付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5)」 伏見つかさ

2010-01-10 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「過ちを認めるのは、できることをすべてやってからだ」

 暮れにインフルエンザにかかって以来、体調も気力も低空飛行。仕事も忙しくなってきたし、買ってきた新刊は山積みのまま。なんというか、“読んだことのない新しい本を読む”って、気力が必要なんですよね。一度読んで、はっきり面白いと分かっていて、かつ安心できる結末の本を何度も読み返す日々でした。比較的最近の本だと、『シアター!』とか『ほうかごのロケッティア』とか……。
 新しい本が読めるようになったというのは復調の兆しかなと思います。

 妹がいなくなったけれど、異性のオタク友達がいて、自分の部屋にはエロゲーがあって、近所の幼馴染みの麻奈実はいつものように「きょうちゃん」と呼んでくれる。
 最近の高坂京介の日常を簡単にまとめるとそんなところ。なんか羨ましい話のような気がします。そんな彼の最近の心配ごとは、春になって入学してきた新入生の中に、黒猫がいたことでした……。

「友達というのは、永遠にそばにいてくれるものではありません」
 ちょっと含みのある沙織・バジーナの言葉。
 彼女はいったいどうしているのでしょうか。

「仲間がいれば、私はまだまだ頑張れるのよ。最近分かったことだけど」
 黒猫の言葉。
 彼女も彼女なりに良い方向へ変わってきているようです。、

 妹ぬきの新展開かと思ったけれど、不在なら不在でみんなの心に影を落とすのは困った妹です。それでも今回のメインは黒猫さんと完璧なる委員長にして恐るべき変態さん。出番が減った沙織さんと元々出番の多くない麻奈実ちゃんの動向も気になりますが、黒猫さんの日々の様子をじっくり追えたという意味では収穫の巻。いや、良いキャラです。

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「樹海の歩き方」 栗原亨

2010-01-10 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
「もう、樹海で遺体を発見するのはやめた方がいいんじゃないかな」
 見つからなければ遺族も生きているという希望を持てるのにと捜査員の言葉。

 自殺の名所といわれた東尋坊から飛び降りるのが趣味のおじさんがいたように、同じく自殺の名所と言われている青木ヶ原の樹海を踏破するのが趣味の人がいるのが世の中というものです。そんな趣味の著者が、樹海の概要から注目スポット、装備の選び方まで書いたマニュアルが本書です。
 ただがっかりするのは日本最後の秘境である青木ヶ原でもコンパスは狂わないということ。「樹海では溶岩に含まれる磁鉄鉱などの影響でコンパスが狂う」というのは村営博物館にも記載された常識ですが、実際に著者が歩き回っていて狂ったことはないし、たまたま遭遇した陸自のレンジャー部隊に訊いても狂ったことはないという答えだったそうです。
 ただ、磁石が狂わないからといって遭難者や自殺者がいないわけではなく、かなりの頻度で遺体等に遭遇しており、遺体を発見したときの通報の仕方などにも紙幅が費やされていますし、袋とじは見つけてしまった死体のカラー写真集なので、そのまま破り捨てて見なかったことにしました。

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