一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

上川女流二段に癒される(後編)

2021-11-27 23:29:45 | LPSA麹町サロンin DIS

第2図以下の指し手。▲3六銀△3二金▲4五銀△3五歩▲3四銀△2二角▲2五歩△4二銀(第3図)

上川香織女流二段が無雑作に△5三銀と上がった局面。私はチャンスと見て、▲3六銀と出た。「アッ……!」と上川女流二段がもらした。次にどうでも▲4五銀と出て、後手陣を攪乱する狙いだ。
「ちょっとオ、これマズイんじゃない?」
上川女流二段は固まってしまった。「大沢さんって、こういう鋭いところあるよねえ」
結局上川女流二段は△3二金と備えたが、私は予定通り▲4五銀。ただ▲3四銀△2二角と凹ましても、まだ難しいところがある。

第3図以下の指し手。▲2三銀成△同金▲2四歩△5六歩▲6六歩△5七歩成▲同金△5六歩▲6七金(第4図)

▲2三銀成は先に銀損するので指しにくいが、△5四飛と浮かれる前に一仕事しなければならない。
本譜△5六歩に、▲2二角成△同金▲2三歩成はちょっと違うと思った。▲6六歩と突いて交換を拒否。しかし△5六歩から再度の△5六歩で拠点を作られ、上手もポイントを稼いだ。

第4図以下の指し手。△3四金▲2三歩成△4四角▲3二と△5一銀▲2一飛成(第5図)

上川女流二段は△3四金と上がったが、やはりこう指すところであろう。私は▲2三歩成~▲2一飛成。これで銀桂交換まで駒損を縮小した。プラスこちらは飛車を成れたので、これで下手が有利になったと思った。

第5図以下の指し手。△3六歩▲5五歩△同角▲5六金△3七歩成▲同桂△3六歩▲4五桂△同金▲同金△5四銀▲同金△同飛▲4五金(第6図)

第5図で上川女流二段の△3六歩は意味が分からなかった。私は▲5六金と歩を払い、相手の手に乗って桂を捌く。上川女流二段のお手伝いで私は金桂交換の駒得になり、これは負けられないと思った。
△5四銀には▲同金と取って、△同飛に▲4五金のおかわり。これは私の勝勢となった。

第6図以下の指し手。△4四金▲5四金△同金▲3一飛△6四桂▲7七銀△4六角▲4二と△5七角成▲6八金△5六金▲5七金△同金(第7図)

△4四金に私は▲5四金と飛車を取る。「やっぱり飛車を取ったか」と上川女流二段が嘆息する。
▲3一飛は遅い攻めだが、受けなしの3手スキだ。
△5七角成▲6八金に上川女流二段は△5六金と繋いだが、私は▲5七金と馬を取り、これは勝ったと思った。

第7図以下の指し手。▲8六歩△6七金打▲8七玉△7七金▲同桂△6七金▲5一と△7八銀▲9八玉△7六桂▲6一と△8四歩▲7一と△8三玉▲7二銀△7四玉▲8三角△7五玉▲6五金△8六玉▲9六金(投了図)まで、89手で一公の勝ち。

ここで攻め合いにしてうっちゃられたら元も子もない。私は▲8六歩と懐を拡げた。
「一転受けに回るこの渋さ」と上川女流二段が言う。ああこの声、ハコヅメの戸田恵梨香によく似ていると思った。
△7七金には▲同桂。「桂馬で取るのか」と上川女流二段。そう、当然▲同角と取るところ、うっかり桂で取ってしまった。
しかし大勢に影響はなく、△8六玉。上川女流二段は「金を打て」と妙な念力をかける。しかし私は▲9六金。「▲8七金と打ってくれたら逆転だったのに」と、上川女流二段が投了した。

きょうは1局目で敗勢から必勝形になったが、それを詰まし損ね、痛い敗戦となった。
それを慮ってか、2局目は上川女流二段の緩め方がハンパなかったと思う。私はここ数ヶ月、灰色の生活だったから、きょうは上川女流二段に大いに癒された。
また機会があったら、上川女流二段に教えていただきたいと思う。
(おわり)
コメント
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