付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「シャーロック・ホームズ健在なり」 長沼弘毅

2010-01-23 | ミステリー・推理小説
 ホームズ・マニアのことをシャーロキアンと呼び、ホームズを実在の人物としてその足取りを辿り年表を作成していく学問をシャーロッキアーナというそうです。その「シャーロッキアーナの権威による力作」というので、そういう本かと思ったら、アーサー・コナン・ドイルの評伝でした。
 しかも、ホームズを実在の人物として取り扱い、事件は実際にあったこととする……はずのシャーロキアンなのに、ドイルの執筆内容のミスは徹底的に追求しています。特に銀星号(シルヴァー・ブレイズ)の事件では、競馬のことを全然知らないまま執筆してしまったドイルに対して、騎手の色分けがいい加減だとか事前チェックがデタラメとかさらにはオッズが……と、厳しい非難を浴びせています。
 さすがにちょっとおかしいなと思って略歴を調べてみれば、この長沼弘毅という人は1960年代には公営競技調査会会長だったのですね。つまり、戦後の競輪競馬などはどうあるべきかという方針を決めた人です。そりゃあ、厳しくもなりますね。
 翻訳家であり、江戸川乱歩賞選考委員であり、日本のシャーロキアンの草分けであり、講道館七段の柔道家であり、日本コロムビアの会長であり、税務署長経験者であり、大蔵省事務次官にまで上り詰めたという、むしろ著者自身が興味深いものでした。

【シャーロック・ホームズ健在なり】【長沼弘毅】【シルヴァー・ブレイズ】【ボヘミア国王の正体】【共同経営者】
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「三千世界の鴉を殺し(15)」 津守時生

2010-01-23 | 超能力・超人・サイボーグ
「個人的な記念日は、時々人生における時限爆弾に変わるね」
 見知らぬ少佐の言葉。

 宇宙軍を部隊にしたホームコメディと思えば間違いない気がしてきました。それも古いアメリカ製の、わざとらしい笑い声が挿入されるやつ。脳内では『奥様は魔女』と差し替えられようとしています。
 今回は、男と女が別れるだとかよりを戻すだとか、殺す殺されるの一幕。ちょうど1時間ドラマ分くらいの話でした。
 面白かったけれど、本筋をすっかり忘れてしまった気がします。

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