殆どの皆さんはご存知であろう。合元寺の「赤壁」である。これを「レッドクリフ」「せきへき」と言ってはならん。「あかべい」である。中国ではその断崖が赤い。ここは壁が赤い。その赤は血の色である。
天正十七年(1589年)四月黒田孝高(黒田如水)が宇都宮鎮房を中津城で騙し討ちにした。そのときの友侍らが中津城を脱出し、この寺で奮戦するも最期をとげてしまった。それ以来白壁を塗り替えても血痕が絶えないので遂には赤壁にしたという、有名な寺である。
妻はにこやかな顔をして立っている(そのとき前もって説明はしたのだが) もう少し当時を思ってそれなりの顔をしてくれよと編集時に思ってしまった。後の祭りである。もう少し中津に滞在である。