「名探偵紳士録」 山村正夫

　オーギュスト・デュパンから人形佐七、刑事コロンボまで古今東西の小説や映像作品から名探偵48人を選び出して評伝としてまとめただけでなく、捕物帖やスパイ小説、パロディ、安楽椅子探偵などさまざまなジャンルごとにそれぞれ流れをまとめて代表作品や名探偵を数え上げているので、紹介されている名探偵の総数150人以上。もちろん名探偵の紹介数だけなら他にもありますが、名探偵の歴史、都築道夫などの作家や全日本大学ミステリー連合が選んだ名探偵ベスト10と読み応えたっぷりの１冊で、読んでこれだけ面白いものはそうそうありません。これがゴマブックスから出てたんですねえ……。
　一時期はこれがバイブルで、とにかくここに紹介されている名探偵の登場する本は１冊でも読んでやろうと頑張っていた時期もあったのです。

【名探偵紳士録】【山村正夫】

「１５×２４（５）～ロジカルなソウル／ソウルフルなロック」 新城カズマ

『無神経な他人の一言があれば、人はどこまでも絶望できる』

　自殺したい少年をめぐる騒動は東京中に広がっていた。
　そんな中、六本木のジャズバーのマスターは、店に逃げ込んでおきながら警察にも病院にも連絡しないでくれという５人の少女たちに、１つの条件を突きつけた。「君たちは全員、彼らから、自由を勝ち取らなくちゃいけない」と。

　もはや誰が追う側で追われる側かもはっきりしなくなってきた『１５×２４』も、いよいよクラッマックス。ツィッターでは年末にライブ体験ということで作者自ら主催して「謎が解けたらその場所でお会いしましょう」とばかりに追跡ゲームをやっていたようですが、ああいうライブ感って好きですね。そして、「自分たちだったら、もっとうまくやるぞ」なんて言わせないんだ。
　さて、テレビの生放送で年越し番組に出演しているオサリバン・愛さんは物語に合流できるのでしょうか？　もう、あれやこれやと糸がもつれてしまい、把握できている関心事はもはやそれだけです……。

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