先日、「将棋世界」の最新号が送られてきた。きょう、中を開けてみる。将棋世界を読むのは久しぶりで、前回将棋世界の最新号を読んだ、というか開封したのは数ヶ月前だ。
まず、9月号の別冊付録は、「終盤力トレーニング・必至か、否か」。表紙に著者名が書かれていないのがアレだが、著者は元アマ竜王・金子タカシ氏である。金子氏はためになる著書をいくつも上梓していて、アマ強豪という枠では収まりきらない、将棋界の功労者である。
金子氏と私は将棋ペンクラブの会でよく顔を合わせるのだが、私が極度の人見知りなので、挨拶すらほとんど交わしたことがない。だけどお互いの名前は知っている、という妙な関係である。
この別冊付録をポケットに忍ばせ、時間があるときに解く。そうすれば棋力がアップすること請け合いである。
表紙は、王位戦で激闘を展開中の藤井聡太竜王・名人と佐々木七段。藤井竜王・名人だけの表紙だけでもいいところを、佐々木七段も持ってくるあたり、編集部も芸が細かい。
巻頭の読みものは、写真家・野澤亘伸氏による、久しぶりの「師弟」(前編)。今回は鈴木大介九段と梶浦宏孝七段のコンビ。コロナ前、新橋駅前では竜王戦と名人戦の無料解説会があった。大内延介九段が勇退したあと、その任務を引き継いだのが鈴木九段。そして駒操作にあたったのが、弟子の梶浦七段だった。
鈴木九段が梶浦七段にハッパを掛け、梶浦七段が恐縮する様が可笑しかった。今回の対談でも、その一端が披露されている。
そして2人の写真がいい。ANAの機内誌に出てきそうな写真で、さすがに野澤氏、プロの写真家だなあと思う。
グラビアは、里見香奈清麗のきもの姿(対局姿)が、極妻を想起させて美しい。西山朋佳女流三冠のそれも相当だが、今回のグラビアも、永久保存モノである。
第64期王位戦第1局は、渡辺明九段が解説担当で、語りつくす。渡辺九段のテレビ解説は定評のあるところ。今回はそれが活字になったということで、誌上実況により、「金子教室」ならぬ「渡辺教室」を堪能できる。
「リレーエッセイ」は、岩根忍女流三段。岩根女流三段は結婚18年になるとのこと。私は岩根女流三段のファンで、もし20年前に当ブログがあったら、ファンランキングの1位は岩根女流三段だった。いまはもちろん圏外だが。
村田顕弘六段は、「村田システムとは何だ?」の読み切り講座。村田六段は王座戦では残念だったが、藤井竜王・名人を追い詰めたことで、自身の著書は売れ、今回も講座の記述となった。多少は憂さが晴れただろうか。
勝又清和教授の、「プロも驚く仰天妙技」の不定期連載が始まった。今回は「毒まんじゅう」の話で、題材は、上の藤井竜王・名人VS村田六段の王座戦。勝又教授が藤井竜王・名人に終盤での読みの推移を綿密に取材していて、この労力だけで、870円の価値がある。
驚いたのは、大山康晴十五世名人の実戦譜を説く連載が始まっていたこと。今回が何と3回目で、解説は「三間飛車名局集」の著書もある、石川陽生七段。
今回は対加藤一二三九段戦で、大山十五世名人が不利になってからのごちゃごちゃした戦いが抜群に面白い。
令和になってからも、将棋世界では「大山」の名前が出ない号はなかったと推測する。そしてついに、実戦譜の連載である。大山十五世名人は、現在も生きているのだ。
なんとなくだが、読み物の記事の割合が多くなったと思う。タイトル戦がリアルタイムで配信される現在、遅れて編集される専門誌は時間的に分が悪い。そのハンデを補うためには、将棋世界でしか読めない記事を載せるしかない。それには読み物が最適というわけだ。
最近の私は心身ともに疲れて、将棋世界を読む余裕もないのだが、そんな時間を捻出できればと思う。差し当たっては、大山十五世名人の連載第1回と2回を読まなければ。
まず、9月号の別冊付録は、「終盤力トレーニング・必至か、否か」。表紙に著者名が書かれていないのがアレだが、著者は元アマ竜王・金子タカシ氏である。金子氏はためになる著書をいくつも上梓していて、アマ強豪という枠では収まりきらない、将棋界の功労者である。
金子氏と私は将棋ペンクラブの会でよく顔を合わせるのだが、私が極度の人見知りなので、挨拶すらほとんど交わしたことがない。だけどお互いの名前は知っている、という妙な関係である。
この別冊付録をポケットに忍ばせ、時間があるときに解く。そうすれば棋力がアップすること請け合いである。
表紙は、王位戦で激闘を展開中の藤井聡太竜王・名人と佐々木七段。藤井竜王・名人だけの表紙だけでもいいところを、佐々木七段も持ってくるあたり、編集部も芸が細かい。
巻頭の読みものは、写真家・野澤亘伸氏による、久しぶりの「師弟」(前編)。今回は鈴木大介九段と梶浦宏孝七段のコンビ。コロナ前、新橋駅前では竜王戦と名人戦の無料解説会があった。大内延介九段が勇退したあと、その任務を引き継いだのが鈴木九段。そして駒操作にあたったのが、弟子の梶浦七段だった。
鈴木九段が梶浦七段にハッパを掛け、梶浦七段が恐縮する様が可笑しかった。今回の対談でも、その一端が披露されている。
そして2人の写真がいい。ANAの機内誌に出てきそうな写真で、さすがに野澤氏、プロの写真家だなあと思う。
グラビアは、里見香奈清麗のきもの姿(対局姿)が、極妻を想起させて美しい。西山朋佳女流三冠のそれも相当だが、今回のグラビアも、永久保存モノである。
第64期王位戦第1局は、渡辺明九段が解説担当で、語りつくす。渡辺九段のテレビ解説は定評のあるところ。今回はそれが活字になったということで、誌上実況により、「金子教室」ならぬ「渡辺教室」を堪能できる。
「リレーエッセイ」は、岩根忍女流三段。岩根女流三段は結婚18年になるとのこと。私は岩根女流三段のファンで、もし20年前に当ブログがあったら、ファンランキングの1位は岩根女流三段だった。いまはもちろん圏外だが。
村田顕弘六段は、「村田システムとは何だ?」の読み切り講座。村田六段は王座戦では残念だったが、藤井竜王・名人を追い詰めたことで、自身の著書は売れ、今回も講座の記述となった。多少は憂さが晴れただろうか。
勝又清和教授の、「プロも驚く仰天妙技」の不定期連載が始まった。今回は「毒まんじゅう」の話で、題材は、上の藤井竜王・名人VS村田六段の王座戦。勝又教授が藤井竜王・名人に終盤での読みの推移を綿密に取材していて、この労力だけで、870円の価値がある。
驚いたのは、大山康晴十五世名人の実戦譜を説く連載が始まっていたこと。今回が何と3回目で、解説は「三間飛車名局集」の著書もある、石川陽生七段。
今回は対加藤一二三九段戦で、大山十五世名人が不利になってからのごちゃごちゃした戦いが抜群に面白い。
令和になってからも、将棋世界では「大山」の名前が出ない号はなかったと推測する。そしてついに、実戦譜の連載である。大山十五世名人は、現在も生きているのだ。
なんとなくだが、読み物の記事の割合が多くなったと思う。タイトル戦がリアルタイムで配信される現在、遅れて編集される専門誌は時間的に分が悪い。そのハンデを補うためには、将棋世界でしか読めない記事を載せるしかない。それには読み物が最適というわけだ。
最近の私は心身ともに疲れて、将棋世界を読む余裕もないのだが、そんな時間を捻出できればと思う。差し当たっては、大山十五世名人の連載第1回と2回を読まなければ。