一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

タイトル戦の駒柱

2023-08-09 23:23:40 | 将棋雑記
第5期清麗戦第3局がきのう行われた。対局者は里見香奈清麗と西山朋佳女流三冠。
ともにきものでの対局で、きもの姿なら西山女流三冠の右に出る者はいないと思っていたが、里見清麗もなかなか似合う。実力、きもの姿とも互角。勝負の帰趨はまったく分からない。
そんな第3局は里見清麗の中飛車に、西山女流三冠の四間飛車。その後里見清麗が居飛車に戻し、対抗形のようになった。
この投了1手前、珍しく駒柱ができた。当ブログでは昨年の9月26日に、31手目にできた駒柱を紹介したが、今回の「駒柱の1手後に終了」というのも珍しい。だから駒柱もしっかり残っていた。

タイトル戦の駒柱も珍しいし、5筋に出現したのも珍しい。駒がぶつかっているのが1ヶ所しかないのも珍しいと思う。
「柱」には大黒柱、心柱など、どっしりした熟語はあるが、人柱という熟語もある。将棋界でいうと駒柱はあまり縁起がよくないらしい。むかし、駒柱ができた途端に投了し、駒柱を崩した棋士がいたという(河口俊彦八段「対局日誌」より)。
しかし個人的には、珍しさという意味で、縁起がいいのではないかと思っている。
本局の駒柱完成までの流れをザっと見ていくと、65手目、里見清麗が▲5九金寄として、5枚目が埋まる。
74手目、△5六歩の叩きに▲同馬と取って6枚目。
77手目、味よく▲5五銀と上がって7枚目。
82手目、△5三歩と合わせたところで8枚目。
そして88手目、飛車道を遮断すべく香を打って、駒柱が完成した。

念のため、5筋の駒数の推移を初手から記しておこう。

4455555556
6665556666
5666665555
5565555555
5555555666
6666666654
444455555
5556777
88888

こうした表示をしたのは、将棋界史上初だと思う。
清麗戦は、第4局以降も熱局を期待したい。
コメント
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