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帰路に着く。極力中津街道を北上することにした。当然のように道狭く離合もままならぬが、普段の生活道路であるから殆どと言っていいくらいに車は通っていない。軒先を掠めつつも母に説明をし、運転を続けた。
宇島の街道を行き、かねてより目をつけていたところで止めた。それがこの写真である。少々判り辛さもあるであろうが、今では殆どと言っていいくらいに希少なものである。小学校の片隅で、木々と小さな倉庫に挟まれた格好でそれは立っている。ある程度の年齢の方ならもうお判りであろう。そう「金さん」。
薪を背中に背負い本を読んでいる姿と言えば、「遊び人の金さん」ではなく勤勉な「金さん」二宮金次郎である。台座には二宮尊徳先生とあるが、この像はまだ少年なので金次郎が正しい。
母も珍しさのなか、母が通った小学校を思い出したのである。そのころは全国の小学校にあった。私が通った小学校にもまだあった。それがいつの間にか消滅した。何故なのか理由は判らぬ。勤勉を奨励し、勤勉の象徴とも言うべき物言わぬこの像は物も言わずに田舎の小学校の片隅に残されている。