヒマはないよ。
・優勝賞金1500万円
・「女流順位戦」新設
である。まず優勝賞金が破格で、1500万円は昨年創設された清麗戦・700万円の倍以上だ。男性の一部タイトル戦の優勝賞金より高く、文字通り超大型棋戦の誕生である。
そして「女流順位戦」の併設が興味深い。A級~D級を設け、A級の優勝者が時の「白玲」に挑戦するのだ。もちろん第1期は変則で、64人の出場者をA~Hのリーグに分け、それぞれの優勝者で本戦トーナメント→決勝七番勝負を行うらしい。七番勝負は女流棋戦初。
西山朋佳奨励会三段も女流タイトル保持につき、出場できるらしい。この措置は正着である。
主催社は、ヒューリック。ヒューリックは清麗戦も主催しているが、そちらは大成建設が担うとのこと。これも唸る措置で、ヒューリックは清麗戦をリニューアルしてもよかったのに、そこを大成建設に引き継いだのが素晴らしい。
ヒューリックは不動産会社。いまはこの類の業界が、景気がいいのだろうか。
話を白玲戦に戻し、第1期の成績で第2期のクラス分けが決まるから、第1期の戦いは極めて重要だ。
これに準ずるシステムは、かつては女流名人戦が担っていた。A級リーグ~C級リーグがあったが、C級は第25期に廃止、B級も第40期に廃止され、残る「A級」はリーグ戦を残し、その名称は廃止された。B級が廃止されたとき、当時の米長邦雄会長は「女流棋士のレベル向上のため」とコメントを述べたが、いかにも苦しい言い訳だった。女流棋士の実力向上の近道は、やはり真剣勝負の場を増やすことだと思う。
今回、すべての女流棋士に年間10局前後の対局が保証されたことが大きい。これまでは、プロでありながら年間1ケタの対局数で、レッスンプロなのかトーナメントプロなのか分からない女流棋士もいたのだ。
これからは、女流棋士の格付けがなされるのもいいことだと思う。男性棋戦には順位戦があり、私などは段位より、順位戦のクラスで棋士の格を決めていた。そして不思議と、竜王戦のクラスは、あまり重視しなかった。
女流棋士もA級に在籍すれば、ステータスが発生する。そして順位戦と同じく、女流順位戦表が公表されると、昇降級者を予想することになるのだろう。いまから第2期が楽しみである。
ヒューリックは棋聖戦も特別協賛し、日本将棋連盟が2024年(予定)に将棋会館を移転した際、ヒューリック所有のビルに入る予定だ。もう将棋連盟と女流棋士会は、ヒューリックに頭が上がらないだろう。
超大型棋戦の創設により、ほかの女流タイトル戦は影が薄くなる気がするが、女流順位戦でD級に入った女流棋士は、挑戦まで長期間を要する。だが他棋戦は1期でタイトル挑戦ができるわけで、他棋戦でもいままで通り、真摯に対局に打ち込む姿は変わらない。
あとは、女流棋士がレベルの高い将棋を見せることだ。でないと、将棋ファンや男性棋士から「あの程度の将棋で1500万か」の嫌味が飛んでくる。女流棋士の皆さんは、遊んでいるヒマはないよ。