付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「アルサラスの贖罪(3)~善と悪の決戦」 ディヴィッド&リー・エディングス

2010-01-25 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 エディングス最後の未訳長編もこれにて完結。
 大傑作ではないけれど、面白かったと満足させてもらいました。といっても「ベルガリアード&マロリオン物語」や「エレニア&タムール記」をしのぐには至らなかったのは残念というか、あの4シリーズが偉大だったというべきか。
 日本語の副題は「善と悪の決戦」だけれど、壮大な戦いが話に決着をつけはしません。大きな戦は方々で起きますが、なんといっても盗賊にして詐欺師で殺し屋というアルサラスの物語ですから、最後までコン・ゲームみたいなものです。そこがこのゲームのポイントですよね。
 単なる英雄譚ではなく、嘘と殺しと盗みで生きてきた男と愛と正義の女神が互いに影響を与え合う二人三脚の物語なのです。

【アルサラスの贖罪】【善と悪の決戦】【ディヴィッド&リー・エディングス】【碧風羽】
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「作家のおやつ」 コロナブックス

2010-01-25 | 食・料理
 「作家」と呼ばれる人たちの食卓や愛犬などを追いつづけるコロナブックスの作家シリーズで、これもむしゅさんの置き土産(取りに来る気はあるんだよね?)。三島由紀夫から池波正太郎や川端康成までを対象にその愛したおやつや書斎風景などの写真と日記や随筆からの抜粋などをまとめた1冊。
 おやつというのは日常の象徴です。
 書斎の様子などと共に紹介されるおやつによって、その人たちが創作活動をおこなっていた日々の光景も映し出されていくのですね。

「……一番のおやつはヒロポンとアドルムということになるが、薬をおやつとは言わないから、まねしてはいけません」
 嵐山光三郎が坂口安吾のおやつについて語った一文より。

 純粋な作家以外にも食べた食事やおやつを手帳に書き込み続けた小津安二郎もいるし、書斎に置かれた球体関節人形の裸身と栗の実のコントラストが異様な渋澤龍彦もいる。「チョコレートがないと描けない」と言い張る手塚治虫だっています。
 たかがおやつといっても千差万別。綺麗な菓子と色褪せた紙の山との対比が素敵な本でした。

【作家のおやつ】【コロナブックス】【シュークリーム】【みつ豆】【文士】
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