付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「メグレ罠を張る」 ジョルジュ・シムノン

2009-09-18 | ミステリー・推理小説
「私は科学的あるいは技術的用語を一言も使おうとは思いません。何しろそれらの言葉は、往々にして私たちの無知を匿すだけの役割しか果たさないのですからね」
 精神病医であるティソオ教授の言葉。

 フランスの名探偵といって名前があがる筆頭格が、メグレ警視。そういや、少年探偵マンガにももじった名前のキャラがでていましたっけ。
 メグレ警視の捜査はひたすら正攻法。この話ではモンマルトルで発生した連続殺人事件の被害者たちが、出身地も職業も違い、互いに面識もなく、普段の生活ですれ違った可能性がないことまで調べ上げるのが彼らの捜査方法の第一歩。
「もともとわたしはそれから何か得られるとは考えていませんでした。が、調べてみないわけにはいかないのです。われわれはどんな小さな可能性でも検討せぬまま放っておく権利は持っていないのです」
 真夏のパリを舞台にした連続殺人犯と警部の対決の結果はいかに!?


【メグレ罠を張る】【ジョルジュ・シムノン】【モンマルトル】
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「仮面の恐怖王」 江戸川乱歩

2009-09-18 | ミステリー・推理小説
「怪しい事件となれば、犯人はもう決まったようなもの。そう、怪人二十面相のしわざだ」
 言ってはいけないことをあとがきで言い放った法学部教授・許光俊の解説。

 ロウ人形館より出現した謎の鉄仮面。その鉄仮面が秘宝「星の宝冠」を所有する有馬邸に出現したとの知らせを受けて駆けつけようとした名探偵明智小五郎は、背後から何者かに襲われ、気がつけば洋上の虜となっていた……。

 アルセーヌ・ルパンの変装だった黄金仮面や怪人二十面相が正体であった青銅の魔人などの蝋人形が置かれたロウ人形館から物語が始まりますが、これって単に「鉄仮面が最初に出現した場所」という意味以外、何もないんですよね。本物そっくりの明智探偵と小林少年の蝋人形があったというエピソードすら、なんの伏線にもなってない。ロウ人形館の中曾夫人も汽船の少女もその場限り。掲載誌が少女雑誌ではなく『少年』だったせいか、少女探偵マユミさんも単なる電話番。人気作家が児童向け雑誌で書き飛ばしているといった感じです。なんだかなー。

【仮面の恐怖王】【江戸川乱歩】【武部本一郎】【許光俊】【黄金仮面】【花崎マユミ】【スクーター】【怪人二十面相】【ゴリラ】【埋蔵金】
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