付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「白夢(スノーミスト)」 瀬尾つかさ

2010-01-21 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
最近、作家買いしている瀬尾つかさの本。今回は霧に包まれた山奥の学校付近に出没する謎の怪物と、それと戦う中高生たちの物語。
 霧はどうやら別の世界と通じているようだが、なぜか主人公が転入したあたりから霧の出る日が多くなり、出現する怪物の数も増えているのだが……という話で、単なる学園バトルのようにもみえるのだけれど、ここからどう転ぶか先の見えない面白さがあります。
 ヒロインには特殊能力は全くないのだけれど、とにかく高いところに登りたがるという、あんたは三蔵法師か錬金戦団の斗貴子さんかというキャラクターなのです。どこでもなんでも登るという時点で、既に特殊能力だろうという気もしないじゃないですが、この少女もうまくストーリーや設定に組み込まれていて活き活きとしていて良いキャラです。性癖がちょっと偏っているルームメイトも頼りになるし、やはり瀬尾つかさは買って正解。

【白夢】【スノーミスト】【放課後の霧使い】【瀬尾つかさ】【るろお】【メイド】
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「十三番目のアリス(3)」 伏見つかさ

2010-01-21 | 超能力・超人・サイボーグ
「真の毒舌とは、相手の堪忍袋の緒を、薄皮1枚残すようにして放つものなのです」
 九条院アリスによる毒舌奥義継承。

 3巻目にしていきなり番外の短編集です。早いなあ。
 むしろ、今までの展開を見ていると本編・番外編関係なく、連作中短編形式で続けていった方が良い気がします。

 別の話だったら主役カップルになっていそうな宮田怜奈と桐山誠人の出会いを描いた「女子寮の眠り姫」。早朝の女子寮に乗り込んで半裸で寝ている美少女を起こして学校に連れてくるなどという仕事が公務だなんて、普通の高校生なら鼻血もので狂喜乱舞ですが、誠人くんにとっては迷惑千万な厄介ごと。まあ、相手が「箱入りお嬢様」から「駄目オタク」にジョブチェンジした人ですから、癖がありすぎるのが困りものですが、かわいいところもあるようです。世間様には通用しませんが。
 「どきどき温泉パニック!」はせっかくみんなで温泉に来たなら覗かないのは失礼にあたると、怜奈が男湯覗きに突貫する話。ダメダメです。
 殺戮人形の十二番目、銀髪紅眼の美少女・リリスの生い立ちを描いた「十二番目のリリス」は2巻の裏話でもありますが、やはり、リリス主人公の話でも良かったんじゃないかと思わせる中編。まあ、そうすると意外と良くある話のようになってしまうので、今の形が正解なのかも知れません。でも、アリスに主役を任せていると話が進まない気がするのは気のせいでしょうか。
 最後は、美少女にしか見えない鬼百合三月が純朴でのんびりした少年ながら、根はしっかり年相応にスケベであり、純朴であるがゆえにおのが欲望をあからさまに口に出してしまうという「純情★ボーイ・ミーツ・ガール」。「十二番目のリリス」でちょっと暗くなってしまった雰囲気を脳天気方向に修正して3巻の締めとしています。

【十三番目のアリス】【伏見つかさ】【シコルスキー】【女子寮】【メイド】【露天風呂】【教会】【ぺたんこ】【毒舌】【ダイエット】【裸エプロン】
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