10月30日は第42期女流王将戦第3局が行われた。第2局では室谷由紀女流三段が勝ったものの、最終的には奨励会三段の西山朋佳女流王将が防衛すると思われていた。ただし室谷女流三段も西山女流王将に通算で3勝2敗と勝ち越しており、それが拠り所だ。加えて、室谷女流三段に一度はタイトルを獲らせたい、という由紀ファンの思いがある。それがどのくらいの後押しになるのか。私も以前ほどの由紀ファンではないがそこはそれ、室谷女流三段の戴冠を祈った。ただ当日は無料の中継がなかったため、私はネット掲示板で状況を追った。
将棋は相振り飛車になった。先番の西山女流王将は美濃に囲ったが室谷女流三段は金無双だった。ここからごちゃごちゃした戦いになり、室谷女流三段が丁寧な指し回しで優位を築いたようだ。ただ素人的には、まだ逆転の要素が十分にあった。
終盤まで進み、まだ室谷女流三段が優勢。ただ西山女流王将も奨励会三段の肩書をチラつかせ、妖しい雰囲気を漂わせる。室谷女流三段も震えながらの指し手だったと思う。
第1図の▲3三桂成を△同銀と取ったのが躓きの元だった。▲同馬で馬がソッポに行ったようだが、△5四桂に▲1一馬(第2図)が必殺手。△同飛はもちろん▲9五香の1手詰だ。この瞬間AIの評価は、▲10:△90から▲99:△1に急落したそうである。
第2図から室谷女流三段は△7四金と逃げ道を開けたが、▲1二馬となってすべてが終わった。
ネットでは長時間の室谷女流三段の優勢で「室谷女流三段、女流王将奪取」のイメージができていたから、この急転直下には呆気に取られたようだ。ただどこかで、「由紀ちゃんがやらかすに違いない」という危惧もあったようである。
155手までで室谷女流三段投了。男性棋戦もそうだが、タイトルを獲ることは難しい。女流棋界でいえば、里見香奈女流四冠と西山女流三冠が君臨し、両巨頭から番勝負で勝ち越すことは至難の業だ。その中でも女流王将は三番勝負で、挑戦者が勢いで奪取できる目があった。今回の室谷女流三段がまさにそうだったのだが、大魚を逸してしまった。たとえは悪いが、せっかく勝ち得たお宝を横からふんだくられた気分ではなかったか。室谷女流三段の心中、察するに余りある。
ただ第1図、後手が大優勢とはいっても先手の囲いはまだ固く、下手をすると相入玉の目もある。私が後手を持ったら、まったく自信はない。
1日経って室谷女流三段は、改めて悔しさがこみあげてきたらしい。その悔しさがあれば、また将棋に精進する気持ちも起きるであろう。年齢も27歳とまだ若く、これからもっともっと強くなる。必ずタイトルに手が届くと思う。
将棋は相振り飛車になった。先番の西山女流王将は美濃に囲ったが室谷女流三段は金無双だった。ここからごちゃごちゃした戦いになり、室谷女流三段が丁寧な指し回しで優位を築いたようだ。ただ素人的には、まだ逆転の要素が十分にあった。
終盤まで進み、まだ室谷女流三段が優勢。ただ西山女流王将も奨励会三段の肩書をチラつかせ、妖しい雰囲気を漂わせる。室谷女流三段も震えながらの指し手だったと思う。
第1図の▲3三桂成を△同銀と取ったのが躓きの元だった。▲同馬で馬がソッポに行ったようだが、△5四桂に▲1一馬(第2図)が必殺手。△同飛はもちろん▲9五香の1手詰だ。この瞬間AIの評価は、▲10:△90から▲99:△1に急落したそうである。
第2図から室谷女流三段は△7四金と逃げ道を開けたが、▲1二馬となってすべてが終わった。
ネットでは長時間の室谷女流三段の優勢で「室谷女流三段、女流王将奪取」のイメージができていたから、この急転直下には呆気に取られたようだ。ただどこかで、「由紀ちゃんがやらかすに違いない」という危惧もあったようである。
155手までで室谷女流三段投了。男性棋戦もそうだが、タイトルを獲ることは難しい。女流棋界でいえば、里見香奈女流四冠と西山女流三冠が君臨し、両巨頭から番勝負で勝ち越すことは至難の業だ。その中でも女流王将は三番勝負で、挑戦者が勢いで奪取できる目があった。今回の室谷女流三段がまさにそうだったのだが、大魚を逸してしまった。たとえは悪いが、せっかく勝ち得たお宝を横からふんだくられた気分ではなかったか。室谷女流三段の心中、察するに余りある。
ただ第1図、後手が大優勢とはいっても先手の囲いはまだ固く、下手をすると相入玉の目もある。私が後手を持ったら、まったく自信はない。
1日経って室谷女流三段は、改めて悔しさがこみあげてきたらしい。その悔しさがあれば、また将棋に精進する気持ちも起きるであろう。年齢も27歳とまだ若く、これからもっともっと強くなる。必ずタイトルに手が届くと思う。