付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「十三番目のアリス(4)」 伏見つかさ

2010-01-29 | 超能力・超人・サイボーグ
 金髪碧眼の大和撫子、ツンデレのツンがひどすぎな九条院アリスの物語も4巻ですが、話はここで中断し、電撃以外にも書きつつ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』が好調に巻を重ねてもう4巻。もう2冊くらいあれば、完結させることもできそうな展開なんだけどなあ。

「自信がないだなんていうのは、怠けものの言い訳でしかありません。やることをやらないで堕落している生ごみ以下の人間が、口癖のようにのたまう台詞です」
 自分のことさえ信じられない人間に生きている価値はないと九条院アリス。

 南海の人工島に建設された姉妹校に短期留学……といっても、今は夏休み。留学というよりバカンス気分のアリスや三月たちだが、そこが組織の拠点の1つであることを知っているリリスの前に七番目のノエルが立ちふさがる……。

 キャッチコピーは「ハイ・ゴシックストーリー」だけれど、それは間違っているでしょ? いくら「ハイ」を付けても中世っぽいわけでもないし、そんなに神秘的でも幻想的でもないし……。
 確かに、心臓に古代遺跡から発見したオーパーツを埋め込んだ少女が、同じ運命の少女たちと死闘を繰り広げる……という基本ラインだけを抜き取ればゴシック小説っぽいといえないでもありませんが、美少年に女装させてお買い物とか、ドタバタ倒錯的ソフトSM学園小説な部分の方が目立つので、あまりそんな雰囲気にはなりません。まあ、それでシリアスなストーリー部分を切り取ってしまうと『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』になってしまうのでしょうが……。

【十三番目のアリス】【伏見つかさ】【シコルスキー】【水着コンテスト】【ぬいぐるみ】【秘密基地】【メガフロート】【女装】【毒舌】
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「キケン」 有川浩

2010-01-29 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 最近、有川浩がぽんぽんと出て、いちばん面白かったのは『シアター』だけど、これもなかなか。ブログ「さて次の企画は」で乙木一史が「リアリティの範疇に収まる学園変人モノ」≠「学園超人活劇」と分類していたタイプの作品で、あまりにはまっていたので引用させていただきました。

「勝たんまでも負けん!」

 成南電気工科大学の機械制御研究部だから通称「キケン」。単なる語呂合わせの略称みたいなものだけれど、2回生に<ユナ・ボマー>上野と<大魔神>大神の2人が居座るこのキケンは、頭数では弱小ながら怒らせたら危険な相手として学内に知れ渡っていた……。

 新入生勧誘からロボット相撲大会まで、1回生<お店の子>元山が体験するキケンのキケンな1年ちょいの物語。学校モノって、別に悪の組織とか異能力者とか魔法とか出てこなくても十分に楽しいのだけれど、そういう普通の学園生活の話を読んで愉しめるのは、自分が普通の学園生活とは縁がなくなってからかも知れません。
 「今」を認識するラストが良かったです。自分にも思い当たるふしはあるから、なおさらかな。
 こういう話が「電撃文庫MAGAZINE」とか「ドラゴンマガジン」とかではなく、「小説新潮」で連載されていたってあたりは重要です。

【キケン】【有川浩】【徒花スクモ】【犯罪】【ラーメン】【ロボット相撲】【学園祭】【新歓】【自爆禁止】【ゴールドライタン】
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