一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3年振りの咲緒里(3)

2020-10-29 01:02:05 | LPSA麹町サロンin DIS
初手からの指し手。▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△3二銀▲5六歩△4二飛▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二玉▲5八金右△8二玉▲9六歩(第1図)

2局目は、1局目の▲2六桂を▲1六歩に代え、分岐の指し直しも考えたが、せっかくなので初手からお願いする。2局目の初手は▲2六歩としたが、島井咲緒里女流二段が△8四歩と応じるはずもなく、△3四歩。以下1局目同様、島井女流二段の四間飛車になった。島井女流二段は振り飛車党だが、考えてみたら四間飛車以外見たことがない気がする。

第1図以下の指し手。△9二香▲2五歩△3三角▲6八銀△9一玉▲5七銀左△7二金▲3六歩△4三銀▲4六銀△3二飛▲1六歩(第2図)

じゃあ今度は……という感じで△9二香。やはり島井女流二段はこう指さなければいけない。
私は玉頭位取りあたりでじっくり指したいのだが、残り1時間足らずでは終局しない可能性がある。それで▲5七銀左とした。
島井女流二段は「急戦か……」とつぶやき、△7二金。対島井戦では初見だが、これも島井システムなのだろう。

第2図以下の指し手。△4二金▲5七銀上△5四歩▲6八金直△8二銀▲3七銀△1四歩▲2六銀△7一金▲3五歩△7四歩(第3図)

▲1六歩の様子見に島井女流二段は△4二金と立った。棒銀やナナメ棒銀に対する秘手だが、島井女流二段は意外に手堅い。
ここで▲3八飛もあるのだろうが、よく分からない。後手は△4五歩の切り札があるので、居飛車側も慎重になる。私は▲5七銀上~▲6八金直と待ったが、一手の価値があったかどうか。
島井女流二段が△8二銀と締まると、午後4時13分、Tod氏が投了した。
私は▲3七銀~▲2六銀と立て直す。▲3五歩のとき△4五歩が銀当たりにならないよう工夫したものだが、2手損がどうでるか。
島井女流二段は△7一金と引き、△7四歩。島井穴熊には必須の手で、のちの△7二飛~△7五歩を見ている。

第3図以下の指し手。▲4六歩△5三金▲3八飛△3五歩▲同銀△7五歩▲3四歩△5一角(第4図)

Tod氏のところは2局目が始まったが、時間内に終わらないのは必定である。そのあとはどうするのだろう。
私は▲4六歩。2010年2月号「NHK将棋講座」の別冊付録「中井広恵のなるほど棒銀戦法」では、中井女流六段が「棒銀は▲3五歩と突く前に▲4六歩」と説いており、それに従った。
△7五歩は△5三金からの構想で、▲7五同歩なら△7二飛だろう。穴熊+袖飛車も島井女流二段の好きな攻勢スタイルだ。
私はとりあえず▲3四歩だが、飛車先を重くしたかもしれない。ここは▲3四銀からの銀交換もあったが、島井女流二段にカナ駒を持たせたくなかった。
が、△5一角に次の手はしくじった。

第4図以下の指し手。▲9七角△6四金▲7五歩△7二飛▲6六銀△8四角▲3三歩成△同桂▲3四歩△2五桂▲3三歩成△5二銀(第5図)

私は▲9七角と覗いた。△7六歩とは取り込めないからのちにゆうゆうと▲7五角と出ようと考えたが、島井女流二段は当然△6四金と進出してくる。これでも▲7五歩と取れるが、△7二飛▲6六銀△8四角で、下手は7五歩を守れなくなってしまった。こんなことなら▲9七角ではふつうに▲7五歩と取り、角は居角で使うべきだった。
私は右に目を転じて▲3三歩成だが、どのくらい効いているのだろう。

第5図以下の指し手。▲4四銀△7五金▲7七銀△7六金▲同銀△同飛▲7七歩△5六飛▲5七金打(第6図)

第5図で上手番なら△7五金からの大捌きだ。でも防ぐ手がないので、▲4四銀と出た。若干パッとしないが、歩切れを解消し飛車筋を通し、一手の価値はあると思った。
△7五金に▲同銀は△同角以下存分に捌かれる。私は▲7七銀と引いたが、島井女流二段は△7六金と追撃する。ここで▲8八銀も考えたが、さすがに危険だろう。▲7六同銀は仕方ないところで、△同飛に▲7七歩。1歩を補充した▲4四銀の顔が立った。
△5六飛には▲5七金と打ち、意外に下手が指せている気がした。

第6図以下の指し手。△5五歩▲4二と△3七歩▲2八飛△6一銀▲2五飛△3八歩成▲5三銀成(第7図)

ここで△5五歩と飛車を押し売りにきたのが島井流の一手。自玉が穴熊だからできる手でもある。▲5六金は△同歩で、次に△5七銀があり、下手はもちそうにない。
そこで▲4二とと寄ったが、この活用も大きい。△3七歩で飛車先を押さえられるが、▲2八飛と寄った手が桂取りである。
島井女流二段も手を探したが、△6一銀と辛抱した。私は▲2五飛の桂得から▲5三銀成と捌く。ただここは、▲5三角成だったかもしれない。

第7図以下の指し手。△4八と▲同金△5九銀▲5八金右△6八銀成▲同玉△6九金▲同玉△5七角成▲同金△同飛成▲6八金△5六歩(第8図)

ここで上手の攻め方が難しいと思ったが、△4八とが先手を続けるうまい手だった。
それでも▲6八同玉までとなって今度こそ一息つくと思いきや、島井女流二段は△6九金。
以下△5七同飛車成までずいぶん攻めこまれたが、実はこの折衝で下手が角銀:金金の交換でやや得となっている。私は▲9七角のあたりから形勢を悲観していたが、そうでもなかったようだ。
ここで▲5八金は、△7八金▲同玉△5八竜▲6八金となろうか。これでも玉が二段目に上がりよいと思ったが、私はひとつ隣の6八に打った。これなら△4八竜の一手?で、▲5九銀△4九竜▲5八角△3九竜▲7五角で竜を追い払えると思った。
島井女流二段は竜を持ったものの、△5六歩。またも竜を押し売りにきた。
次の手が明暗を分けたようだ。

(つづく)
コメント
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