三蔵法師の冒険についての本は、いろいろ読んだ。みなそれぞれ面白い。
それこそ、子供のころから、西遊記で、親しんだ世界でもある。
ただ、天竺がゴールで、その先の話は、意外と少なかったりもする。
本書は、インドに苦労の末到達して、インドに滞在し仏教を学び、中国に戻って、経典の末ョ成させるまで、バランスよく、きれいな写真付きで、紹介してくれるので、いいかもしれない。
1999年に発行された本で、あのバーミヤンの大仏は、健在だ。当時から、タリバンは、大仏を破壊すると言っていたらしい。著者の願いもむなしく、その通りになってしまった。
三蔵法師本人による大唐西域記と、その弟子による伝記を中心に展開され、住職の哲明さんのコラムが入るという構成。伝記の部分に、説明が一部混入していて、ちょっとわかりにくい感じはする。
ベゼクリクをクチャ近郊と説明してあって、ちょっとびっくり。
そういえば、アショカ王の息子が継母の企みにより盲目にされて、タキシラの仏塔にお祈りしたら、視力が戻ったという話が出ていた。大映の仏陀のDVDを見ていて、似た話が出てきたのだが、今までの原典がわからなくて不思議に思っていたのだが、その元の話がわかった。
わかりやすいし、網羅的なので、三蔵法師の一生を知りたい人に、お勧めできる本。