本書は、12年前に出た、カラー写真が美しい文庫本だ。元は、1984年に出たというから、結構古い。著者の横山さんは、羽田空港や、東京の郷土玩具、木曽路、エジプトをテーマにした本を著わしており、不思議なのだが、このブッダの道を読む限り、本格派だ。
訪問地は、かなり私の回ったところとかぶるのだが、年季が違う。
ルンビニの写真には、まだ摩耶堂がないし、ピプラワーの遺跡は、まだ仏塔の基壇が再建前で、中央の穴がむき出しになっている。
圧巻は、西チベットと、パキスタンと、アフガニスタンだろう。特に、アフガニスタンについては、とてもじゃないけど、もう行ける気がしない。もちろん、三蔵法師が見たという大仏像は、破壊されてしまったのだが。
カンボジアみたいに、とりあえずの平和が、アフガニスタンに訪れる日が来るのだろうか。
この種の本は時々あるので、仏教の伝播に興味があって、その種の写真集を見たことがない人にお勧め。