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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2019年冬の北海道旅行・8

2019-04-20 00:07:32 | 旅行記・北海道編
観光案内所で時刻表をもらったので、帰りのバスの時間は把握している。店の近くにバス停があり、次は13時27分の「かっぱライナー」である。定山渓温泉のスタッフの女性が巡回していて、この便は空席があるから乗れる、と言った。
バスは1分遅れで着き、無事乗ることができた。車内ではかっぱライナーを宣伝する放送が何度も入ったが、「かっぱらいナー」と聞こえるのが面白かった。
14時25分、すすきの駅前で降りた。お次は「すすきの氷の祭典」の鑑賞である。旭川からの高速バスもそうだが、バスは観光地のピンポイントまで運んでくれるのがありがたい。
さて氷像はライトアップされた夜が美しいのだが、昼も鑑賞できればそれに越したことはない。
すすきののそれは旭川に比べ氷が平板なのだが、今年は立体的な造りが多い。すすきのも観光客が増え、その気合が氷に乗り移っているようである。
また場所柄、アルコール飲料のメーカーが多いのも面白い。そして、氷像の近い場所にタイトルの札が設置してあるのがいい。これなら、写真を撮った時に分かりやすいのだ。































ひととおり鑑賞したあと、まだ時間があったので、南3条西5丁目にある「まんだらけ」に行った。ここはヴィンテージもののマンガを置いていて、近年は毎年お邪魔している。
入店したが。今年はちょっとほろ苦い。昨年ここで購入した雑誌を、すでに持っているからと、翌日返しに行ったからだ。
同じ本を2冊持ってたっていいのに、もう1冊は本当に欲しい読者の手に渡ったほうがいいと考え直した。しかしそれで私はいくらか損したわけで、そのお人好しぶりに、アホと言うしかない。
その雑誌を見に行ったら、もう売れたのか、なくなっていた。これでよかったのだ、という思いと、返すんじゃなかった、の思いが交錯した。

3時40分ごろ、大通公園に着いた。Natsuki&ブライトサッポロのゴスペルライブは、16時30分から7丁目で行われる。
4丁目の「初音ミク&戸山香澄」は、出入口に覆いがされていて、中が見えない。
3丁目はHTB PARK AIR広場で、「白い恋人PARK AIRジャンプ台」。おなじみ、スノーボードやフリースタイルスキーだが、私はプレイヤーが事故を起こすのではないかとハラハラして、見る気になれない。
2丁目は、中雪像の雪だるまに雪玉を投げて遊ぶゲームが展開されている。もうひとつはMirai yuki広場で、のっぺらぼうの中雪像がある。手持ちのスマホに専用アプリをダウンロードすると、中雪像の初音ミクが見られる仕組みらしい。
だが私はダウンロードなんて面倒臭いことはしたくないので、先を急ぐ。
1丁目はJ:COMひろばで、スケートリンクが併設されている。ここは18時からチアリーディングとキューバダンスがある。これも楽しみだ。
ここで折り返す。
2丁目の雪まつり公式グッズ売り場に、宮宗紫野女流二段によく似た売り子さんがいた。絵ハガキを買うのはここにしようと思うが、とりあえず保留する。
ただ、値段が540円になっていた。絵ハガキはこの30年値段が変わらない優良商品だったが、ついに40円加算された(ただし数年前から、ハガキ枚数は20枚から16枚に減った)。
5丁目サントリーBOSSブースでは缶コーヒーを配っており、ありがたく戴いた。「俺の微糖」は、荒挽き、深煎りでグッとくる。香り高くて、美味かった。
7丁目に着いた。Natsukiさんらはリハーサルの最中だった。今年も100人近くいそうである。
16時30分になり、ライブ開始。私は2年振りの鑑賞である。今年はNatsuki以下、101人の参加だったそう。みな、白のダウンジャケットに青のマフラーがよく映えている。
まず、「We Shall overturn」を歌う。続けて「虹と雪のバラード」。後者は札幌オリンピックのテーマソングで、私の中ではさっぽろ雪まつりにおける、副テーマソングの位置づけである。この曲を聴くと、いつもうるっときてしまう。
黄昏時で、ライトアップされる。3曲目は「Shabach! Hallelujah」。4曲目は、曲名を忘れた。そして最終5曲目は「Oh Happy Day」である。これは映画「天使にラブソングを2」の挿入歌で、「Joyful Joyful」と並び、このステージでの定番である。
チームは時間いっぱいまで歌ってくれ、その歌声に感動した。













チアは18時からなので、11丁目まで行ってみる。初音ミク雪像もライトアップされている。ここはミクファンの若者らが音楽に乗ってはじけるのが名物である。今年もそれが鑑賞できればうれしい。
引き返し、5丁目にちょっと目を惹く雪像がある。カウガールの少女なのだが、広瀬すずに似ていないこともない。あれが広瀬すずとして、北海道関連のドラマか何かが進行しているのだろうか。













ちょっと早いが、1丁目に着いた。J:COMのミニステージではリハーサルが行われていて、ガタイのいい男女がキューバダンスを踊っていた。
18時になり、司会のおねえさんが登場した。「J:COMジモステLIVE!」の最終日は文化祭編。先ほどのキューバダンサーと、札幌国際大学チアリーディング部のチアが登場した。
もはやあらゆる意味で健康的だが、チアは5人。昨年は7人いたから、ややパワーダウンだ。
長くは待たせず、チアが始まった。
……あれっ? 先にチアということは、さっきキューバダンスの前に、チアのリハーサルもやったんじゃないのか?
ゴスペルのリハーサルは見に行くのに、チアのそれはうっかりする。この底抜けが私のアホなところだ。
さすがにチアで、手足を伸ばしてジャンプしているだけで絵になる。
私と同様チア好きの観光客もいて異様な熱気が漂うが、もう少し観客がいてもいいと思う。
1曲終わると、次は「YMCA」である。また振り付けがコーチされ、私はバツが悪い。
YMCAが始まった。そういえば昨年は、チアがハイキックする場面があったが、今年はそれはないようだ。
チアが終わり、キューバダンスが始まった。さっきのチアはなぜか客席側にいて、しかも客席スペースなんていくらもないから、私のすぐ近くにいる感じだ。
するとあろうことか、ダンサーがステージを降りて、チアと踊りだした。それはそれで面白いのだが、テレビカメラも彼女らを追い、私がチラチラと入ってしまう。
J:COMはローカル放送だろうから構わないが、これが50歳代のオッサンの正常な姿とは思えず、穴があったら入りたくなった。
30分の放送終了後も、観客用にプチコーナーがあり、私は満足。来年も、ゴスペルやチアが楽しめればうれしい。

















(つづく)
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2019年冬の北海道旅行・7

2019-04-19 00:10:15 | 旅行記・北海道編
明けて11日(月・祝)。今日は夕方に大通公園でゴスペルとチアのライヴがあるので、それまでは自由行動である。よって、ちょっと遠出したい。
それで前夜にいろいろ考えた末、定山渓温泉に行くことにした。
定山渓温泉は札幌から南に26キロ行ったところにある温泉街である。もちろんバスが通じており観光にはうってつけだが、私はこれまで、訪れたことがなかった。
定山渓にはかつて、森林鉄道や民間鉄道(定山渓鉄道)が通じていた。しかし前者は1967年、後者は1969年に廃止された。すなわち今年は定山渓鉄道廃止50年にあたる。伺うにはちょうどいい機会だと思った。
朝は早めに起きて朝食を摂る。無料で摂れるのはありがたいが、飲食スペースが狭いので、それなりの争奪戦はある。無料は無料で大変なのだ。
ホテルをチェックアウトして、札幌駅前バスターミナルに向かう。札幌駅はJR北海道の一大拠点だが、バスターミナルからも各地に行けるので、こちらのニーズも高い。
定山渓行きの窓口に行って切符を求めると、往復バスに温泉街での入浴券がついたセット券を勧められた。2,000円で、定山渓温泉の往復は1,540円だから、温泉利用者は確実にトクをする。これを買った。
が、09時30分発の「かっぱライナー号」は満席だった。これは前日午後5時までの予約が必要で、それはうっすらと認識していたのだが、当日でもラクに乗れるとフンでいたが甘かった。
乗り場には今も外国人が列を作っているが、ここでも外国人に占拠されてしまったようだ。だが、インバウンド消費があるのはありがたいことだ。私にはまったく関係ない話だけれど。
かっぱライナーが出発し、次は10時発だが、09時35分発の普通バスは10時発より早く着くとのことで、そちらに乗った。
バスは国道230号を走る。この近くに定山渓鉄道の鉄路があったはずだが、それは国道に呑み込まれてしまったのか、あるいは1本中に入った道にあるのか、いずれにしても、痕跡を見つけるのは難しい。
今日もいい天気だ。バスは緩やかに傾斜地を登り、定山渓に入った。そして鳥居の見えるバス停で、多くの観光客が降りた。私は終点まで乗り過ごすつもりである。
バスは小道に入り、ぐるっと大回りしてまた国道に出た。10時58分、終点・定山渓車庫前着。ここまでの乗客は私だけだった。
車庫内にはバスが数台並び、この空き地がいかにも定山渓駅跡っぽいが、それらしい案内がない。となれば、廃線跡探訪はこれで終了である。
残る目的は温泉だが、どこに入ればいいのか。
1日乗り放題きっぷには、「くわしくはパンフレットをごらんください」と書いてあるが、窓口でそんなものはもらわなかった。
どんな仕事も惰性でやっていると、どこかで手抜きがでてくるものだ。オバチャン、しっかりしてくれよ。
私も就職したら自戒したい。
国道を戻ると、観光案内所があった。入って、パンフレット一式をもらう。念のため定山渓鉄道の痕跡を聞くと、ない、とのことだった。
「あそこの○○ホテルの裏側の駅舎があったあたりに、今は石碑があるだけです」
と係氏。その場所もここからではよく分からないので、向かうのは止めた。
小道を引き返すと、そこはすり鉢状になっていて、先ほどの鳥居前にはすぐ着いた。ここで観光客が降りたのだから観光地のはずだが、神社はまだ奥にありそうで、私は登っていく気力がない。一瞥して、また引き返す。
湯の滝、という小公園に入る。あたりには小川が流れているが、これが近くの豊平川にそそぐのだろうか。「美泉定山之像」なるものがある。案内を読むと、美泉定山は岡山の出で、病に悩むアイヌ民族を、ここの湯で治そうと努めたらしい。ということは、定山渓は人の名ということか?
近くに温泉まんじゅうが売られていたので、中に入ってみる。むかしある観光地で温泉まんじゅうを1個所望したら、箱売り専門で、断られたことがあった。
それを見かねた地元客が1個おすそ分けしてくれたのだが、まあそんなわけで、私は温泉まんじゅうを買う時、慎重になる。







店のおばちゃんに聞くとバラ売り可で、しかも@65円だったので、2個買った。ついでにオススメの立ち寄り湯を聞くと、「ほらそこ」と、近くにそびえる「定山渓万世閣ホテルミリオーネ」(1,500円)を勧めてくれた。
ただし営業時間が12時からで、まだ時間がある。入泉料に関係ないならと「定山渓ビューホテル」(1,600円)も勧めてくれた。
この2つは、観光案内所でもらった日帰り入浴施設一覧表のトップに載っていた。それで、ビューホテルに行った。
ホテルは巨大でビックリした。受付を済ませ、新館16階に上る。客室はどこも広く、私が泊まるビジネスホテルとは大違いだ。これは私が来るところではないと思った。
大浴場の入泉料は高いと思ったが、水の王国「ラグーン」(プール)も利用できるらしい。もっとも、私はそちらはパスである。
脱衣所を抜けると、階上の露天風呂に繋がる螺旋階段があったが、まずは室内である。
大風呂は私しかおらず、貸し切りだった。頭と体を洗って湯船につかると殿様気分になったが、湯船が若干深い。つまりそのまま腰を沈めると、おぼれる深さだ。立膝になってちょうどいいくらいだが、その入り方はちょっとおかしいと思う。設計者は、客がどの態勢で入るのをベストとして作ったのだろう。
露天風呂を愉しもうと階段に行くと、看板が立っていた。何と、12時30分から女性専用で、上がれなくなっていた。まったく気付かなかったが、露天風呂は男女交代制だったのだ。
これなら最初から露店風呂に行っとけば……。私の人生、手順前後の失敗がよくある。そして、物事を軽視することもしょっちゅうだ。私の半生、感想戦をやったら、悪手の連続だろう。結局私がバカなんだと思う。
窓から眺める定山渓の街並みは綺麗だった。



広々とした休憩室で一休みする。今宵の宿を決めたいが、東横INNのHPを見たら、「札幌すすきの南」に空きがあった。禁煙室3,840円はお値打ちで、予約した。これで最後の宿も決まり、一安心である。
さて昼食を摂りたいが、ホテルの前に「紅葉亭」という和食処があったので、入る。
昼時だったが、店内は広いので、私は余裕で座れた。私は定番の大もりを頼む(700円)。
店内には外国人が多く、また一家族入ってきた。
外国の方が店の人に注文をするが、店の人は英語が堪能ではないようだ。それで別の日本人客が、通訳を買って出た。私が表を歩いていて必要と痛感するもの、それは地理と英語である。とくにこうした場に遭遇する時、私はおのが無学を恥じる。
外国人客に注文の品がきた。食べる前にスマホで写真を撮るのは、いまや常識であろう。
日本料理は、盛り付けが美しいのも特徴のひとつだと思う。食べたら同じなのに、盛り付けに工夫する。ここに日本人の美意識がある。
私の大もりは更級で、蕎麦は細め。つゆは若干辛めで、喉越しがよかった。ただもう少し、蕎麦に香りが感じられると、なおよかった。
(つづく)
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2019年冬の北海道旅行・6

2019-04-18 00:37:23 | 旅行記・北海道編
札幌駅前地下歩行空間(チカホ)を通る。ここは暖かく、いろいろ賑やかだ。まさにひとつの都市で、私はここを通るたび、ウルトラセブン「ノンマルトの使者」「あなたはだぁれ?」等を思い出す。
まだ昼食を摂ってないのでどこかに入りたいが、松屋に入るわけにもいくまい。案内板を見ると「杵屋」はあったが、場所がよく分からない。とにかく、小樽に急ぐことにした。
16時28分のいしかりライナーに乗る。札幌-小樽はJR北海道の数少ないドル箱区間で、車内は人が多い。そして外国人が過半数を占めている。
ただし私は、小樽の手前の南小樽で下車する。この辺りから、常人と行動パターンが違ってくるのだ。
南小樽駅前には、「砂場」があった。砂場は日本蕎麦で著名な屋号だが、それがここ小樽にもあるとは意外である。
入店すると、店のオバチャンが新聞を読んでいた。まあ、この時間帯の来客が珍しい。
定跡通り、大もり(770円)を注文する。壁を見ると、俳優・大滝秀治がこの店に来た時の写真が貼られていた。「僕は第九を指揮した」の揮毫がある。何かのロケがあったのだろう。
奥の壁には「二八そば」の表示があった。私も十割蕎麦より二八のほうが好きである。
出された大もりは蕎麦が太くこしがあり、香りも高く、美味かった。770円の出費は小さくないが、これは納得で払えた。
時刻は5時半前だが、冬の陽は短く、辺りはすでに暗い。メルヘン交差点に降りると、多くの観光客でごった返していた。もちろん、過半数が外国人である。
ここから小樽運河へ向かう。途中、LeTAOがあったので、入る。ここはスタッフさんが試食のお菓子を供してくれるのだが、今回はもらい損ねた。
何かチョコを買おうと思ったが、自分用と思うと虚しくなり、購入を見合わせた。









小樽運河に着いた。「小樽雪あかりの路2019」のメイン会場といえよう。想像したより観光客はいなかったが……いやいややはり、人はいる。
小樽運河は右手に倉庫がならび、綺麗とはいえない運河が流れているだけなのだが、運河に浮かぶガラス玉と、運河のカーブがいい味を出して、絵になるのだ。当然みな、パチパチ撮っている。しばらく待つと欄干に隙間もでき、私も何枚か撮れた。
左手の遊歩道には、市民手作りのキャンドルが並べられている。この手作り感が何とも温かく、私たちは足を止めては、見入ってしまうのだ。













小樽運河を反対側から眺めたあと、お次は旧手宮線の散策だ。「メイン会場」という意味では、こちらが相応しいかもしれない。
旧線路上に、いくつもの制作物が並んでいた。そのデザインはオリジナリティにあふれ、より幻想的である。観光客はあっちこっちでスマホを構え、私はぼぅっと歩くのさえ憚られる。
先に進むと、焼き餅や焼きジャガイモ(の一口サイズ)を無料でくれるサービスをやっていた。
人は無料になると、とりえず貰いたくなる習性がある。私もいただきたいが、もらい損ねた。
順路には一部迷路みたいなところもあり、歩いていて楽しい。このイベントは、毎年新しい工夫がある。
大通りを挟み、向こう側にも旧線路は続いている。もちろん渡ると、そこは例年通り飲食店があり、食事スペースも設けていた。
昨年は時間がなく失礼させていただいたが、じゃあ時間がある今年はどうかというと、やはりパスした。やはり食事は、しかるべき店でゆっくり摂りたい。
とりあえず引き返し、先ほどの焼き餅をゲットしに行く。今度はタイミングよく貰うことができた。
美味い! 無料の飲食物はなぜこうも美味いのだろう。















さて、夕食にしようと思う。小樽に来たら寿司で、さすがの私もここではそれなりの出費を覚悟している。
寿司屋通りに行き、そこから少し外れた通りに入る。昨年に続いて「幸寿司」の前に来た。しかし寿司の値段が店頭に表示されておらず、今年も入店を見合わせた。
かつてこの店に入った記憶はあり、値段もリーズナブルだったのだが、大昔に青森駅近くで、似た状況でエライ目に遭ったことがあるので、そこは慎重になってしまうのだ。
昨年入った店を探す。迷いに迷って、ようやく見つけた。「海月」。そう、こんな名前だった。
だがのれんをくぐると、「満席です」の返事。
観光は将棋と同じで、思いもよらぬ展開が待っていることがある。まさか満席とは思わなかった。
食事処を求め、アーケード街に行く。ちょっとトイレに行きたくなったが、ちょうど「お休み処」を見つけた。あ……これ?
入室して驚いた。以前何度か入った、蕎麦屋だったのだ。しかし廃業しており、内装はそのままに、無料休憩所として解放したわけだった。廃業は他人事ではないので、いたたまれない。
私はトイレを借り、スタッフの女性に言う。
「ここ懐かしいなあ。ここ蕎麦屋でしたよね? 私観光で来てましてね、ここは何度か入ったことあるんですよ。だけどここ何年か見当たらなくて。休憩所になりましたか」
「……? はい」
私は礼を言い、表に出る。すると、「石川屋さん、休憩所になったんだ」と、地元の人がつぶやきながら通って行った。
しまった……。この店が昨年まで営業していたのなら、私は難なく見つけられたはず。それが分からなかったということは、単に私が場所を勘違いしていただけなのだ。さっきの私の言葉に、スタッフさんが曖昧な返事をしたのは、そのためだった。



何だか疲れてしまった。小樽での食事はやめ、札幌に戻ることにする。普通電車に乗り、20時41分、札幌に着いた。
夕食はホテルまでの道の中途で、と考えていたら、なかなか店がない。そのうちホテルに着いてしまい、私はその手前のコンビニで、おにぎりを2つ買った。
東京では暴飲暴食をする身だが、旅先では質素な食事になってしまう。計画性がないから、こうなるのだ。
東横INN札幌駅南口にチャックインし、部屋のドアを開けると、ムッとイヤな臭いがした。喫煙ルームだから仕方ないが、やはりタバコの臭いは取り切れていない。でも禁煙ルームが取れなかったのだから、仕方ない。
シャワーを浴びた後は適当に日記を付けて、おとなしく就寝した。
(つづく)
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2019年冬の北海道旅行・5

2019-04-17 00:05:24 | 旅行記・北海道編
(10日のつづき)
10丁目はUHBファミリーランドで、「白いスター・ウォーズ2019」である。雪像は精巧に造られているのだろうが、私はスター・ウォーズに興味がないので、感動がない。
それよりも中雪像のカップヌードルの方に食指が動く。
昨年はカップヌードルが横倒しされたデザインだったが、今年は正調の直立。それもよかろう。
11丁目の国際広場は、もちろん「国際雪像コンクール」である。純粋に雪像の出来を愉しむならここで、「なよろ雪質日本一フェスティバル」に引けを取らぬ力作が揃う。
その先には、雪ミク(初音ミク)の小雪像がある。今年は「プリンセス」がテーマになっている。雪像は3頭身でかわいらしい。この、3頭身でも8頭身でも同じキャラ、というのは漫画家・たがみよしひさの作品でも観られるもので、斬新な構想である。



その傍らのオフィシャルグッズ売り場では、長蛇の列ができていた。初音ミクの人気があるのは分かるが、入店するのに列に並ぶなんて、私にはできない。そのまま先を急ぐ。
12丁目は市民の広場だ。ここは毎年出展者が固定されているので、見覚えのある雪像も見受けられる。このデジャヴ感もまたよしである。
ここで大半の人は引き返すが、私はそのまま直進する。すなわち、札幌市資料館への入館である。
1階の小部屋では、ツララの研究をしているふうの部屋があった。学生らしきスタッフさんに聞くと、かなりマジメな研究らしい。
2階に上がり、「乞望さんのほほえみ地蔵展」に入る。ここは毎年新作が入荷されていて、絵はがきの文面を読むだけでも楽しい。
私はいろいろ拝見したが、

「病得て しみじみ かみしめる 幸せの味」

に感銘を受け、これを購入することにした。
「今年も案内ハガキをいただき、ありがとうございます」
と私。
「あらそうですか、そのハガキは今お持ちですか?」
「あ、いや置いてきちゃいました」
どうもそのハガキを持参すれば、景品をもらえたらしい。だがスタッフさんは、それでも私に景品をくれた。それがクリアファイルで、たかだか150円の買物をしただけなのに、申し訳ない。
ところでスタッフさんによると、ここでの営業は今回が最後になるという。この資料館が来年耐震工事を行うことになり、利用禁止となるからだ。
私はルーティーンのひとつがなくなり淋しいが、何事にも別れがあり、やむを得ないのかもしれない。
続いて、「ゆきみどり」の部屋に入る。ゆきみどりさんは変わらず健在だった。人間は不思議なもので、私のように毎年薄毛がひどくなっていく人もいれば、みどりさんのように変わらない人もいる。とくに私の凋落はひどい。
みどりさんとの再会を祝い、ローカル線談義などに花を咲かせる。頃合いを見計らって、ここでも1枚絵はがきを買う。しかしレジにいるみどりさんがなかなかおつりをくれない。もらったら私が部屋を出てしまうからで、まあ私も今日は時間的余裕があるからいい。
「ゆきみどり」は来年もう1回、ここで開けるそうだ。私も来られればいいが、来年どうなるかは私自身も分からない。
「創作わら細工のふじやま」にも入る。ここと奥のギャラリーは地元ちびっ子の展示会はあったが、消えていた。店の旦那とは昨年も話したので、今年も声を掛ける。
さっきもそうだが、最近は他人と会話をする機会がないので、ちょっと不思議な感じがする。
そうそう、今宵の宿である。例によって、東横INNのHPを観てみる。しかしトップページに「川口駅前OPEN!!」の掲示があり、やや旅情が削がれる。このホテルなら先週、その前を通ったのだ。ネットは距離関係をおかしくさせる。
札幌駅南口に1部屋空いていたので、予約した。「喫煙シングルで4,720円」は私の辞書にはないが、この時期贅沢は言えなかった。



再び雪像鑑賞に戻る。9丁目の話題の人の雪像は、「大坂なおみ」だった。なるほどの人選である。期待に違わず、今年もそっくりだ。観光客にも人気があり、記念写真の列が途切れない。
チコちゃんの雪像もあり、これは予想されたところである。





おおそうだ、ANAの帰りの飛行機の件があった。こちらも、12日夜の便に変更した。
どうもANAの思惑に乗った感じもするが、明日夜の飛行機が遅れて、またタクシー利用なんていうことになったら面倒だ。もう9,690円も使いたくない。
7丁目のヘルシンキ大聖堂では、女性歌手が、リハーサルみたいなものをやっていた。これは本番を聴いてみたいが、そこまで待つ余裕はない。



7丁目の中雪像は「刀剣乱舞-ONLINE-」。女性は刀を持つと妖しく微笑む。それを私は以前、熊本の資料館で観た。
6丁目は市民・食の広場。ここで売られているものは美味いに決まっているのだが、どうも買う気が起こらない。ここで食すなら、暖かい場所で座って食べたいのだ。
北方領土署名コーナーがあったので、記帳する。これも31年間欠かさず行ってきたが、「数の力」の効果はあるのだろうか。
アレッ? そういえば今年も、「緑効青汁」の試飲コーナーがない。あれを飲みながら体を温めるのが定跡だったのに……。
5丁目西は、毎日新聞氷の広場。「台湾-玉山と高尾駅」である。これも精巧に造られて綺麗だが、氷像はライトアップされたほうがよい。
5丁目東は、道新雪の広場。ここは新聞社対決ということか。大雪像は「北海道を駆ける!サラブレッド」。馬の疾走する姿がよい。
そしてそのステージには、コスプレらしきイベントをやっていた。もう歌は終わってしまったようで、セーラームーンっぽい恰好の女子が2人いる。司会は男女でコスプレをしているが、あの女性のチャイナドレスは、かなり短くないか?
折よくいやらしい風が吹いてきて、そのたびにドレスがめくれ上がる。まさかこんなところでエロスに遭遇するとは思わなんだ。



次の3人組歌手が登場した。それぞれの衣装から伸びる脚が細い。固定のファンがいるようで、辺りは異様な興奮状態である。ちなみに私はこの雰囲気が好きである。







彼女らが去り、入れ替わりにチャイナドレス嬢が登場する。彼女は鈴木奈々に似ている。再びいやらしい、いやありがたい風が吹き、ドレスがめくれる。もう、彼女にずっといてほしい!
今度は5人組の歌手が登場した。レッド、ライトブルー、ピンク、イエロー、ブルーの衣装がカラフルだ。5人は縦横無尽に動き回り、元気いっぱい。
マイクのコードが絡まって、途中でほぐす、という一幕もあったが、隙間風吹く私の心に、一服の癒しをくれた。



















4丁目は、行きでも観たが、STV広場「Hard Rock Family Live~初音ミク&戸山香澄on Snow Stage~」である。ここは8頭身の初音ミクということだ。
これで本日のさっぽろ雪まつり観光は切り上げ、これから小樽である。
(つづく)
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鈴木九段と梶浦四段の新橋解説会(第77期名人戦第1局の4)

2019-04-16 00:08:24 | 将棋イベント

会場は豊島将之二冠の指し手を待っている。
「▲8一飛の他には▲7二飛もありますね。しかしこれは△同金▲4二歩成に△6一玉でダメ」
と鈴木大介九段。やはり▲8一飛が有力である。
「糸谷(哲郎)八段とか離席が多いですよね。私もかなり多いんですよ」
もう話すこともないので、鈴木九段が雑談を始めた。「私が勝勢の時に、相手に逆転の手とか指されたらビックリするじゃないですか。盤見てるのが恐いんですよ。考えてもみない手を指されると、森内九段みたいに飛び上がっちゃうんですよ。
だけど席を離れていて、戻ってきて指されているなら、驚きが少ない」
梶浦宏孝四段「私は席を離れる気にはなりません。(でも勝ちになったら)席を外します」
梶浦四段も「中原流」はやるわけだ。
鈴木九段「まあ▲8一飛で投了と思いますね。でもそう指さないかもしれないし。ヒトの指し手は当たらないんですよ」
将棋はそれだけ手が広いということである。
そこに「▲8一飛と指しました」と、藤森奈津子女流四段が告げた。
「これで決まりですね」
すぐ抽選会が行われたが、正解者多数。男性3人に当たった。鈴木九段は、なるべく女性に当たるよう祈って解答用紙を引くらしいが、今回は叶わなかった。私も外れた。
「今の将棋界は、誰が三冠を最初に獲るかなんですね。私は広瀬(章人)竜王と思ってたんですが、棋王戦で負けちゃった。
今回の名人戦は、佐藤(天彦)一冠対豊島二冠の対戦と思っています。佐藤名人は前年度勝率6割越え、銀河戦も優勝しているんですけど、今期の挑戦者も強い。豊島二冠が奪取すると三冠ですね。
梶浦君も勉強してよ。勝ち方知らないみたいだし」
「勉強します」
梶浦四段も十分強いのだが、相手が師匠では、タジタジだ。
話は高見泰地叡王に移る。「高見叡王は、渡辺(明)さんが竜王戦に初登場した時とイメージがダブるんです。あの時は竜王が森内(俊之)九段で、予想では森内4勝0敗とも思われていた。
だけど渡辺さんが奪取して防衛して、力を付けていきました」
とはいえ今期の叡王戦は、高見叡王が第1局を負け、相当苦しいと思うのだが……。
「さて▲8一飛に△7一銀は▲同飛成△同金▲4二歩成△6一玉▲6三成桂でしたね。ここで△7二金ならどうしますか」
「▲6二銀(参考7図)」

すかさず梶浦四段が答えた。
「おお! 梶浦君強くなったねー。△6二同金▲5二角成△7一玉▲6二馬△8一玉▲7二馬△9二玉▲8三金まで。最後▲8三金で▲8二金は、△同角でいけません」
また解説のネタがなくなり、叡王戦の台湾対局の話になった。梶浦四段はその時の、記録係だったらしい。
「梶浦君はパスポート持ってなかったんだって?」
「はい。でも1時間くらいで作ってもらいました」
「今はできるのが早いんだねー。でも5年有効のにするのが消極的だよな。10年有効のにすればいいのに」
「連盟の経費でそれはできません」
梶浦四段のマジメな人柄が垣間見える。
台湾には鈴木九段も常務理事として同行したが、いろいろ笑い話があったようだ。中でも「三浦フトン事件」が出色らしいが、鈴木九段らは「またの機会に」と、話してくれなかった。
「私も引退したら中国へ麻雀を打ちに行きたいんですよ」
と鈴木九段。その話もまだまだ先だ。
「投了しました」
と藤森女流四段が告げた。会場の緊張が一瞬緩み、そこかしこで拍手が鳴った。

第11図以下の指し手。▲8一飛(投了図)
まで、73手で豊島二冠の勝ち。

「じゃあ軽く本局を振り返りましょう」
2人は局面を序盤に戻す。
「(▲3六歩に)ここで(△7六飛と)横歩を取るのが流行ってるんですね。
それで△7四飛(A図)とぶつける。ここで梶浦君ならどうするの?」

「▲同飛と取ります」
「ボクはそう指せないんですよ。▲3五飛と逃げちゃう。▲同飛は相手の術中に陥る気がして。だから飛車もぶつけない。
あのー、飛車は交換するものじゃなくて、切るものなんですよ」
何だか中田功八段もそんなことを言っていた。久保利明九段や菅井竜也七段も、よろこんで飛車を切るイメージがある。これが振り飛車党のココロなのだろう。
「△8六歩に▲6五桂は、△8七歩成▲同金△8九飛▲8八角です。それで▲8八歩に△6四角と打ったと。
この辺りはコンピューターが指したんだよね? ここは、考えて同じ手を指すにしても、コンピューターが指したという知識があるほうが有利です。メンタル的に、不安にならない。
そして△8二銀ですよね。これが、勝てば勝着、負ければヒドイという手でした」
「コンピューターはここで、△2四飛成でした」
と、梶浦四段が情報を開示した。
「私は、2年前だったら△3五歩と指してますね。だけどそれは後に▲4五桂がある。△3五歩▲6五桂△6四角▲4八金の進行かな。もう▲4五桂と跳ばせてしまったら(私は)引退ですよ」
鈴木九段の弁舌は冴えわたる。「そして▲5九銀(B図)がいい手。これでもう後手が悪いでしょう。ここで梶浦君ならどう指す?」

「△3一金でしょうか。でも▲2三桂と打たれちゃいますか」
「▲2三桂△3二金▲1一桂成? ここで言っときましょう。1一に成香とか成桂があって、勝った人はいません。勝率2割減」
これは、鈴木九段の新説が出た。「これは本当です。今まで10万局の記譜を並べてきた私は言うんだから間違いありません。例えば1一に成桂がいて▲2一飛と打つ。これはダメです。こう指すくらいなら、▲1二成桂~▲2二成桂と活用したほうがいい」
なるほど、私も角落ちの下手で▲8三桂と打って隅に成るのが好きだが、幸せになった試しがない。
「そして△2六歩(C図)ですね。名人の勝負手だったけど、敗着でしょう。この手、蒲田ではどうなんです?」

「ノーコメントで……。でも、桂が跳ねてくるのを狙っている将棋なんですね」
「竜角交換後の△4四歩(D図)が辛い手でしたね。▲4五桂を防いだ手だけど、それでも何かの時に▲4五桂があるんですよ。△同歩は▲4四桂がある。今はその桂がないけど、その桂は2一にある。つまり後手は2一桂を取られてもマズく、玉が2つある状態になっちゃったんです」

この場合の玉はライフではなく、危険な存在、ということだ。「▲3四角に△5一玉が敗着でしょう。やっぱり△4三桂だったかな。今頃感想戦では、ここをやってますよ」
何だか敗着がいっぱい出てくるが、佐藤名人が精彩を欠いたということか。だが私のようなアマチュアから見れば、豊島二冠の指し回しが見事に思え、こちらを讃えたい。
「そして▲5五銀ですね。佐藤名人は、知ってました、と言うかもしれないけど、やはり厳しかった。そして▲5三桂成ね。私は▲5三桂不成が第一感だったんで、これを次の一手にしたらあぶなかったですね」
でも私は▲5三桂成を予想したので、私はこちらを次の一手にしてもらいたかった。
以上、鈴木九段、梶浦四段、藤森女流四段の解説が終わった。お三方とも本音のトークで、とても楽しかった。ありがとうございました。
第2局の解説会はお休み。よって次回は第3局2日目の5月8日(水)となる。
私は行きたいけど、行きたくない。
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