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産業能率大学という大学が、自由が丘にあることを最近知った。本書は、その産能大が出版した最新本だ。
サラリーマンは、何度となくこの手の本を読んでいると思うが、なかなかよくまとまっている。
「全体最適を考えた上で部分最適の追求が出来る人が組織にとって望ましい生産性をもたらす。」その通り。
生産性が一番問われるのは、サービス業。その通り。
そして能率十訓の登場。
昭和30年に、当大学の創設社である上野陽一氏が、提唱したものという。
ちょっと長くなるが、今でも通ずる内容なので、全文載せておく。それにしても、昭和30年の文書って、こんなに片仮名だらけだったかな。
1、ドンナ イトナミヲ スルニモ ソノ 目的ト 目標トヲ アキラカニ シ マズ コレヲ 確立セヨ. 目的ト 目標ノ ハッキリ シナイ トコロニワ ハゲミガ オコラヌ.
2、ソノ 目的ト 目標ヲ 達スル タメニ モットモ 適合シタ 手段ヲ エランデ コレヲ 実行ニウツセ.
3、モシ ソノ 手段ガ 目的ト 目標ニ 適合シテ イナイト アルイワ ムダ アルイワ ムリ ヲ ウム.
4、ヒト・モノ・カネ ヲ ハジメ 時間モ 空間モ コレヲ 十分ニ活用スル ヨーナ 目的ノ タメニ ツカエ. 活用ガ タダシク ナイト ヤハリ ムダ アルイワ ムリ ヲ ウム,
5、ムダト ムリ トワ ソノ 性質 相反シ ヨノナカニ ムラヲ ツクリダス モトニ ナル.
6、ムラガ ヒドク ナルト 大事ヲ オコス.ツネニ ムダヲ バブキ ムリヲ ノゾイテ ムラヲ スクナク スルコトニ ツトメヨ. コレヲ オコタルト 社会ワ 不安ニ ナル.
7、能率トワ ムラヲ ヘラシテ スベテノ ヒト ト モノト カネ トガ イカサレテ イル 状態デ アル.
8、スベテノ モノ(ヒト モノ カネ 時間 空間)ヲ イカス モノワ イカサレコレヲ コロス モノワ コロサレル.
9、人生一切ノ イトナミガ コノ 能率ノ 主祉j モトヅイテ オコナワレ ナケレバ 社会ワ 安定セズ 人類ワ 幸福ニナレナイ.
10、ソノ タメニワ 個人モ 家庭モ 企業 ソノ他ノ 団体モ ソノ イトナミヲ 能率的ニ 運営スルコトガ 必要デアル.
生産性を高めるということはどういうことか?
最少のインプットで、最大のアウトプットを生むことだ。
ただ、その方法には、いろいろある。例えば、コスト削減のみでも、生産性は高められる。それが、目標に沿ったものであればいいが、実際は、そうでないケースが多いだろう。
議論は、さらに続くが、あまり難しいことが書いてあるわけではなく、実践向きである。
生産性に興味のある諸氏には、導入書として、適した本ではないか。
明日から、日本脱出。しばらくお休みかな?