一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2020年社団戦第2日(4)

2020-10-15 00:11:15 | 社団戦
山野氏は△2二銀と打ち、以下も金銀をベタベタ打ち、銀3枚の穴熊を再構築した。
さらに△4四の桂を△5六桂と跳ね、△3九角成▲同金に△4八金。これは食いついた。以後は山野氏が綺麗な即詰みに討ち取った!
またも3-2で薄氷の勝利。私は責任回避となり、ほっと一息である。相手の負けた女性選手は責任を感じているようだったが、誰が悪いということではない。

ついに最終4回戦である。相手は「棋心スピリッツ」。大将から四将まで小学生か中学生で、五将に講師と思しき大人がいた。こういうチームは強いのだ。こちらは私、藤原息子君、藤宮氏、藤原父氏、山野氏というメンバー。最後は持てる力をすべて出すつもりだ。
私の相手は黒縁メガネの小学生だ。大野教室でだいぶ免疫ができているが、どうも小学生は強くていけない。振ってもらってまたも私の後手。今日はそういう流れなのだろう。
対局開始となり、▲7六歩△3四歩▲7七角。今度はこの指し方か。今日は4局とも、最初の3手がすべて違っていた。将棋には無限の指し手があるのだ。
棋心君は向かい飛車に振ったが、私は飛車先の歩を突いていない。これでどうやって捌くのかと思いきや、▲8五歩と伸ばされて、ちょっと息苦しくなった。
私は3筋と4筋の位を取る。これで十分と見ていたのだが、棋心君も5筋の歩を切り、4筋から逆襲してくる。私は△3四銀と退却したが、棋心君は▲5六銀~▲4六金と伸び伸びしたもの。冷静に見ると、こちらの形勢が悪くなっていた。

第1図以下の指し手。△4四歩▲同歩△同角▲8四歩△同歩▲8三歩△4二飛▲8四角△6二歩(第2図)

第1図で△4四歩と合わせたのが、私らしくない好手。▲同歩△同角に▲5五歩は△4五歩▲4七金引△5五銀で先手陣の厚みを解消できる。
よって棋心君は▲8四歩と合わせる。△同歩に▲8三歩が工夫で、どうにでも飛車交換に持ち込もうというのだ。
私は△4二飛だが、▲8四角が▲5一角成の先手で、これをうっかりした。
大野教室ならここで△9九角成なのだが、それは▲5一角成でたぶん負ける。よって、△6二歩と守った。このあたり、我ながらよく辛抱したと思う。

第2図以下の指し手。▲8二歩成△9九角成▲3九角△4五歩▲4七金引△5五歩▲6七銀△4六香▲同金△同歩▲8一と△7七馬▲5八銀△7六馬▲8二飛成(第3図)

▲8二歩成はこう指すところなのだろう。私は大好きな「△9九角成」が指せて満足である。
ここで▲3九角の1回休みが辛い。すなわち▲9一とだと、△8三香があるのだ。
私は△5五歩~△4五歩を利かして△4六香。なおここで△7七馬は、▲5八金と上がられ△4六香の脅威がなくなるので、指せなかった。
△7六馬は敵飛車に働きかけるので気が利かないが、△6五馬と桂を取りたかった。
だが……。

第3図以下の指し手。△3六歩▲7一竜△3七歩成▲同銀△6五馬▲4四歩△同金▲6九香△4七歩成▲6五香△3七と▲同桂△3六歩(第4図)

第3図で桂馬を取りたいのはヤマヤマだが、▲6九香の反撃がある。そこで△3八馬▲同金△4七銀の殺到はあるが、さすがに無理だろう。それで、私も読み切っていないが、とりあえず△3六歩と突いた。▲3六同歩なら、△3七歩でまた応手を聞く、というのはどうか。
棋心君は無視して▲7一竜と入った。こちらは受けてられないので、△3七歩成から△6五馬。棋心君は▲4四歩を利かし、やはり▲6九香ときた。しかし私も△4七歩成とし、▲6五香には△3七と。今度は▲4九の金に触らず銀を取れるので、若干事情が違うのだ。

第4図以下の指し手。▲6四香△3七歩成▲同玉△4五桂▲3八玉△4六桂▲2九玉(第5図)

棋心君は▲6四香と銀を取ったが、ここは単に▲1一竜、もしくは▲2一角△2二玉に▲5一竜がイヤだった。
私は△3七歩成から△4五桂と跳ぶ。これで後手玉の逃げ道も増えたが、△7九竜の王手にも留意せざるを得なくなった。
▲3八玉△4六桂▲2九玉。ここで即詰みの順が見えず、焦った。

第5図以下の指し手。△5八桂成▲2一角△2二玉▲3一銀△1三玉▲5八金△3七桂成▲4八金△同成桂▲同角△3六桂▲5七角△3五銀▲2五桂△2四玉▲3八玉△5八銀▲1五桂△2五玉▲3七桂△3四玉(投了図)
まで、一公の勝ち。

△5八桂成では、△3七桂打から▲4九の金を取るべきだったか? もう頭が混乱して、よく分からなかった。
△5八桂成は、たぶん詰めろでない。だが棋心君の▲2一角△2二玉▲3一銀△1三玉に▲4二銀不成は詰めろでなかったみたいで、▲5八金と手が戻っては、私が勝利に近づいたようだ。
左の藤原息子君はすでに勝利している。いつも書くことだが、先に1勝してくれていると、本当に気分的に楽だ。ここで△4六桂だったかもしれないが、私は△3七桂成。これも緩手っぽいが、相手に駒を渡してないだけいい。
ここで▲3八歩なら△4六桂だが、実戦なら△2七成桂と指したかもしれない。棋心君は▲4八金と寄ったので、これは△同成桂で、私の勝ちになった。
△3六桂には▲5七角の王手でビックリしたが、△3五銀で逃れている。以下△3四玉まで、私の勝ちとなった。

私は難敵に勝ってホッと一息。席を立つと、藤宮氏も勝ったそうで3勝確定。なんと、チーム4勝0敗、通算7勝1敗となった。1日4連勝はチーム初だと思う。
こうなると残りの2局は安心して見られる。山野氏は負けたが、しょうがない。
藤原父氏も有利に進めているようだ。
第1図は棋心三将君が▲9六桂と打ったところ。あれッ、この手は……。

(つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする