付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「となりにヴァンパイア」 湖山真

2009-09-12 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 携帯電話の付喪神ミコトに取り憑かれている草太は、妖異を取り締まる機関、いってしまえば妖怪相手の警察組織である“耳鳴坂”でバイト中。
 そんなある日、妖怪にカバンをひったくられた少女を草太は助けるが、彼女はいきなり草太の首筋にかぶりつき……

 料理上手で働き者の吸血鬼ルチヤが“耳鳴坂”の仲間に加わったシリーズ第二弾……第二弾? 1冊目を知らないぞ! またやっちまった……どこに2冊目と書いてあったん……? もしかして、「となりに」の「に」か!?
 人の噂や思いこみが新たな妖怪を生み出したり力を与えるという設定はグループSNEの『妖魔夜行』を彷彿とさせるし、妖魔と人間が共同で秩序維持の組織を設置するというあたりは菊地秀行の『闇ガード』的なフレーバーを感じるけれど、それらよりもコミック色が強いですね。なんというか、重い話なんだけれど暗さがあまり無いです。それが良いか悪いかは好きずきってレベルですが。

【となりにヴァンパイア】【耳鳴坂妖異日誌】【湖山真】【みかづきあきら!】【吸血鬼】【流行病】【狩人】【チェーンメール】
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「チムニーズ荘の秘密」 アガサ・クリスティー

2009-09-12 | ミステリー・推理小説
 ロンドン郊外のチムニーズ荘は歴史的な大邸宅であり、所有者のケイタラム卿が政府の高官にも顔が利く関係上、非公式に外国からの賓客をもてなすために使われることがしばしばであった。そのため、殺人事件が起きたとき、そこではバルカン半島の小国ヘルツォスロヴァキアにおける石油利権を解決すべくヘルツォスロヴァキアの王子や各国政財界の要人が集結していたのである。
 この事件の捜査を担当することになったバトル警視以下英米仏の探偵たちの前に姿を現したのは、最近になって南アフリカから帰国したばかりの旅行会社の社員アンソニー・ケイドだった……。

 クリスティーの初期代表作でスパイ小説っぽいやつでバトル警視もの。
 とにかく石油利権の争奪だの回顧録の秘密だの巨大なダイヤを狙う怪盗だのが入り乱れ、さらに主人公となるべきアンソニーが何を考えているかわからないキャラだけに、話がどこへ行くか最後まで分かりません。荒削りと言えば荒削り。でも、そこが面白い。
 それでも、続編の『七つのダイヤル』の方がわかりやすい性格の主人公なので、安心して読めるんですけどね……。

【チムニーズ荘の秘密】【アガサ・クリスティー】【回顧録】【秘宝コイヌール】【七つのダイヤル】【チムニーズ荘】
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