付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ヒトミ~グランプリからの風」 矢沢翔

2009-09-10 | スポーツ・武道
「私は風を受け止めているときが好き。なにか、こう、自分が鳥になったみたいで、気持ちが良くて」
 そういう人はライダーになります。

 夏休みに旅行に出かけたオランダで、高校1年生の瞳はダッチTT、世界グランプリに連れて行かれる。それが彼女とモータースポーツの出逢いだった。
 やがて未熟なロード・レーサーである輝明と付き合うようになった瞳は……。

 最初に講談社の新書ノベルスから刊行されたのに、いつの間にか講談社X文庫ティーンズハートになっていて、続編の『テルアキ~風のチェッカーフラッグ』もX文庫から刊行されて男性には手を出しにくくなったシリーズ。
 ちょうど『バリバリ伝説』を読んでいた頃で、バイクものは登場人物が事故で死なないと話が盛り上がらないのか!?と怒った記憶もあります。若かったなあ……。

【ヒトミ】【グランプリからの風】【矢沢翔】【バイク】【江口寿史】【サーキット】【熱い風】【カタナ1100】
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「手焼き煎餅の密室」 谷原秋桜子

2009-09-10 | ミステリー・推理小説
「探偵に最も必要とされる資質は自信家であることだ」
 水島啓輔の言葉。

 岩崎麻耶は成績優秀にして親が大金持ちという学校一の有名人。しかし、彼女が学校の思うほど品行方正ではないことを藤代修矢はよく知っている。
 今夜も修矢は麻耶に誘われて、夜の学校に忍び込んでいた。旧体育館に出没するという幽霊の正体を暴くためであったのだが……。

 『天使が開けた密室』の「美波の事件簿」シリーズ最新刊にして、シリーズの前日譚。つまり、アルバイト少女の美波や江戸っ娘・直海がまだ中学1年生で、まだ何事にも動じなさすぎるお嬢様・西園寺かのこや、隣家の大学生である藤代修矢らとも知り合っていなかった時代の話を、まだ存命だった隣家の水島老人を軸に繰り広げる連作短編集です。
 1つ1つの短編の謎解きというか解決編には釈然としない箇所が多々ありましたが、それを5番目の物語でするっとまとめて解決してしまう構成の巧さに脱帽。あとがきでは、このシリーズがもともとライトノベルのレーベルで刊行されていたことに言及。レーベルに関係なく、優れた作品は大人が読んでも子供が読んでも面白いのだと力説してます。同感。

【手焼き煎餅の密室】【谷原秋桜子】【ミギー】【ウァニタス画】【だまし絵】【ストーンヒーリング】【ダブルソーダ】【花色木綿】
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